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エツミ 「LEDマクロリングライト E-1605」

~簡単にキレイなマクロ写真が撮れる

LEDマクロリングライトE-1605
 マクロ撮影では、カメラから被写体の距離が数cmになることも珍しくない。カメラと被写体が近すぎると、カメラや撮影者が光源と被写体の間に入って、被写体に影を落としてしまうことがある。被写体に近づいて撮ることがマクロ撮影なのだから、こればかりは仕方がない。

 一眼レフカメラを使用したマクロ撮影は、50mmくらいの標準マクロより90mmや105mmくらいの中望遠マクロの方が使いやすいとされている。それは焦点距離の長いレンズなら、被写体からカメラをより離して撮ることができるからだ。被写体とカメラがある程度離れることができれば、カメラや撮影者の影を被写体へ落とすことは避けられるし、光も被写体へ回しやすい。なお、被写体とレンズ先端の距離のことをワーキングディスタンスという。

 十分なワーキングディスタンスを確保しても光の回り込みが足りない場合は、ストロボを使用して撮影することになる。カメラの内蔵ストロボや、ホットシューに取り付けて使うクリップオンストロボを使用すると、ストロボの位置とレンズの鏡筒との位置関係で、レンズの影が被写体に写り込むことがある。これを避けるために作られたのが、レンズ先端部の外周部分に取り付けるリングストロボである。


 今回チェックしたエツミ「LEDマクロリングライトE-1605」は、円形に配置したLEDライトをレンズ先端に装着する撮影アクセサリー。外観はリングストロボに似ているが、光源には発光管のかわりにLEDライトを搭載し、光量は2段階に切り替えできる。電源は単4電池×3本、重さは100g (本体のみ)。価格は1万2,600円。

 被写体を照らすのは、LEDライトによる定常光。シャッターボタンを押した直後の一瞬しか被写体を照らさないストロボと違って、ピント合わせやフレーングを行なう間も被写体を照らしてくれるので作業がはかどる。また、被写体にキチンとライトが当たっているか、被写体にテカリが生じていないかなど、ライティング状況のチェックもできるので便利だ。


LEDリングライトをカメラに取り付ける

 LEDマクロリングライトは、レンズ径の小さなコンパクトデジタルカメラ向けの製品。残念なことに、レンズ径の太いデジタル一眼レフのレンズには装着できない。

 レンズ前に取り付けるLEDライト部分は小型軽量に仕上げられているので、電池を入れる余裕がない。そのため、カメラ下面にある三脚用のネジ穴のところに取り付けるバッテリーボックスから、電気を供給する仕組みになっている。また、電源スイッチや光量調節スイッチは、バッテリーボックス部分に取り付けられている。

 レンズ鏡筒の周りにリングライト部が来るので、レンズのズームをワイド端にするとライト部が写り込みそうに思える。また、リングライト部のズレによるケラレが生じていないかどうか、コンパクトデジカメの液晶モニターを使用してチェックする必要がある。


エツミ LEDマクロリングライト。カメラ下部に取り付けるバッテリーボックスとリングライト部がプラ製の継ぎ手でつながっている 単4電池×3本を使用する。カメラへの取り付けネジはバッテリーボックスの「フタ部分」であるため、フタはしっかり固定する

カメラへの固定は、まずバッテリーボックス部分そのものをカメラ底にあてがって回すことになる ネジが止まるまで回した後、バッテリーボックスとカメラ底が平行になるように少し戻す。そしてカメラネジ部にあるツマミを回すと、隙間がなくなって固定される

バッテリーボックス部の下部。黒い部分右に電源ボタン。グレー部分の手前にH-Lとあるのが光量切り替え。LはHの30%減くらいの明るさだという LEDライトを点灯してみた。見た目には明るいが、マクロ用だけに距離が離れると光が届かない

LEDリングライトを使ってみる

 COOLPIX P5000にLEDリングライトを取り付けて、コレクションしている鉄道模型を撮影してみた。LEDリングライトのパッケージにはカメラのレンズをワイド(広角)側にして撮影するときは四隅が暗くなるので、リングライトは使用しないでください、という注意書きがある。リングライトの照射角の関係だろう。

 問題はCOOLPIX P5000のマクロモードの仕様。広角端から途中(中間よりも広角寄り)までの範囲でしかマクロ撮影ができない。マクロ撮影ができない望遠域になると、最短撮影距離が一気に伸びてしまう。

 対策としてクローズアップレンズを試してみることにした。COOLPIX P5000の鏡筒の先端にはクローズアップレンズを取り付けられないが、LEDリングライトの先端には46mm径のフィルターネジが切ってあり、クローズアップレンズを取り付けることはできる。ただし、これはパッケージの説明によればフィルター用らしい。フィルターを付けることでマクロリングライトがズレやすくなる可能性もあるので注意が必要だろう。


LEDマクロリングライトの先端には、46mm径のフィルターがねじ込める。クローズアップレンズ装着してみた 望遠端+クローズアップレンズ。LEDライトがレンズとクローズアップレンズ間に来てしまうため、なんとなくフレアっぽい。また、感度をオートに設定していたため、高感度で撮れた

 レンズ内側でライトを使うと、光がレンズ間で乱反射して画質を落とすという問題が生じる。そこでクローズアップレンズの使用はキッパリとあきらめた。

 そこで、素直にクローズアップ撮影ができる中での最も望遠側(ズームの中間点よりもワイド端寄りになる)で撮影してみることにした。画質を優先するため、感度はISO64にし、三脚を使っての撮影にする。比較のため、ライトなし、内蔵ストロボ使用も含めて3通りの方法で撮ってみた。

 バッテリーボックスの下にある三脚ネジ穴の近くに、バッテリーを収納する部分が出っ張っているため、三脚を使うにはポケット三脚の小型雲台しか対応できないところが残念なところ。リングライトの明るさだけでは、画質優先でISO感度を低くセットすると結構スローシャッターとなってしまい、手持ちでは無理なシャッタースピードになってしまう。


LEDリングライト使用。ライトの色調もよく、本来の色味が出ているように思える 室内の蛍光灯のみで撮影。後ろのテーブルのテカリが露出に影響したせいか、被写体が暗くなってしまった

カメラの内蔵ストロボ使用。近距離での発光のため、影が強く出てしまった

 今回の撮影では、LEDマクロリングライトは、レンズ先端から被写体を照らすため影が出づらく、良好な結果になった。室内の蛍光灯のみによる撮影は論外だ。内蔵ストロボは発光部とレンズが離れているせいか、マクロの撮影で被写体まで数cmまで近寄って撮ると、どうしても影が強く出てしまう。

 この結果を見ると、LEDマクロリングライト以外に積極的に採用できる手段はなさそうに思える。小物をよく撮影するなら、LEDマクロリングライトはかなり有効な撮影アクセサリーであることがよくわかる。



URL
  エツミ
  http://www.etsumi.co.jp/
  製品情報
  http://www.etsumi.co.jp/2007catalogue/catalogue.cgi?id1=3&id2=37&id3=373


( 木村 英夫 )
2007/08/09 00:32
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