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オリンパス、シリーズ最小のエントリー機「OM-D E-M10」

上位機のセンサーと画像処理エンジンを継承

 オリンパスは、マイクロフォーサーズ機「OLYMPUS OM-D E-M10」を発表した。発売時期はシルバーが2月末、ブラックが3月。

シルバー
ブラック

 ボディ単体、レンズキット(M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZが付属)、ダブルズームキット(M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ+M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6 R)を用意する。店頭価格はボディ単体が8万円前後、レンズキットが9万5,000円前後、ダブルズームキットが11万円前後の見込み。

 いずれの構成もボディカラーはシルバーとブラックを用意し、キットレンズもボディカラーに合ったものが付属する(ダブルズームキットの40-150mmのみブラック1色)。

 M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZは、E-M10と同時発表の新しい標準ズームレンズ(後述)。

14-42mm EZ装着例
40-150mm装着例

 同社マイクロフォーサーズ機のうち、EVFを内蔵するOM-Dシリーズの「E-M1」(2013年10月発売)と「E-M5」(2012年3月発売)に続くローエンドモデル。E-M5の有効1,605万画素Live MOSセンサーと、E-M1の画像処理エンジン「TruePic VII」を継承。さらにシリーズ初の内蔵ストロボを持ちながら、レンズ一体型デジタルカメラ「STYLUS 1」に迫る小型サイズとした。

 TruePic VIIは、装着レンズの光学特性や絞りに応じてシャープネスと倍率色収差を補正し、ローパスレス対応の高精度デモザイキングと偽色低減処理も行なうという同社独自の画像処理エンジン。E-M10のセンサーもE-M1と同様、光学ローパスフィルターレス構造になっている。

 画像処理関連以外のE-M1およびE-M5との主な違いは、ボディの防塵・防滴(E-M1は耐低温も)性能を省略し、ボディ内手ブレ補正機構は3軸(E-M1およびE-M5は5軸)。AFはE-M5と同様にコントラストAFの「FAST AF」で、E-M1のようにフォーサーズレンズ装着時の位相差AFにも対応する「DUAL FAST AF」ではない。連写のコマ速は8コマ/秒(E-M1は同10コマ、E-M5は同9コマ)。

 ボディ内手ブレ補正機構はピッチ、ヨー、光軸回転の3軸。並進ブレの縦横2軸の補正を省略したが、ファインダー像が止まる仕様は継承しているという。補正効果は約3.5段分としている。

 EVFは0.57倍(35mmフルサイズ機換算)・144万ドットで、E-M5のスペックに近い。E-M1は同0.74倍・236万ドット。周囲の明るさに応じてEVFバックライトの輝度を自動調整する機能「キャッツアイコントロール」をE-M1から継承している。アイセンサーによるEVFと液晶モニターの高速切り換えも謳う。

 操作部はE-M5に近い配置の2ダイヤル式を継承。Fnボタンもボディ上面の右手親指側に2つ備える。液晶モニターはチルト可能なタッチパネル式の3型約104万ドット(3:2)。

 E-M5にはなかったWi-Fi機能を搭載。従来から可能なリモート撮影では、スマートデバイスでライブビューを見ながらタッチAF撮影などが可能。電動ズームの操作にも対応している。新たに、スマートデバイス側の画面表示を大きなレリーズボタンとレリーズロックボタンに限定してリモートケーブルのように使えるという「ワイヤレスレリーズモード」も搭載した。

 露光中に一定間隔でプレビューできるライブバルブ、ライブタイム撮影のほか、ライブ・コンポジット(比較明合成)撮影に対応。表示更新間隔はいずれも0.5秒〜60秒。インターバル撮影は、1秒〜24時間の間隔で999枚まで撮影可能。タイムラプス動画の自動生成も可能としている。

 シャッター速度は1/4,000秒〜60秒(バルブ最大30分)。ストロボは1/250秒まで同調する。内蔵ストロボはGN8.2(ISO200・m)、オリンパスワイヤレスRCフラッシュシステムに対応する。

ポップアップ式の内蔵ストロボ

 動画記録は最大1,920×1,080/30pのH.264もしくは最大1,280×720/30fpsのMotion JPEG。センサーシフト式と電子式を併用した手ブレ補正が利用可能。一部アートフィルターも適用できる。

 記録メディアはSDXC/SDHC/SDメモリーカード。Eye-Fiカードにも対応している。

 電源はリチウムイオン充電池「BLS-5」。撮影可能枚数は約320枚。単体チャージャーも付属する。BLS-5はSTYLUS 1のほかE-P3、E-PL6、E-PM2などと共用。

 外形寸法は119.1×82.3×45.9mm。バッテリーとメモリーカードを含む重量は約396g。

 別売アクセサリーとして、専用グリップ「ECG-1」(7,875円)をラインナップ。バッテリーホルダーや縦位置グリップとしての機能は持たず、ホールディング性向上のためのアイテム。

E-M10専用グリップ「ECG-1」
装着例

 E-M10にキット設定されている標準ズームレンズは、電動ズームの「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ」。従来の「14-42mm II R」とほぼ同じレンズ構成と画質を継承しながら沈胴時の厚さを22.5mm、重量は93gとし、“パンケーキズームレンズ”と呼んでいる。

M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZの装着例

 同レンズのフォーカス操作は全周回転リング式、ズーム操作は±10度回転のリング式で、2段階可変速。レバー操作部は持たない。オプションで電源連動の自動開閉キャップ「LC-37C」(5,250円、2色)とマクロコンバーターレンズ「MCON-P02」(8,925円)を用意している。

LC-37C装着例

 新しいマクロコンバーターレンズMCON-P02は、拡大性能と画質の向上を謳う。対応レンズは14-42mm EZや同時発表の「25mm F1.8」をはじめ、「14-42mm IIおよび同R」、「45mm F1.8」、「17mm F1.8」「ED 12mm F2」の7本に対応している。MCON-P01との対応レンズの違いとしては、40-150mm(および同R)、14-150mmへの対応がなくなっている。

MCON-P02装着例

 同時発表のソフトカメラケース「CS-44SF」(6,300円)は、E-M1と同時発表したカメラバッグ「CBG-10」の側面に取り付け可能。14-42mm EZを装着したE-M10の収納に適するサイズという。

CS-44SF
12-40mm PROレンズの収納例
CBG-10側面への装着例

 なお、上記アクセサリーはいずれも2月末発売としている。

(本誌:鈴木誠)