ユビキタス、GPS搭載デジカメを意識した組込み向けデータベース
株式会社ユビキタスは、組込みデータベースソフトウェア製品「Ubiquitous DeviceSQL Release 5.0」を24日に発売した。組み込み機器向けに、データベース機能とデータ処理機能を提供する製品。携帯電話などに加え、デジタルカメラへの搭載も見込む。
DeviceSQL Release 5.0のロゴ | DeviceSQLの採用実績。デジタルカメラも含まれる |
同社のDeviceSQLは、従来から世界最小の組込みデータベース(最大メモリフットプリント24KB)を謳っており、近年ではオリンパスμTOUGH-3000やパナソニックLUMIX DMC-TZ10などへの採用実績を発表している。
同社が今回発売するRelease 5.0は、新たに空間検索機能を追加。GPS搭載機器向けに、地図情報や地点情報といった2次元および3次元のデータ型をサポートした。
また、R-Treeインデックスを強化したR*-Treeインデックスの採用により、空間中の1点を表す「Point型」、複数の点をつないだ線で囲まれた平面領域を示す「Polygon型」、中心点と半径で示す円などの「Circle型」といったデータ型をサポート。目的のポイントを高速に検索できるという。2次元データの検索の場合、一般的なマルチカラムに割り当てて検索するより、2〜3倍の高速検索が可能になる。
例えば、指定した座標に一致する点の検索、中心点から半径圏内の座標の検索、指定ポリゴン内の座標検索などに対応。「現在の位置から半径2km以内のコンビニ」、「地図上に表示されている矩形内の郵便局」といった、円、矩形、多角形、折線などの図形に含まれるかどうかを条件に指定したポイントの検索が高速になるという。
執行役員事業本部長の佐野勝大氏は、「従来だと大きなデータベースが必要だったが、これで組込みに適用できる。大きな意義だと考えている」と強調。発表会ではデジタルカメラメーカーからのニーズをもとに開発したことを明かした。まだ提案段階だが、メーカー各社の「関心は高い」という。
R*-Treeインデックスによる空間検索に対応。マルチカラム式より高速という | 執行役員事業本部長の佐野勝大氏 |
加えてRelease 5.0では、N-gramアルゴリズムを採用した全文検索エンジンをサポート。各種表記の揺れや、文字列マッピング機能に対応した上で、こちらも少ないリソースで高速な検索を可能にしたという。従来のLIKE検索より3〜30倍の高速検索が可能になるとしている。
あわせて、メモリ管理マネージャーを標準でサポートするなどの強化を図ったという。
コンパクトながら全文検索に対応したのもR5.0の特徴 | 今後はクラウドやスマートグリッドなどへの展開を見込む |
なお最大メモリフットプリントは、空間検索機能が20KB、全文検索機能が165KBをサポートする。空間検索機能と全文検索機能を備えた組込みデータベースとして、世界最小としている。
代表取締役の家高朋之氏は、「ネットワークに繋がる機器が増えてデータの中身が重要になってきた中、これから必要とされる機能をサポートできた。DeviceSQLをアプリケーションに組込むだけで、簡単に地点検索を行なえるようになる。アプリケーションの開発効率を上げる点でも有効」と自信を見せた。
代表取締役の家高朋之氏 |
※家高氏の「高」は本来別の漢字ですが、機種異存文字につき、便宜上「高」で表記しています。
2010/11/24 18:38