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ソニー「HVL-RLS」

コンパクトカメラに合う手軽なLEDリングライト

HVL-RLS
 マクロ撮影時にストロボを使うと、光が強すぎたり、強い影が付いたりと、思うようにいかないことがよくある。また、室内など明るさが足りないところでの手持ちマクロ撮影は、手ブレ写真を連発しかねない。ここで一眼レフカメラなら、リングストロボやツインストロボの使用を考えるところ。しかし、コンパクトデジタルカメラでは有効な解決策があまりない。もちろん三脚を用意し、ラインティングをばっちり決めて撮ればいいのはわかるが、コンパクトデジタルカメラの場合、そこまで手間をかけるまでもない撮影も多いだろう。

 そのためか、かつてニコンCOOLPIX用の専用オプションにあった「マクロクールライトSL-1」が、一部のファンに強く支持されたのもうなずける。「COOLPIX4500」と同時発表なので、発売は2002年。もう4年も前の話だ。LEDを光源に採用したというのも、当時としては目を引くトピックだった

 今回紹介するソニーの「HVL-RLS」は、SL-1と同様、コンパクトデジタルカメラに特化したLEDリングライトだ。SL-1はレンズ前のフィルターネジに取り付けるという構造のため、対応機種がCOOLPIXシリーズに限られていた。対してHVL-RLSは、リングライト部の位置を調整可能とし、ある程度の汎用性を持たせているのが特徴となる。価格は10,500円。

 構造は単純で、電池ボックスを内蔵したリングライト部と、三脚ネジを備えたステー、両者をつなぐ支柱で構成されている。ステーの三脚ネジを左右方向、支柱を上下方向に調整でき、ステーを斜めにすることで、リングライト部を前方に配置することも可能。三脚穴さえあれば、色んなコンパクトデジタルカメラに取り付けられそうだ。

 といっても、ソニーでは対応機種をDSC-W50、DSC-T10、DSC-P100、DSC-W1、DSC-P150、DSC-W5、DSC-W7、DSC-P200、DSC-T5、DSC-N1、DSC-T9、DSC-W30、DSC-T30に絞っている。どれも比較的コンパクトなボディの機種だ。

 確かにステーの長さ(三脚ネジの可動距離は約50mm)を考えると、レンズ一体型の高倍率ズーム機への装着は難しい。リングライトの内径は25mmで、やはりレンズの前玉が大きいと、画像の周囲がケラレる可能性が高い。

 今回はDSC-W50に付けてみた。DSC-W50は沈胴式レンズなので、ステーを斜め前方に傾ける必要がある。つまりレンズを伸びきった状態にして、その先端にリングライトの位置を固定するわけだ。高さはリングライト側のADJUSTボタンを押しながら調整する。動かす箇所が多いので、慣れないうちはレンズの先端にぴたりと合わせるのに苦労するかもしれない。そういう意味では、レンズが伸び縮みしない屈曲光学系レンズのカメラこそベストマッチといえる。なお、リングライトの裏面にはゴムが引いてあり、沈胴レンズの先や、屈曲光学系レンズ採用カメラのボディをキズづけないようになっている。


左からサイバーショットDSC-W50、HVL-RLS 電源は単4電池2本。単4ニッケル水素充電池も使用できる

DSC-W50に取り付けたところ。沈胴レンズの場合は本体より前にセットする 後ろから見た状態。沈胴レンズだとステーが飛び出てしまう

 LEDは12個。ちなみにSL-1は標準価格11,000円でLED8個だった。電源は単4アルカリ電池2本、または単4ニッケル水素充電池で、「LOW」と「HIGH」の2段階で明るさを切り替えられる。

 推奨撮影距離が約5~30cmなので、使いどころとしては、やはり近接撮影ということになる。光に若干の青みを感じるものの、デジタルカメラのホワイトバランスがオートだと、思ったよりニュートラルな色味になる。

