ニコンサロン、苅込佑写真展「刻を包む空間」


 ニコンサロンbis新宿は、苅込佑写真展「刻を包む空間」を7月20日から開催する。

 “駅・ステーション”は、不思議な響きを持つ。その駅を抱き込む人工的空間が駅前である。時代の変化に顔を変え、千変万化してきた駅前もあれば、見捨てられて呼吸を止めてしまったような駅もある。

 かつて作者は鴨川から館山に電車(当時はディーゼル列車)通学していたことがある。当時はただ列車に乗って行ったり来たりするだけで、駅や駅前には何の思いも感傷もなかった。あるのは車中の青春の記憶だけである。

 ともあれ「駅前」という語感には“駅前旅館”とか“駅前食堂”とか、どこか旅の趣や情緒的な想いがするが、現実はいささか味気ない、人肌を感じさせない空間となっているところが多い。

 作者がカメラを向けたのは、千葉駅を始発・終点とする内房線から外房線への55の「駅前」である。“空白の間”という空気感に身を置きながら、目の前の佇まいを追った作品である。モノクロ55点。(写真展資料より)

  • 名称:苅込佑写真展「刻を包む空間」
  • 会場:ニコンサロンbis新宿
  • 住所:東京都新宿区西新宿1-6-1新宿エルタワー28階
  • 会期:2010年7月20日~2010年7月26日
  • 開館時間:10時~19時(最終日は16時まで)
  • 休館日:会期中無休
  • 入場料:無料

(本誌:武石修)

2010/7/6 00:00