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Monster Pod Technology「MonsterPod」

不思議な素材の“粘着式"カメラ固定具

 この製品の存在を聞いたとき、すごく不思議な気分だった。カメラを固定するアクセサリーといえば三脚が一般的。今年はユニークな素材と構造を持つ、新ジャンルの三脚「gorillapod」」が話題となったところだ。ところがウワサの「MonsterPod(モンスターポッド)」というものは三脚ではなく、壁に“粘着して”カメラを固定するという。その不思議なカメラ固定具MonsterPodを知人がPhotokinaで入手したというので早速借りてみた。

 三脚以外のカメラ固定具といえば、パイプや机などを挟み込んで固定する「クランプ」や、自動車の窓ガラスなどに固定する「吸盤」がある。クランプ型のカメラ固定具といえば、テーブルやパイプなど、様々なものにクランプできるドイツの三脚メーカーであるクルマン製の「クランプマジック」や、三脚パイプに固定するためのスリック製「クランプヘッド」がメジャーな製品である。

 吸盤でカメラを固定するものといえば、写真用品メーカーのケンコーが扱っているアメリカ製「バキュームマウントグリッパー」がある。いずれも数Kgまでの重量物に対応する本格的なもので、カーレースなどで、車載カメラをロールバーに固定するのにもよく使われていると聞く。

 試用したMonsterPodは、吸盤ではなく、特殊な粘着材による粘着で対象物にカメラを固定するものだ。クランプや吸盤の本格的なものとは異なる、シンプルな構造のものである。粘着部分に手を触れると、一見、子どもが遊ぶ粘土に見えるが、粘土より固い素材感で、MonsterPodそのものから剥がすのは難しそうなくらい固い。

 粘着部の反対側は布地で覆われている。質感、デザインがまるでスニーカーのような雰囲気。カメラを載せるアクセサリーにはとても思えない不思議な感覚だ。MonsterPodのちょうど中央部、やや盛り上がったところに直径2~3cmくらいのゴムを張った台があり、真鍮のカメラネジが出ている。カメラネジの基部はボールジョイントになっており、いわゆる自由雲台に見えるのだが、雲台を固定するためのレバーなどはない。載せるカメラの重さが軽いということから、立てた角度で手を離して固定としているのだろう。カメラを載せる台はスムーズに回転するとは言い難く、カメラを固定するにはMonsterPodそのものを片手で持って、カメラ底に押し当てて回す必要がある。


一見、CDケースのようなセミハードケースに入ったMonsterPod
MonsterPodはケースに粘着して固定されている。タグを引っ張ってはずす

カメラを固定する部分には、小さな自由雲台のような構造になっている。ただ、カメラ位置を固定するツマミなどはない
カメラのメスネジにMonsterPodのネジ山を合わせ、MonsterPodそのものを回して固定する
カメラと一体化したMonsterPod。あとは対象物にくっつけるだけである

 MonsterPodには、ユニークなWebサイトがある。その内容によると、粘着部分は特殊なポリマー素材によってできており、1,000種類もの素材にフィットして固定できるという。また、同サイトに「カメラの荷重は300g」までとある。うっかり手元にあったニコンのCOOLPIX5000(電池・メモリカードを除いた重量が360g)をつけて試してみたら、雲台部分が固定せず、カメラが下を向いてしまう。そこで、オリンパスのμ-mini DIGITAL(電池・メモリカードを除いた重量が115g)で再度実験、公園のいろんな素材に取り付けてみた。


公園の石にMonsterPodをつけてみる。かなりしっかりくっつくのでびっくり
樹木の表面にも取り付けできる。かなり表面に凹凸があるが、粘着面が変形することで対応できる 木から取り外したあと。表面に木肌のあとが残っている

石にくっつけたあとの粘着面の様子。表面がボコボコになってしまう 池のそばの手すりにつけてみた。粘着する面積が小さく少し不安だが、セルフタイマーで撮影する時間程度は十分取り付けできる

手すりは表面がほこりっぽく、粘着面にかなりホコリがついてしまった
公園にある街灯のポール部分に粘着した。ポールが細いと取り付けできないものもあるようだ
表面がかなり汚れてしまったので、水洗いをしてみた。粘着力は回復する

恐る恐る、知人のベンツにつけてみた。外しても痕が残らなかったのでホッとした 壁に取り付けて約10分後。粘着部分が剥がれてくるので注意が必要。Webサイトにも粘着時間は10分以内とある

 石や木、ポールや手すりなどあらゆるものに取り付けてみたが、記念撮影用のカメラの固定には十分な粘着力を発揮する。μ-mini DIGITALをつけてみたところ、雲台はロックがなくても向けた方向を維持できる固さとなっている。

 ただ、動きは重いので、カメラそのものを持って向きを変える必要があるようだ。雲台の角度はわずかな調節しかできないので、ポールなど、縦長のものにつけると縦位置撮影、手すりなどにつけると横位置撮影となってしまう。90度くらいの範囲で動かせるとよりよいように思える。

 汚れた粘着面を水洗いしたところ、粘着力は回復したが、粘着面が柔らかくなってしまった。吸湿性がある素材のように思える。そう考えると流水で洗うより、濡れた雑巾で拭いた方がいいようだ。

 「粘着するカメラ支持具」というのは大変ユニークな発想で、いかにもアメリカらしい製品。かさばらないので旅行での記念写真用として、三脚より便利そうだ。



URL
  Monster Pod Technology
  http://www.monster-pod.com/

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JOBY「gorillapod」(2006/05/02)


( 木村 英夫 )
2006/11/30 01:04
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