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エツミ ドームスタジオS

アイデア賞モノの簡易スタジオ

価格:2,940円


 デジタルの普及とインターネットオークションの一般化の影響か、昔はプロしかやらなかったような“ブツ撮り”を自分でやる人が増えている。どうせ撮るなら、被写体がよりよく見えるように撮りたい、ということで、ここ数年の間にできた新しい写真用品が“簡易スタジオ”という製品ジャンル。

 従来はブツ撮りというと、中判カメラとポラロイドバック、ストロボか写真電球と高価な撮影台を用意して行なっていた。露出計を使って光が回るようにストロボやライトをセットし、あらかじめポラロイドバックで完成する写真のイメージを確認しながら……と、ひとつの商品写真を撮るにも大変な手間がかかった。

 ところがデジタルでは、液晶モニターで撮影画像が確認できること、ホワイトバランスの調整により、光源の色味を気にしなくていいことなどのメリットがある。そこで、組み立て式の簡易スタジオによって光が回るようにセットすれば、簡単にプロのようなブツ撮りが行なえるようになったのだ。

 数年前から売られている簡易スタジオは、畳むと四角い板状になるもの、円盤状になるものがあったが、この「エツミ ドームスタジオ」は、傘のような構造。収納すると1本の棒状になり、さらにセットも簡単! という今までにない製品だ。今年春のPIE2005で発表され、製品化が待たれていたものの、完成まで時間がかかり、今秋ようやく発売にこぎつけた。そこで早速、使い勝手を試してみた。


セット内容は左からケース、ドームスタジオ本体、背景用の布バック。背景はブルーとグリーンのリバーシブル ドームスタジオ本体は、上部のヒモを引っ張るだけでセットできる。従来から売られているものは面ファスナーで止めたり、ホネを入れたりなど手間がかかったことを考えると本当に簡単!

ドームスタジオ本体を内側から見たところ。ヒモの先に「傘のホネ」のような部品が入っている。戻すときは、ヒモの先に付いている部品を押し込めば、簡単に畳める ドームスタジオ本体に面ファスナーで付属の布バックをつけていく。グリーンの面とブルーの面があるので、撮影するものの色に合わせて使う面を選ぶ

 ドームスタジオのセットが終わったところで、撮影を行なってみる。エツミでは、別売りで「デジタル撮影ライト」を用意しているが、家庭でのネットオークション用の写真を撮るには、少しおおげさ。日中の室内で撮影してみた。


正しくない設置例。直射日光の入る明るい窓際に置けば、光が入ってくるので早いシャッターが切れそうだが、光の当たり方がムラになってしまう 昔“写真を複写するなら北側の窓辺”と習ったことがある。要は直射日光が当たらない明るいところがベスト。ドームスタジオのSサイズなら、家の出窓にもピッタリおける

 あと、撮影に必要なのが三脚だ。ブツ撮りは、カメラをしっかりセットし、構図をきちんと決めることが重要。また撮影するアングル、微妙な高さの違いで被写体の見え方が変わってくるので、エレベーターの上げ下げが必要になる。エレベーターを上げてもブレないようにするにはそれなりの三脚、つまりパイプ径が28mm前後の中型三脚は少なくとも用意したい。


※作例のリンク先は、撮影した画像データそのものです(ファイル名のみ変更してあります)。クリックすると撮影した画像が別ウィンドウで表示されます。

※使用したカメラは、富士写真フイルム「FinePix S2 Pro」、使用レンズはトキナー「AT-X280AF PRO」(28-80mm F2.8 ASPHERICAL)です。

※キャプション内の撮影データは、画像解像度/露出プログラム/露出時間/絞り値/ISO感度/焦点距離です。


付属の布バックを使って撮影した。ドームスタジオによって光が回り、きれいに撮影できた。ただ、ソーサー部分にバックのブルーが映り込み、色がついてしまった
4,256×2,848 / 絞り優先AE / 1/8秒 / F16 / ISO400 / 68mm
そこで、布バックを使用せずに、白いA4のコピー用紙をソーサーの下に敷いて撮影。A4版を横に敷いたため、長さが足りず、ドームスタジオの間に境目が見える
4,256×2,848 / 絞り優先AE / 1/20秒 / F16 / ISO400 / 68mm

バックを整理するために、白いA4の紙を縦に置いてみた。幅が足りないためにアップ気味にして調整
4,256×2,848 / 絞り優先AE / 1/20秒 / F16 / ISO400 / 79mm

 被写界深度はピント位置よりも手前1/3、後ろに2/3が範囲と聞いている。そのため、ピント位置をマニュアルフォーカスで調整してみた。ただ、中望遠域で近距離の撮影となったため、少し深度が足りない感じに写ってしまった。ブルーとグリーンの布バックでなく、白バックが用意されていれば、もう少し引いて撮影することで深度を深く見せることができるかも知れない。

 エツミのドームスタジオは他の製品をよく研究した製品と思える。パッケージに“山岳での野草撮影にも”とあるが、折り畳み傘サイズにまでコンパクトにして持ち運べるというメリットは、室内でのブツ撮り以外にも応用できそうだ。



URL
  エツミ
  http://www.etsumi.co.jp/


( 木村 英夫 )
2005/10/25 00:36
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