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リコー、“ユニット交換式”デジタルカメラ「GXR」

〜レンズと撮像素子をユニット化。第1弾にはAPS-Cセンサーも

 リコーは、ユニット交換式デジタルカメラ「GXR」および対応ユニット2製品を12月上旬に発売する。価格はいずれもオープンプライス。店頭予想価格は GXRが5万円前後、単焦点レンズ付きユニット「GR LENS A12 50mm F2.5 Macro」が7万円前後、ズームレンズ付きユニット「RICOH LENS S10 24-72mm F2.5-4.4 VC」が4万円前後の見込み。(発表会の模様はこちら)

GR LENS A12 50mm F2.5 Macroを装着したGXR RICOH LENS S10 24-72mm F2.5-4.4 VCを装着したGXR
左からGXR、GR LENS A12 50mm F2.5 Macro、RICOH LENS S10 24-72mm F2.5-4.4 VC GXRにGR LENS A12 50mm F2.5 Macroを装着(左)。右はGXRにRICOH LENS S10 24-72mm F2.5-4.4 VC、自動開閉式レンズキャップLC-2、外付けEVFのVF-2を装着したところ
RICOH LENS S10 24-72mm F2.5-4.4 VCにフード&アダプターHA-3を介してワイドコンバージョンレンズDW-6を装着
GR LENS A12 50mm F2.5 Macroを装着したGXR(左下)、RICOH LENS S10 24-72mm F2.5-4.4 VC(右下)、テレコンバージョンレンズTC-1(中央左)、ワイドコンバージョンレンズDW-6(中央右)、外部ストロボGF-1(右上)

 GXRは、デジタルカメラでは珍しいスライドインマウント機構によるユニット交換式のデジタルカメラ。ユニット部はレンズ、撮像素子、画像処理エンジンからなる。ユニットを本体から取外して交換することで、あたかも別のデジタルカメラを使うかのように撮影が可能だ。なお、同社のコンパクトデジタルカメラ「GX」、「CX」、「GR DIGITAL」シリーズとは別のラインになる。2008年7月発売のGX200は併売となる。

上面(装着ユニットはGR LENS A12 50mm F2.5 Macro)

 GXRは撮像素子や画像処理エンジンを持たないため、対応する交換ユニットを取付けて初めてデジタルカメラとして機能する。GXR側には、操作ボタン類、内蔵ストロボ、液晶モニター、画像記録部などを備える。

 ユニット交換式にすることで、レンズ交換式デジタルカメラに比べて小型化できることや、レンズ、撮像素子、画像処理エンジンの最適な組み合わせによる画質向上をメリットとする。また、ユニットの交換が簡単に行なえることから、レンズ交換を行なうよりも操作性が高まるという。さらに、撮像素子が露出しない構造のため、レンズ交換式デジタルカメラに比べてゴミの浸入が防げるとしている。

 リコーはGXRを、「これまでにない撮影領域の飛躍的な拡大を目指し、既存のシステム領域にとらわれない新しい発想を付加したシステム」と位置付けている。そこで、大型センサーや明るいレンズによるボケ味などを新たな価値として提案。また、今後登場するカメラ以外のまざまな対応ユニットの装着による拡張性も想定しているという。

 GXRという名称については、拡張性の象徴としてのGXシリーズと、同社の銀塩一眼レフカメラXRシリーズのそれぞれから取った“GX”、“XR”を組み合わたのが由来。

GXR

 ボディ部分となるGXRは、コンパクトデジタルカメラ「GX200」のデザインイメージを引き継いだ外観となっており、「GR」および「GX」系カメラと同様に前ダイヤルや「ADJ.レバー」などを備える。GX200と異なり、十字ボタンの上下に「+/-補正ボタン」を設けているも特徴。外装はマグネシウム合金製で、放熱性や電磁シールド性に配慮した。グリップにはラバーを取り付けている。

ユニットを取外したGXR本体。レンズ、撮像素子、画像処理エンジンが一体になった交換ユニットをスライドインマウントで装着して使用する
GXR本体(上面)

 操作面では、背面左上に「DIRECTボタン」を新設。変更する頻度の高い設定項目が液晶モニター全体に表示され、ダイレクトに設定値を変更できる機能。表示の濃さも3段階から選択できる。なお、液晶モニターは約92万ドット(VGA)の3型TFTを採用した。

左上にDIRECTボタンを設けた。また、十字キーの上下に+/-補正ボタンを割り当てている ボディはマグネシウム合金製

 専用外付け電子ビューファインダー(EVF)「VF-2」(2万3,100円)も用意する。VF-2は視野率100%の92万ドット相当(フィールドシーケンシャル型)で、上90度までのチルトも可能。視度調節機構も備える。