 周囲の明るさにもよるが、発光面から被写体までの距離が5cm程度の場合、同じ絞り値だとOFF→LOW→HIGHまで3分の1段~3分の2段ずつシャッター速度が稼げる。欲をいえば、高感度での画質がデジタル一眼レフカメラにおよばないコンパクトデジタルカメラで使うからには、2~3段程度明るくなってほしいところ。だからといって、これ以上大きくなるのも考えものだろう。

 面白いのは、定常光のときよりコントラストが強くなること。といっても、内蔵ストロボを使ったときほどドギツくはならない。うまく当てれば立体感にもつながるので、被写体によってはアベイラブルライトで撮るよりも面白い効果が得られる。また、室内での撮影で、タングステンの黄色みや、蛍光灯の緑っぽさが素直に消えるのもいい。

 逆に困ったのは、ハイライトにリングライトのLED配置が映り込むこと。細かな白い丸印が数珠のように連なっている様子は、アクセントとしてユニークでもあり、気持ち悪くもある。映り込みが大きいほど数珠も大きくなるので、平滑度の高い被写体では注意した方がいいだろう。

 個人的には、旅先での料理メモなどで威力を発揮しそうに感じた。大皿を引きで撮ると光が当たらないものの、ワイドマクロで食材にぐっと寄ると上手くハマる。コンパクトで軽量、さらに発光させてもストロボより目立たず、ほかの客に迷惑をかけない(それなりに注目は浴びるが)。また、木陰の昆虫などにも有効だ。コンパクトデジタルカメラで手持ちマクロ撮影を楽しむ人にお勧めしたい。


  • 作例のリンク先ファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
  • 写真下の作例データは、記録解像度(ピクセル)/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/35mm判での画角に相当する焦点距離を表します。


LED OFF
2,816×2,112 / 1/5秒 / F4 / 0EV / ISO80 / WB:オート / 12.4mm
LED ON (LOW)
2,816×2,112 / 1/6秒 / F4 / 0EV / ISO80 / WB:オート / 12.4mm

LED ON (HIGH)
2,816×2,112 / 1/8秒 / F4 / 0EV / ISO80 / WB:オート / 12.4mm

LED OFF
2,816×2,112 / 1/8秒 / F2.8 / 0EV / ISO80 / WB:オート / 6.3mm
LED ON (LOW)
2,816×2,112 / 1/20秒 / F2.8 / 0EV / ISO80 / WB:オート / 6.3mm

LED ON (HIGH)
2,816×2,112 / 1/30秒 / F2.8 / 0EV / ISO80 / WB:オート / 6.3mm
ストロボON
2,816×2,112 / 1/40秒 / F2.8 / 0EV / ISO80 / WB:オート / 6.3mm

LED OFF
2,816×2,112 / 1/50秒 / F2.8 / 0EV / ISO400 / WB:オート / 6.3mm
LED ON (HIGH)
2,816×2,112 / 1/80秒 / F2.8 / 0EV / ISO400 / WB:オート / 6.3mm

LED OFF
2,816×2,112 / 1/30秒 / F4 / 0EV / ISO800 / WB:オート / 10.9mm
LED ON (LOW)
2,816×2,112 / 1/60秒 / F4 / 0EV / ISO800 / WB:オート / 10.9mm

LED OFF
2,816×2,112 / 1/30秒 / F3.2 / 0EV / ISO400 / WB:オート / 8.2mm
LED ON (HIGH)
2,816×2,112 / 1/60秒 / F3.2 / 0EV / ISO400 / WB:オート / 8.2mm


URL
  ソニー
  http://www.sony.co.jp/
  製品情報
  http://www.ecat.sony.co.jp/cs/acce/accessory.cfm?PD=25025&KM=HVL-RLS

関連記事
ソニー、コンパクトデジカメ用のLEDリングライト(2006/08/02)


( 本誌:折本 幸治 )
2006/10/03 01:20
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