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キヤノン、大型センサー搭載ズームコンパクトを開発中

「EOS 7D Mark II」「PowerShot G7X」発表会で

 キヤノンは9月16日、デジタル一眼レフカメラ「EOS 7D Mark II」などの新製品発表会を都内で開催した。ここでは発表会の模様をお伝えする。

EOS 7D Mark II
左からキヤノンマーケティングジャパン 常務執行役員 イメージングシステムカンパニープレジデントの八木耕一氏、キヤノンマーケティングジャパン代表取締役社長の川崎正己氏、キヤノン イメージコミュニケーション事業本部 副事業本部長 岡田正人氏

 発表会での新しい情報として、同社が大型センサーと高倍率ズームレンズを組み合わせたコンパクトデジタルカメラのハイエンドモデルを開発中だと発表した。詳細は明らかにしていない。

次期ハイエンドモデルの開発を明らかにした

レンズ交換式は今後拡大

 デジタルカメラの国内市場動向を説明したキヤノンマーケティングジャパン代表取締役社長の川崎正己氏は、「レンズ交換式デジタルカメラの世帯普及率はまだ2割で成長市場。今後4割まで行くと予想している。コンパクトデジタルカメラユーザーの56%がレンズ交換式カメラをいずれ購入したいと答えているのに加えて、スマートフォンユーザーももっと良いカメラが欲しいと考えている。ステップアップのニーズは高く、拡大するマーケット」との見方を示した。

 コンパクトデジタルカメラについては、台数は年々減少しているが単価は上昇しているという。牽引するのは高級コンパクトと高倍率コンパクトのカテゴリーで、キヤノンではこの分野での戦略を強化するという。

レンズ交換式カメラの市場は今後拡大すると予測した
カメラの購入意向は比較的高い
ステップアップしたいユーザーも多いという
EOS学園の受講者数も増えている
コンパクトは台数減だが、単価は上昇している
コンパクトは高級モデルと高倍率が前年より延びている
高級コンパクトのニーズが高い

「究極の機動性を発揮するカメラ」

 EOS 7D Mark IIは、10コマ/秒の高速連写や65点全クロス測距の位相差AFなどを搭載するモデル。「EOS-1D X譲りの性能を持たせた。究極の機動性を発揮するカメラで、キヤノンの技術を結集した。機動力が必要なジャンルに最適」(川崎氏)とアピールした。

EOS 7D Mark IIはEOS 5D Mark IIIとともに、ミドルハイクラスの2トップとする
EOS 7D Mark IIで訴求する撮影ジャンル
EOS 7D Mark II
EOS 7D Mark IIのパーツ
野鳥を撮影する人は34万人。保有レンズも多い
鉄道も30万人と続く。年齢層に偏りがない
その他のジャンルの撮影人口
EOS 7D Mark IIのカタログは撮影ジャンル毎に6種類、総合カタログを含めて7冊作った

PowerShot G7XはEOS譲りの画質

 コンパクトデジタルカメラの「PowerShot G7X」は、高級コンパクトデジカメとの位置づけのカメラ。「大型センサー(1型)と大口径ズームレンズを手のひらに収まる小型ボディに収めた」(川崎氏)。

PowerShot G7X
PowerShot G7Xの分解モデル
PowerShot G7Xのターゲットは50歳以上とする
ニーズが高い旅行用としてアピールする
WOWOWと組んで映画と関連したミニ番組も放映する

 絵作りはEOSに近く、特に白トビに強いとのこと。高輝度側のDレンジを拡大し、EOSと同じ露出で撮れることを訴求する。画像の加工耐性も高いという。

 高倍率機の「PowerShot SX60 HS」は、光学65倍という世界最高クラスのズーム比を持つカメラ。「天体や野鳥の分野でも活躍する。月のクレーターがはっきり見えるほど写る」(キヤノン イメージコミュニケーション事業本部 副事業本部長 岡田正人氏)。