外付けEVFのVF-2 VF-2を装着したところ
外部ストロボ「GF-1」を装着したところ

 カメラの設定内容は、GXRとユニットの両方で記憶する。起動時にはユニットとGXRのどちらから設定を読み出すかを選択可能。ユニットからの設定読出しを選択すれば、ユニットごとに好みの設定で素早く撮影できるとしている。なお、設定を記録できるマイセッティングモードは3通りが利用可能。

 電子水準器も搭載する。また、連写時にシャッターボタンを押す前に遡って記録できる「M連写プラス」も採用した。再生時は、81枚のマイクロサムネイル表示や日付別表示(63枚)などが可能。

 ポップアップ式のストロボも内蔵する。マニュアルでの発光量調節も可能となっている。記録メディアはSDHC/SDメモリーカード。内蔵メモリーは約86MB。ミニタイプのHDMI端子を備える。電源は新型のリチウムイオン充電池「DB-90」。

 本体サイズは113.9×28.9×70.2mm(幅×奥行き×高さ、以下同)、本体の重量は約160g。バウンス対応の外部TTLストロボ「GF-1」(2万5,200円)をオプションとして用意する。

専用交換ユニット

 GXRでは、発売と同時に単焦点レンズタイプとズームレンズタイプの交換ユニットを用意する。それぞれのユニットを交換しても画像の仕上りに違和感が出ないよう、シャープネス、色再現、階調においてユニット間で統一性のある絵作りを目指したとしている。

 GXRでは、デジタル一眼レフカメラに比べて少し高めのシャープネス設定にしたほか、GR DIGITALシリーズの色再現を踏襲しながらこれまで苦手としていた色を改善した。また、デジタル一眼レフカメラを意識した高ダイナミックレンジ対応の階調特性を持つという。

 ユニットの取り付けは、GXRのガイドレールに沿ってスライドさせることで行なう。また、取外しはボディ前面のユニット解除レバーを倒しながらユニットをスライドする。ユニットの着脱は電源OFFの状態で行なう。電源がONの状態で取外しレバーを操作すると、警告が出る仕組み。なお、ユニットを取付けていない状態でも、記録画像の再生などは可能。

●GR LENS A12 50mm F2.5 Macro

 35mm判換算で50mm相当、F2.5の新開発単焦点レンズを搭載したGXR用ユニット。撮像素子はAPS-Cサイズ相当(23.6×15.7mm)の有効1,230万画素CMOSセンサー(アスペクト比は3:2)。ボケ味を活かした撮影ができ、ポートレートやマクロ撮影に適するとしている。

GR LENS A12 50mm F2.5 Macro

 ユニット名の“A12”は、APS-Cサイズで12Mピクセルの撮像素子を搭載していることを示す。また、最大撮影倍率が1/2倍以上のユニットには“Macro”との表記が入る。

 レンズ構成は両面非球面レンズ1枚を含む8群9枚で、「GR LENS」の名を冠する。最短撮影距離は30cmで、マクロ時は被写体に7cmまで接近可能。最大撮影倍率は1/2倍。高屈折率ガラスの採用で小型軽量化と高画質化を実現した。

 歪曲収差は、電気的な補正に頼る必要のないレベルまで補正したという。また、絞り開放から口径食が少なく、画面端部まで円形を保つ光点ボケを謳う。マクロ撮影時にはフローティング機構により、収差を抑制。画面の隅まで高い描写力を実現したとしている。

 レンズ鏡胴にMFリングを備え、AF合焦後にMFでのピント微調整もできる。近接撮影時は自動的にマクロモードに移行する「オートマクロ」も搭載した。鏡胴には植毛を施した引き出し式の組み込みフードを内蔵する。鏡胴とフードはアルミ合金製。鏡胴には、GR LENSをアピールする赤のリングをあしらった。

 画像処理エンジンは「GRエンジンIII」を搭載。撮像素子の特性を活かし、全ISO感度で自然なノイズリダクション処理を行なう。感度はISO200〜3200。シャッター速度を180〜1/3,200秒。連写速度は4コマ/秒(ノイズリダクションOFFまたは弱)、3コマ/秒(同強)。撮影モードは、オート、プログラムモード、絞り優先モード、シャッター速度優先オート、マニュアル露出、シーンモードを備える。JPEGのほかDNG形式のRAW撮影も可能。最大記録解像度は4,288×2,848ピクセル。最大1,280×720ピクセル、24fpsのAVI(Motion JPEG)動画を撮影可能。


