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ラムダ「デジタルカメラザックくぬぎ」

~ラムダ初のノートPC対応ザック

 ラムダのカメラザックは日本製で、社長である佐久間氏が自ら開発している製品だ。佐久間氏自身が山岳写真家であり、自ら使いやすいザックを作りたい、という思想で製品開発をしているという。山岳写真の世界ではフィルムカメラにこだわる人が多いせいか、ラムダにはPCの収納に対応した製品は従来なかったが、最新モデルである「デジタルカメラザックくぬぎ」(2万9,400円)では、同社初のノートPC対応ザックに進化した。

 ラムダのラインナップには、本格的な山歩きのザックをベースにしたタイプの製品も多くあるが、このモデルは「それほど多くない機材で歩き回る、ワンデーユース」を考えたものという。今年の初め頃、山岳写真家の会合で試作品を見かけたが、様々な工夫を目にして「じっくりチェックしてみたい」と思っていた製品だ。

 一見して、それほど大きくない手頃なサイズが好ましく感じる。幅がそれほど広くないことと、厚みが薄く、ゴツさを感じないためだろう。カメラザック(他のメーカーでは「バックパック」や「リュック」という表記もする)には、収納スペースを上下2段に分けた2気室のものと、大きく1つのスペースで構成した1気室のものがあるが、くぬぎは2気室式。2気室式のカメラザックは、一般的に上段をカメラ以外の携行品のスペースとできるため、カメラ専用のザックやカメラバッグよりも実用性が高い。

 くぬぎも上段の収納スペースにはクッションが入っておらず、カメラやレンズ以外の携行品を収納するためのスペースとなっている。上段の開閉方式は独特な「縦割り式開閉」で、開閉がやや煩雑ではあるが、収納スペースに手を入れやすいのがメリットだ。


それほど大きくない手頃なサイズ。街中で使うにも邪魔にならないように思える
上段の開閉方式はユニークな縦割り式。底部に近い部分に収納しても手が届きやすい

上段のスペースにはポケットが1つ。充電器やメモリカードの他、着替えなども収納できそうだ
縦割り式の上段は、折りたたんだあとバックルで固定する

 下段は、しっかりしたクッションに覆われた、カメラやレンズなどの機材用スペースである。上段のフタ部分のバックルを外したあと、ザック中程にあるファスナーを開け、背面を曲げるようにして機材の出し入れを行なう。

 2気室式のザックに共通することだが、一般に機材室の高さが足りないため、70~200mmクラスの大口径望遠ズームを収めるには適していない。ところがくぬぎでは、機材室の上下仕切りをファスナーで取り外すことにより、上段と下段をつないで長めのレンズに対応させることも可能になっている。

 同社初のPC対応ザックだが、PC収納スペースは背中側にあり、左サイドから開く。ただカメラを出すとき、上段を折るようにして下段の機材を取り出すため、大きく開きたい場合は、PCを取り出さなければならないことがあった。

 背中に当たる部分に対してクッションが入っているので、PCを収納しても背負って歩くのに違和感はない。対応するPCは300×200×40mm(幅×奥行き×高さ)程度とのこと。手持ちのiBookは収納可能だった。


ザック中程のファスナーを開けると、機材収納スペースが出てくる。内装色はブルー 少し機材が多いかなと思いつつ、ボディー2台とレンズ数本を収納してみた

ボディーに短いレンズを取り付け、縦置きにして収納。ボディー2台を収めることができた
上下段の仕切りはファスナーで前面を外し、後面を面ファスナーで外すことで取り外しが可能だ

上下の仕切りを外した様子。長いレンズにも対応可能な工夫である
PCは、背中に当たる部分に専用スペースが設けられている。サイドから出し入れする

上蓋外側にもポケットがある。ただ、クッションがないので、収納するものは限られそうだ。
 くぬぎは、三脚の取り付けにも対応している。三脚を取り付けると、山道などで手が空くので、移動が安全になる、というメリットがある。ザック自体のサイズがそれほど大きくないので、取り付けできる三脚は畳んだ長さが50cmくらいまでの“中型4段”くらいの三脚までだ。

 三脚の取り付けは、重心の位置を考えて雲台を下にして収納が可能だ。雲台を上部にしてザックに取り付けると、後ろに引っ張られるようになってしまうので、よく考えられている点だ。フラットになっている雲台を収納するポケットは、ファスナーを開いて拡げて、三脚の雲台部分全体をカバーすることができる。脚側をベルトで固定すると、上下2点でザックにしっかり固定できる。


畳んだ長さが50cmくらいの三脚を取り付けてみた。雲台全体をカバーしてくれるので安心感が高い
同社の他のラインナップ同様、軽い三脚なら、側面に取り付けすることも可能

PC収納スペースのクッションは、取り外してレフ板代わりに使える
 体に当たる背面部分はメッシュを採用し、ムレないよう考えられ、リュックベルトには胸部と腹部を固定するベルトも用意されている。移動時に背面でザックが左右に動いて疲れる、ということはない。

 PC室のクッションがレフ板としても使えるというアイデアは、過去の製品にも採用されていたが、ザックを設計している佐久間社長自身が、写真家として活動しているからこそ出るアイデアなのだろう。これからも国産カメラ用ザックのパイオニアとしての同社の製品開発に期待したい。


 



URL
  ラムダ
  http://www.lamda-sack.com
  製品情報
  http://www.lamda-sack.com/info.html


( 木村 英夫 )
2007/05/29 01:10
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