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「マビカ試作機」と「写ルンです」が未来技術遺産に登録

 国立科学博物館は8月26日、2014年度の「重要科学技術史資料」(未来技術遺産)に登録する49件を発表した。このうちスチルカメラでは、「マビカ試作機」(ソニー)と「フジカラー 写ルンです」(富士フイルム)の登録が決まった。

マビカ試作機
フジカラー 写ルンです

 選定理由は以下の通り(引用)。

世界初の電子スチルカメラ「マビカ試作機」(ソニー、1981年製作)

世界初の電子スチルカメラである。銀塩カメラにおけるフィルムの替わりにCCDと呼ばれる半導体撮像素子を用いた初めてのカメラで、ビデオカメラ技術を用いて1フレームをアナログ信号として2インチの専用フロッピーディスクに磁気記録した。新聞社と契約し、ロサンゼルスオリンピックの取材に用いられ、後に市販された。画像の即時再生、記録媒体の再利用、通信機器を介した画像伝送に道を開き、「化学」機器であったカメラを「電子」機器として位置付けた革命的な機器である。後のデジタルカメラ技術の創造に寄与したものとして貴重である。

世界初のレンズ付きフィルム「フジカラー写ルンです」(富士フイルム、1986年製作)

1986年7月に発売された世界初のレンズ付きフィルムである。簡単カメラではなく、写真の撮れるフィルムという発想から開発された。それまで写真撮影には高価なカメラが必要で、手軽に万人が写真撮影を楽しめるものではなかった。この製品の登場により、大人は勿論、子どもでも手軽に写真を撮ることが一般的になり、写真文化の裾野を一気に広げた。
本製品の開発には、既に市場導入されていた110フィルムカートリッジを用い、徹底的にシンプル化したシャッター、レンズ、巻き上げ機構、安価かつ高性能プラスチックレンズの導入、カメラボディーへの軟質プラスチックの採用など、当時の革新技術が数多く詰め込まれている。
レンズ付きフィルムは、135フィルムへの変更、簡易ストロボ機構や簡易AE機構の導入などの数多くの進化を経て、これまでに世界累計で17億本以上を出荷するという大ヒットを飛ばした日本発の商品となった。
リサイクル、リユースも実施し、環境保全にも配慮した製品設計であった。デジカメに置き換わった現代においても、安価で、軽くて、操作が簡単というメリットから、修学旅行用途や海水浴用途など、依然として根強い需要が存在している。

 未来技術遺産は、科学技術史資料のうち「科学技術の発達上重要な成果を示し、次世代に継承していく上で重要な意義を持つもの」や「国民生活、経済、社会、文化の在り方に顕著な影響を与えたもの」に該当するものを登録している制度。