GXRに装着したGR LENS A12 50mm F2.5 Macro 側面
正面

 CIPA準拠の撮影可能枚数は約320枚。ユニットのみのサイズは68.7×71.3×57.9mm、重量は約263g(キャップ類除く)。GXR装着時のサイズは113.9×77.1×70.2mm、重量は約423g(付属品除く)。

 オプションで専用ケース「SC-55L」(8,820円)を用意する。

●RICOH LENS S10 24-72mm F2.5-4.4 VC

 35mm判換算の焦点距離24〜72mm、F2.5〜4.4の3倍ズームレンズを搭載したユニット。撮像素子は1/1.7型有効1,000万画素CCD。レンズの焦点距離と撮像素子のサイズはGX200と同じ構成になる。

RICOH LENS S10 24-72mm F2.5-4.4 VC

 ユニット名の“S10”は小型サイズの10Mピクセルセンサーを表し、“VC”は手ブレ補正機構搭載を示す。レンズは、片面非球面レンズ4枚を含む7群11枚構成。最短撮影距離は30cm。マクロ時は広角で1cm、望遠で4cmまで接近可能。手ブレ補正はセンサーシフト式。

 撮像素子は「GR DIGITAL III」と同じタイプ。アスペクト比は4.3で、最大記録解像度は3,648×2,736ピクセル。感度はISO100〜3200。解像感を保ちつつ、高感度ノイズを効果的に押さえたノイズリダクション処理を行なうという。画像処理エンジンは「Smooth Imaging Engine IV」。

 JPEGおよびDNG形式での撮影が可能。最大640×480ピクセル、30fpsのAVI(Motion JPEG)動画も撮影できる。

 撮影モードはオートのほか、プログラムAE、絞り優先AE、シャッター速度優先AE、マニュアル露出などが可能。シャッター速度は180〜1/2,000秒。連写速度は、5コマ/秒(ノイズリダクションOFF、ISO800未満)、4コマ秒(ISO800以上または、ノイズリダクション強)。


GXRに装着したRICOH LENS S10 24-72mm F2.5-4.4 VC 側面
正面 電源ON時
電源ON時(上面)
自動開閉式レンズキャップ「LC-2」
LC-2の装着例 電源ON時

 CIPA準拠の撮影可能枚数は約410枚。ユニットのみの本体サイズは68.7×38.6×57.9mm、重量は約161g(キャップ類除く)。GXR装着時のサイズは113.9×44.4×70.2mm、重量は約325g(付属品除く)。

 なお、RICOH LENS S10 24-70mm F2.5-4.4 VC専用の自動開閉式レンズキャップ「LC-2」(1,680円)をオプションで用意する。

 また、フード&アダプター「HA-3」(5,250円)を併用することで、既存のワイドコンバージョンレンズ「DW-6」とテレコンバージョンレンズ「TC-1」が利用できる。

HA-3を介してDW-6を装着したところ 同TC-1の装着例
HA-3

 オプションで専用ケース「SC-55S」(5,880円)を用意する

拡張性が特徴のGXR。2010年春には新型ユニットも

オプションのネックストラップ「ST-3」(3,780円)

 リコーでは、2010年春に新型ユニットの発売を予告している。高倍率ズームレンズと高速CMOSセンサーを組み合わせたカメラユニットになるという。

 将来的な拡張性の面では一例として、「フルサイズセンサー搭載ポートレート撮影ユニット」、「超ワイド/パンフォーカスマクロ撮影ユニット」、「超望遠/高感度天体撮影ユニット」、「超高速連写スポーツ撮影ユニット」、「防水防塵ユニット」などのソリューションを提案する。顕微鏡撮影に対応した教育用ユニット、医療用ユニット、動画撮影に特化したユニットなども想定している。また、GXRとカメラユニットを離して使用できるシステムなども検討している。

 一方リコーでは、スキャナー、ストレージ、プリンター、プロジェクターなどカメラ以外のユニット展開も模索している。GXRのユニット取付け部は3面を開けたデザインのためGXR本体より大きなユニットの取付けも可能となっている。

【2010年1月14日】 記事初出時、新型ユニットの発売時期を「2009年春」と記載しておりましたが、正しくは「2010年春」です。

【2009年11月13日】「RICOH LENS S10 24-70mm F2.5-4.4 VC」との表記を「RICOH LENS S10 24-72mm F2.5-4.4 VC」に訂正しました。

【2009年11月10日】製品画像を追加しました。



(本誌:武石修)

2009/11/10 15:00