キヤノン、バリアングル液晶モニター採用の「EOS Kiss X5」
キヤノンは、バリアングル液晶モニターを搭載したデジタル一眼レフカメラ「EOS Kiss X5」を3月上旬に発売する。価格はオープンプライス。
商品構成 | 発売時期 | 店頭予想価格 |
EOS Kiss X5ボディ | 3月3日 | 90,000円前後 |
EOS Kiss X5 EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS II レンズキット | 100,000円前後 | |
EOS Kiss X5 EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS II EF-S 55-250mm F4-5.6 IS ダブルズームキット | 130,000円前後 |
EOS Kiss X5。装着レンズはEF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS II |
現行モデル「EOS Kiss X4」(2010年2月発売)と並び、エントリークラスを狙うデジタル一眼レフカメラ。同時発表の「EOS Kiss X50」はエントリー層の中でも若年男女向けとしており、本機は従来通りファミリー層をターゲットとするのが違い。また、本機には「こだわりスナップキット」やカラーバリエーションが設定されていないのも相違となる。
なお、レンズキットおよびダブルズームキットに含まれる新レンズ「EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS II」は、既存の「EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS」の外観を変更した製品。光学系に変更はない。単体でも3万3,800円で3月に発売する。
撮像素子はAPS-Cサイズ相当(22.3×14.9mm)の有効約1,800万画素CMOSセンサー。サイズと有効画素数の数値はEOS 7D(2009年10月発売)、EOS 60D(2010年9月発売)、EOS Kiss X4と変わりはない。最高感度はISO6400。拡張設定でISO12800での撮影が可能。EOS Kiss X4同様、映像エンジンにDIGIC 4を採用する。
撮像素子は有効1,800万画素のCMOSセンサー。サイズはAPS-C相当 |
EOS Kiss X4との最大の違いは、3型104万ドットのバリアングル式液晶モニターを採用したこと。EOS 60Dと同スペックのもので、横方向に開くタイプ。なお、EOS Kiss X4は3型104万ドットの固定式だった。
EOS 60Dに続き、バリアングル液晶モニターを搭載 |
また、従来の「全自動」モードを進化させたという「シーンインテリジェントオート」をEOS DIGITALで初めて搭載。全自動は撮影シーンにあわせて、AE(自動露出)、AF(オートフォーカス)、AWB(オートホワイトバランス)、ALO(オートライティングオプティマイザ)を自動設定するものだったが、シーンインテリジェントオートではそれらに加え、「ピクチャースタイルオート」による制御も行なうようになる。
ピクチャースタイルオートの追加により、画面に占める緑や青空の量にあわせて最適な色合いに記録するといった、特定の色に関する補正が可能になる。同時にAWBとALOについても機能強化を図っており、例えば高彩度の被写体の色飽和を防ぐため、ALOの補正量を適切に制御するといった進化が見られるという。
EOS Kiss X5からの新しい効果の一部としては、「顔の色が自然になるようWBを補正する」(AWB)、「青、緑などの彩度を上げ、鮮やかに仕上げる」(ピクチャースタイルオート)、「オレンジの彩度を上げ、鮮やかな夕景に仕上げる」(ピクチャースタイルオート)などがあげられる。ただし「人物」、「風景」、「マクロ」など、解析シーンを一定のパターンに当てはめるものではなく、無数のシーンを解析するとしている。
モードダイヤルでは全自動に代わり、シーンインテリジェントオートが選べる |
ピクチャースタイルに「オート」が新たに加わる | 被写体や撮影シーンにあわせた仕上げを行なうという |
記録画質にはS2(約250万画素)、S3(約35万画素)を追加。全10種類から選べるようになった。RAWデータは14bit。Eye-Fiにも正式に対応する。
さらに、EOS初の「機能ガイド」を搭載。クイック設定画面などで、機能説明のワンポイント表示を行なう。初心者が雰囲気や状況に合わせて設定しやすいという「くっきり鮮やかに」、「しっとり深みのある」、「ほの暗くひっそりと」といった「表現セレクト」もEOS 60Dから引き継いだ。
表現セレクトと機能ガイドの例 |
EOS 60Dから搭載する「アートフィルター」は、「クリエイティブフィルター」という呼び名になった。海外と名称を統一したためという。「ソフトフォーカス」、「ラフモノクロ」、「トイカメラ風」、「ジオラマ風」に加え、新たに「魚眼風」を追加している。
そのほかEOS 60Dからは、「マルチアスペクト機能」や「レーティング機能」などを受け継いでいる。マルチアスペクト機能では、標準の3:2に加えて「1:1」、「4:3」、「16:9」を指定可能。
クリエイティブフィルター「魚眼風」の例 | マルチアスペクト機能 |
レーティング。再生クイックメニューからも指定できる | スライドショー時の絞り込みにも利用可能 |
動画記録はH.264でのフルHD(1,980×1,080ピクセル)に対応。EOS Kiss X4などと同様のスペックだが、新たに「動画デジタルズーム」が使えるようになった。画面中央部を3倍、7倍、10倍にクロップして記録する。EOS 60DやEOS Kiss X4では約7倍(640×480ピクセル)固定だった。
また、設定した秒数だけ録画し、自動で録画をストップする「ビデオスナップ」も新機能。1シーンは約2秒、約4秒、約8秒から選ぶことができ、シーンを連続再生してBGM付きで再生できる。専用BGMは5曲を内蔵。さらに付属ソフト「EOS Sample Music」経由で、任意の楽曲をEOS Kiss X5に転送できる。
なお、ビデオスナップで撮影したシーンは、「ビデオスナップアルバム」というひとつのファイルとして保存可能。ビデオスナップアルバムを編集できるソフト「EOS Video Snapshot Task」が付属する。
そのほか、EOS 7DやEOS 60Dと同様、内蔵ストロボはトランスミッターとして機能。ワイヤレス制御対応のEXシリーズスピードライトをカメラ単体でリモート制御できる。
ビデオスナップ | 動画記録時のマニュアル露出も行なえる |
内蔵ストロボで外部ストロボのワイヤレス制御が可能になった |
内蔵ストロボをポップアップさせた状態 |
EOS Kiss X4用のバッテリーグリップ「BG-E8」(1万6,800円)を使用できる |
製品名 | EOS Kiss X5 | EOS Kiss X4 | EOS 60D | |
撮像素子 | サイズ | APS-C相当(22.3×14.9mm) | ||
有効画素数 | 約1,800万 | |||
感度 | ISO100-12800(拡張含む) | |||
記録メディア | SDXC/SDHC/SDメモリーカード | |||
ファインダー | 方式 | ペンタダハミラー | ペンタプリズム | |
視野率 | 約95% | 約96% | ||
倍率 | 約0.85倍 | 約0.87倍 | 約0.95倍 | |
アイポイント | 約19mm | 約22mm | ||
液晶モニター | バリアングル | ○ | - | ○ |
サイズ | 3型 | |||
ドット数 | 104万 | |||
最高シャッター速度 | 1/4,000秒 | 1/8,000秒 | ||
連写性能 | 約3.7枚/秒 | 約5.3枚/秒 | ||
動画 | 1,980×1080・30p・H.264など | |||
外形寸法 | 133.1×99.5×79.7mm | 128.8×97.5×75.3mm | 144.5×105.8×78.6mm | |
重量(CIPA基準) | 570g | 530g | 755g |
【2011年7月31日】表中のファインダー倍率の誤りを修正しました。
【2011年2月7日】製品画像を追加しました。
2011/2/7 14:17