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VisibleDust「センサークリーニングキットPlus」

~いろいろな汚れに対応できるクリーニングキット

センサークリーニングキットPlus
 最近では、撮像素子のゴミ対策機構を搭載したデジタル一眼レフカメラが登場してきているが、まだゴミ対策機構の付いていないカメラを使っている人も多いだろう。さらに、ゴミ対策を謳ったデジタル一眼レフでも、ゴミ取り能力が完全とはいえない感もある。特に望遠レンズや、絞り込んだときに写ってしまうゴミは、本当にやっかいなものだ。

 そうした状況を受けてか、粘着式のスティックや、電動でゴミを吸引するものなど、さまざまなゴミ対策アクセサリーが登場している。そのなかで今回は、ボーゲンイメージングが輸入を手がけるVisibleDustの「センサークリーニングキットPlus」(4万3,470円)を試してみた。

 VisibleDustは、医療研究などで使用するバイオチップなどの開発を行なっている、カナダのハイテク企業。ボーゲンイメージングによれば、「科学的なアプローチに基づいた製品」とのこと。試用したセンサークリーニングキットPlusは、ゴミを取るためのブラシを始め、湿式クリーニングのためのスティックやクリーナー、さらに、ミラーボックス内のクリーニング用品まで含んだ“全部入り”のセット。「カメラを頻繁に使用するプロカメラマン向け」というのが、ボーゲンイメージングの位置づけだ。


パッケージ 日本語の取扱説明書も付属する

 セットには、ホコリを取るためのブラシ「アークティック バタフライ724」、ウエットクリーニング用スティック「グリーンスワブ」、クリーニング液「VDust フォーミュラ」、ミラーボックス内のクリーニングを行なう「Chamber Clean」、バタフライ自体の汚れを洗浄する薬剤「Sensor Brush Wash」も入っている。

 アークティック バタフライは、静電気を利用してゴミを吸着するブラシだ。同様の製品は米Photographic Solutionsの「ブラシオフ」などがあるが、バタフライはブラシの先端を回転させることで、クリーニング前にゴミを落とし、吸着のための静電気を発生させるというユニークな仕組みを採用している。

 ブラシには独自に開発した毛を使用し、撮像素子表面をなでることで、約8割のゴミを除去できるという。携帯用のケースも付属するので、撮影に携行して現場で使うのも良いだろう。電源は単4電池×2本だ。なお、国内で発売するバタフライ724の色はブルーとなる。


プラスチックのハードケースが付属する ハードケースを収納できるソフトケースも同梱

ブラシ部分は、キャップで保護してある 本体側面には、ブラシを回転させるためのスイッチがある

電源は単四電池を2本使用する 独自開発という毛は、とても柔らかい

使用前に、5秒回転させる動作を3回行なう。 クリーニングは軽くなでるだけでOK。クリーニング中の回転は厳禁だ

 そして、バタフライでは除去できない粘着性のゴミを除去するのが、グリーンスワブだ。スティックの先に布が付いており、クリーニング液を付けてセンサー表面を拭き取る。

 付属のスワブはAPS-Cサイズの撮像素子の幅に合わせた大きさとなっており、一度拭くだけでセンサー全面がクリーニングできるようになっている。また、グリーンスワブで拭き取れなかったセンサーの外周をクリーニングするために、幅の細いコーナースワブも16本付いてくる。いずれのスワブも1回きりの使い捨てだ。スワブとクリーニング液は単体でも購入できる。


湿式クリーニング用のスワブ。12本入りが1箱入っている APS-Cサイズのセンサーに合わせた大きさになっている

スティックの先端に布が被せてある クリーニング液を先端に2~4的垂らし、数秒待ってから使用する

センサーにぴったりの幅だ。一度拭き取るだけでよい 外周専用のコーナースワブは先端が細く、クリーニングしやすくなっている

 また、このセットの特徴的なクリーナーが、Chamber Cleanと呼ばれるミラーボックス内のクリーニングキットだ。これは、綿棒のようなスティック(実際には発泡樹脂が先端に付いている)と専用クリーナーからなるもの。スティックにクリーニング液を付けて、ミラーボックス内を拭き取ることで、壁面に付着したほこりを除去し、センサーへの付着を防止できるという。

 実際に行なってみると、ミラーボックスの壁面は結構汚れているらしく、スティックの先端には見てわかるほどの汚れが付いた。このスティックはクリーニング液をあまり多くは保持できないようで、最初、クリーニング液を付けすぎて垂れてしまった。センサーなどに液体が付着するとまずいので、液の付けすぎには注意したほうがよいだろう。


ミラーボックスクリーニング用のスティック(左)と専用クリーニング液 ミラーボックスを清掃しているところ。ややクリーニング液を付けすぎてしまったか

クリーニング後のスティックには、汚れが付着した

 今回は、ゴミ取り機構を備えていないEOS Kiss Digital Nでクリーニングを行なってみた。ゴミを写り込みやすくするためにレンズの絞りをF32にして、白い紙を撮影した。ゴミが確認しやすいように、アンダー目の露出にしてある。

 クリーニング前は、数カ所にゴミが付いていたが、バタフライでクリーニングしたところほとんどのゴミを取ることができたようだ。その後、グリーンスワブを用いた湿式クリーニングも行ってみたが、粘着ゴミは付着していなかったようで、特に変化は無かった。


クリーニング前 ドライクリーニング後 ウェットクリーニング後

 さて、センサークリーニングキットPlusだが、価格はプロ向けとあるとおり4万円を越える。これだと、一般ユーザーはなかなか購入に踏み切れないだろう。今回の使用では、ブラシによるドライクリーニングだけでも十分効果は期待できるようであった。

 ボーゲンイメージングでは、アークティック バタフライ724と、バタフライ724よりブラシ先端が小型になっているアークティック バタフライSL700を単品でも発売しており、価格はそれぞれ1万2,180円と1万8,375円だ。こちらならだいぶ買いやすいと思う。ドライクリーニングは自分で行ない、粘着性のゴミや油分などの清掃はメーカーのサービスセンターに任せるという方法もある。ゴミで悩んでいる人はまずブラシのみで試してみるのも手だろう。


【注意!!】
 本記事を参照して撮像素子のクリーニングを行なう場合は、すべてご自身の責任において作業を行なってください。作業によって万一、キズ、故障、破損などのトラブルが発生しても、一切の責任をVisibleDust、ボーゲンイメージング、デジカメWatch編集部は負いませんのでご了解ください。撮像素子のクリーニングを行なってもホコリが取りきれないときなどは、無理をせずにメーカーのサービスセンターに相談してください。



URL
  VisibleDust(英文)
  http://www.visibledust.com/
  ボーゲンイメージング
  http://www.bogenimaging.jp/jsp/index.jsp

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【PIE2007】センサークリーナーが注目のボーゲンイメージングブース(2007/03/24)


( 本誌:武石 修 )
2007/05/22 01:12
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