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サンパック 「PF20XD」

ユニークなスレーブ機能付きストロボ

PF20XD
 コンパクトデジタルカメラのアクセサリーとして、数社から小型の「スレーブストロボ」が発売されている。ストロボメーカーとして古参のサンパックやパナソニックばかりでなく、写真用品メーカーのハクバやケンコーも参入している。

 現行のコンパクトデジタルカメラなら、ほとんどの機種が内蔵ストロボを搭載する。しかし、ボディ内のストロボ機構を搭載するスペースの不足、バッテリーの電圧の制限、コストなどの事情もあって、十分な発光量が得られないことがある。

 スレーブストロボとは、被写体が反射するほかのストロボの光を感知して、カメラとの接点がなくてもシャッターボタンにある程度同調して発光する撮影アクセサリー。シンクロターミナルやホットシューを搭載しないコンパクトデジタルカメラでも使用できる。もちろん、デジタル一眼レフでも使用できる。内蔵ストロボの光量不足のカバーのほか、被写体の側面や背後に置くことでの多灯ライティングにも利用できる。

 ただ、筆者は、スレーブストロボはシンプルで小さいのは良いけれども、調整機能が少く魅力が乏しい、という印象を持っていた。デザインの工夫が見られなかったのも残念に思っていた。

 そうした状況の中、サンパックは、小型のスレーブ機能付きストロボ「PF20XD」を発表した。価格は9,250円。ソニー、カシオ、ニコンの一部のコンパクトデジタルカメラを除きほとんどの機種で使用できる。

 スレーブ発光だけでなく、デジタル一眼レフや高級コンパクトデジタルカメラに見られるホットシューに装着する一般的な撮影にも対応するなど、新世代のモデルと言ってもよい仕様となっている。

 第一印象はカワイイ、だ。ストロボの発光窓の周辺が丸みを帯びたクラシック調に感じるデザインが印象的。


デジタル一眼レフにつけた様子。内蔵ストロボよりも発光量は大きいが、この組み合わせで使うことは稀だろう 付属のブラケットでLUMIX DMC-FX20につけてみた。カメラに比べると大きく感じてしまう

電源は単4電池×2本 ダイヤルが2箇所。モードは外部調光オートとマニュアルである。マニュアルの出力ダイヤルはフル、1/2、1/4、1/16、1/32の5種類

カメラまたは付属のブラケットに取り付けるためのシューは、接点付のホットシューとなっている。右上に見えるのが、スレーブセンサーと外部調光のセンサー 背面右下には、ペン先で操作する切り替えスイッチがある。ホットシューによるシンクロと、スレーブ発光、プリ発光に対応するスレーブ発光の3モード

発光窓には、下から引き出して使うワイドパネルが内蔵されている。ワイドパネルを使うと24mmの画角をカバーする。1EVほど光量が低下するので注意

使い方

多灯発光をしようと、PF20XDを三脚にセットする。直接三脚に取り付けできないので、付属のブラケットを介して取り付ける
 PF20XDのガイドナンバーは20。ISO100時の光量をこれで表す。ガイドナンバーを使うレンズのF値で割れば、ストロボ光が届く距離が出てくる。仮に絞り値をF4とすると、「20割る4=5(20/4=5)」だからストロボの光が被写体を適正露出で照らしだせるのは5m以内、ということになる。

 コンパクトデジタルカメラが搭載するストロボのガイドナンバーが、12程度が一般的であることを考えれば十分な光量といえるだろう。なお、ストロボ光が届く距離はISO感度が変われば変化し、ISO400にすると、ISO100時の2倍になる。PF20XDの光量でF4なら10mまで届く。

 ストロボの光量が調整できないものであれば、近距離のとき、光量が大きすぎることになってしまう。そこで、サンパックPF20XDには、外光調光オートモードと、マニュアル発光時のパワーレシオモードが組み込まれている。外光調光オートモードは、カメラにセットしたF値をストロボにセットすることで、F値にあった光量に自動調整してくれるモードだ。

 ボディ前面には、ストロボ光を計測するセンサーがある。F値にあった光量に達したところで発光を停止し、適正露出にするというものだ。カメラメーカーの純正ストロボでのTTL自動調光では、ホットシューにある信号ピンでカメラのF値情報を得て、レンズを通った光を計測するため、ストロボにF値情報をセットする必要がない。光量を外部調光オートでセットするとき、PF20XDではF値のセットを忘れないようにしたい。

 一方、ホットシューのないコンパクトデジタルカメラで使うときは、内蔵ストロボの光をセンサー検知して発光するスレーブ発光のモードを使うこととなる。ペン先で操作するシンクロモードスイッチでカメラの形式によってあらかじめセットすることになるが、発光マーク2つのプリ発光タイプと発光マーク1つの非プリ発光タイプをあらかじめ選ぶ。

 カメラのストロボは、ストロボの光量を決めるのに、弱めにストロボを光らせてあらかじめ測定するプリ発光を行なうカメラと、行なわないカメラがある。PF20XDは、プリ発光マークに合わせると2度目の発光をスレーブセンサーで受けて光る。ストロボの光量を決めるプリ発光と同時に発光してしまうと、実際に撮影するときの発光よりも先に光ってしまうことになるからだ。

 そこで、PF20XDの使用説明書には、プリ発光タイプにセットし、コンパクトデジタルカメラの内蔵ストロボを強制発光モードでテスト撮影をしてみて、光らなかったら非プリ発光タイプに合わせなおす、と書かれている。


使ってみた

 コンパクトデジタルカメラの内蔵ストロボとPF20XDを使用して、多灯ライティング撮影に挑戦してみた。内蔵ストロボは、主要被写体に合わせて発光するため、奥の被写体にストロボ光はまわらない。そこで、PF20XDを被写体後方にセットしてみた。

 付属のブラケットを利用してPF20XDを小型三脚に取り付けてみた。しかし、しっかりと固定できない。ブラケットのカメラ取り付けネジの下部にある三脚取り付けネジを使ってみたが、上にカメラを付けていないと、ブラケットとネジの位置関係が固定されない仕様のため、安定しない。ブラケットそのものにメスネジが開いていれば、より使いやすいように思えた。


 PF20XDは、スレーブ発光時に、フル発光から1/32の光量までパワーレシオで光量を弱めて発光できる。デジタルなら、撮影画像を液晶モニターで確認しながらじっくり調整し、再撮影できる。従来のスレーブ機能付きストロボでは、光量調整が細かくできなかったことを考えれば、よく考えられた仕様。コンパクトデジタルカメラでの撮影でも、ライティングを楽しめる数少ない撮影アクセサリーだ。


カメラの内蔵ストロボのみ発光。手前の人物は明るく写ったが、背景が暗く写った PF20XDと内蔵ストロボを併用した。後ろにいる弟の側面から発光。太陽の日差しがあるような印象に撮れた


URL
  シーアンドシー・サンパック
  http://www.sunpak.jp/
  製品情報
  http://www.sunpak.jp/japanese/products/pf20xd/index.html

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( 木村 英夫 )
2007/08/23 00:03
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