写真のキホン「構図」のおさらいをしてみましょう!

忘れないで欲しい代表的な構図イロイロ

いつもはちょっと変わった撮影法や応用的なテクニックをお話していますが、今回は、基本に立ち返って写真を撮るときに知っておくと便利な代表的な構図をおさらいしてみましょう。

みなさんが一番慣れ親しんでいるのが、この黄金分割構図ではないでしょうか。正確な黄金分割は、画面内に対角線を引いて、別の頂点から対角線に向かって垂直な線を引いた交点を言いますが、画面の縦横を均等に三分割した交点とほぼ同じ位置になることから、三分割構図と同等に扱われることが多いです。

この交点にメインの被写体を置くことで主題が明確になり、構図が安定しやすくなります。風景、スナップ、ポートレート、テーブルフォトなどさまざまな分野で多用されている構図です。

私がこの構図を使うときは、主題を交点よりも少し外側に当てはめることが多いです。そうすると、主題が中央に寄り過ぎないので空気感を演出できたり、副題を配置しやすくなるからです。

初心者さんがやらないようにしましょうと言われる構図がこの日の丸構図ですね。

画面の中央にどーんと被写体がある構図なので、どうしても画が単調に見えてしまいますが、求心力のある力強さのある構図なので、見る人の視線を主題に集中させたいときにオススメの構図でもあります。

遠近感のある被写体を撮影するときに便利なのがこの構図です。画面の奥から手前を直線的に結ぶ構成なので緊張感が出やすくなります。

上部を覆うトンネルのような所で広角レンズを使って撮影するときにこの構図を思い出してみてください。川や谷など、X形やY形の地形の情景を撮影するときに多く使用される構図でもあります。

画面に斜めに走る線を作り出す構図です。対角線構図とも言います。斜めの線に被写体を合わせることによって写真に動きが出ます。

テーブルフォトでは手前にピントを合わせる主役の小物を配置し、その斜め奥に脇役の小物を配置してボカすような構図がこれにあたります。

三角形の頂点に向かう、もしくは頂点からこちらに向かって来るような構図を三角形構図といいます。目の前にまっすぐに伸びる道をしゃがんで地面に近い所から撮影するような構図です。

正三角形か二等辺三角形かなどによって変わって来ますが、どっしりとした安定感や未来へ向かう可能性のような印象を与えてくれます。

曲線構図にはS字やC字のタイプがあります。緩やかな曲線は遠近感や伸びやかさを演出してくれます。

花や道などの自然物はもちろん、動物や小物などがこの並びになるようにすると、全体に柔らかいイメージになります。

窓枠や影、地形などを利用して主題を囲むような構図にすることを言います。

日の丸構図にも似ていますが、主題の周囲の囲みに規則性があることによって額縁の効果が出てくるので、囲み構図のほうが主題をより引き立ててくれます。

写真で使用する構図はまだまだ沢山あるのですが、今回はみなさんがよく使われる、そして使って欲しい構図に絞ってみました。使うといっても、この構図にぴったり当てはめなくてはいけないという訳ではなく、これを元案として、しっくりくる構図を自分なりに考えてみてください。

そのときは、カメラの裏の液晶画面ではなく、パソコンの大きなモニターで、そしてできれば、お気に入りの1枚になったらプリントアウトして日々眺めてみてください。何度も眺めているうちに、「もう少し右下にずらしたいな」とか「微妙に傾いているのが気になる……」などと、構図に対する欲が自然にでてきますよ!

(2014/2/22)
(みさき なな)東京都出身。知り合いの写真家の作品撮りにモデルとして関わったことがきっかけで写真に興味が沸き独学で写真の勉強をし、作品を持ち込んだ出版社に編集として入社。2010年独立。現在はカメラ雑誌の編集やWebでのカメラレビュー、写真講座の講師として活動中。「Pentax+」でも記事を連載。 Twitter:@cosaruruブログ:http://misakinana.com