PowerShot SX60 HS(望遠端、フードはオプション)
PowerShot SX60 HSの分解モデル

 今回発表のデジタルカメラに4K動画の機能は入っていないが、これについては「将来の発展性については考えて研究している」(岡田氏)と述べるに留まった。

 ◇           ◇

 一方レンズでは13年ぶりのリニューアルとなる超望遠レンズ「EF 400mm F4 DO IS II USM」などを発表した。同レンズは今回、光学系を一新したのに加え、DO(積層型回折光学素子)レンズ部を改良したことで、これまでDOレンズの弱点とされていた逆光フレアを低減した。加えて、独自の反射防止コート「SWC」を採用することでさらに画質を高めている。

EF 400mm F4 DO IS II USM
DOレンズを密着する技術を開発した
フレアが低減されている

 これまでDOレンズは2枚の光学素子を間を空けて設置していた。この空間での反射が逆光フレアの原因だった。今回、光学性能を維持して2枚の光学素子を貼り付けることが可能になり、フレアの低減に繋がった。

 「EF-S 24mm F2.8 STM」は、フルサイズ用となる「EF 40mm F2.8 STM」のAPS-C機版といったレンズ。APS-C機に40mmレンズを付けると画角が狭くなることから、広い画角のパンケーキレンズを求める声が多かったという。35mm判換算の焦点距離は38mm相当となっている。

EF-S 24mm F2.8 STM

 「EF 24-105mm F3.5-5.6 IS STM」は、発売済みの「EF 24-105mm F4 L IS USM」に対して価格を抑えたモデルとなっている。Lレンズよりも価格の安いモデルが欲しいとの要望に応えたもの。

EF 24-105mm F3.5-5.6 IS STM
同社の技術開発の歴史も披露された
EFレンズ1億本達成への道のり
年間シェアナンバー1を維持するとした

4人の写真家がトークショウでアピール

 会場にはカタログの作品を担当したプロ写真家が招かれた。そのうち4名がトークセッションを行い、EOS 7D Mark IIの魅力を語った。

トークセッションの様子。左からルーク・オザワ氏、中西祐介氏、長根広和氏、戸塚学氏、司会の石田立雄氏(アイ・イメージング・フラッグ代表)

 戸塚学氏(野鳥写真家):「EOS 7Dを5年使ってきた。APS-Cセンサーで焦点距離が1.6倍になることは野鳥を撮るのに適している。今回10コマ/秒の連写ができるようになって、飛んでいる鳥が翼を広げたところを捉えられるようになった。流れるような連写音も気に入っている」

 長根広和氏(鉄道写真家):「EOS 7Dの8コマ/秒には当時感動した。5年も使っていると色々カメラへの欲が出てくるが、EOS 7D Mark IIには5年間の望みが詰まっていた。鉄道撮影のためのカメラなのではと思うほど、完成度が高い」

 中西祐介氏(スポーツ写真家):「普段はEOS-1D Xを使っていて、EOS 7D Mark IIがどれくらい使えるか疑問があったが、最初の撮影で心配は無くなった。AFの食い付きはEOS-1D Xと遜色ない。新しく入ったフリッカーレス機能で本当に撮影が楽になった。仕事で使っていける」

 フリッカーによる悪影響とは、蛍光灯などのフリッカーによって、露出を固定していても撮影枚に露出や色のバラツキが生じる問題。高速シャッターで起きやすく、連写するとコマ毎の違いが目立つ。EOS 7D Mark IIでは、フリッカーを検知してシャッタータイミングをずらすことでこの問題を解消した。

フリッカーレス機能の仕組み

 なお、中西氏によると白い紙などでホワイトバランスをセットする際、蛍光灯下ではフリッカーのタイミングによって、ホワイトバランスが異なってしまうという。その際、フリッカーレス機能をONにすることで、正確なホワイトバランスが取得できるとのこと。

 ルーク・オザワ氏(航空写真家):「空港で撮るのが基本で、100-400mmのズームレンズを使う。その際1.6倍の効果は大きな味方になる。EOS 7D Mark IIは軽量なのも魅力で、1日撮影していても楽勝。サブカメラでは無く、空港によってはEOS 7D Mark IIがメインになることもあると思う。EOS-1D Xでは大きい、重いと言うことがあるが、最近増えている飛行機を撮る女性がEOS 7D Mark IIを欲しがるのではないか」

カタログの作品に携わった写真家が登場した
会場には、世界最長(AF一眼レフカメラ用交換レンズとして)の焦点距離と最大の口径をもつ「EF1200mm F5.6L USM」(生産終了)も展示していた