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近代インターナショナル アーゴレスト

ちょっと変わった北欧のカメラ固定用品

価格:14,700円


 「アーゴレスト」は、主に車載を考慮し設計されているカメラ固定用品だ。車の窓ガラスの上辺に引っ掛けて、カメラを固定する。一方で、レバーで緩められる蝶番で簡単に変形するとともに、カメラ固定穴が3カ所選べるので、三脚にもストックにもなるスグレモノである。

 フィンランド製で、国内では近代インターナショナルが販売する。同社のオンラインショップでは11,760円の割引価格で購入できる。



 これを探すキッカケとなったのは、D2Xの手ブレ対策だった。なにしろ、D2Xでの最初の撮影は光の弱い早朝だったこともあり、なんと18mmの広角を使用し1/100秒で切っても手ブレ。当然ほかのカットも手ブレしていた。しかもこれがボケと見まがうほど非常に微細なブレで、最初はカメラのAFを疑い、調整に出そうかと真剣に考えたほどだった。

 結局、私のデジカメの先生にチェックしていただいたところ、恥ずかしいことに殆どのカットが手ブレとの指摘。以前から使っていた600万画素のD70では全然こんなことはなかったので大いに戸惑った。

 三脚、一脚はもちろん持っているが、場所によっては他人の迷惑になるし、使用禁止の場所も多い、ストロボも遠慮しなければならない場合もある。でも、画質を考えるとできる限り低感度で撮りたい。先生からは腕を磨くしかないねと言われたが、そう簡単に手ブレしないように写せるようになるわけではない。そんな時に偶然見つけたのが、この製品であった。


 自由雲台を付けると、速写性は若干落ちるがいろいろな用途に使える。カメラの取り付けはボディ底面の三脚用ネジ穴を使用する。アーゴレストには3カ所にネジ穴があり、カメラ(雲台)の装着位置を変更することができるし、レバーを緩めて脚の角度変更をワンタッチで調整することもできるので、用途に合ったいろいろな形態に変更することができる。

 赤いボタンはクラッチになっていてレバーの向きを自由に変えることができる。形態によってレバーの締め付け位置が邪魔になるので、このクラッチを使って邪魔にならないような角度に調整する。


 さて使い方に移ろう。左手でアームの下を持ち、カメラをグリップし、胸に脚部を押し当てる。この方法では多少安定性が良くなるのと、シャッターストローク時の縦ブレが低減できるが、身体の揺れは止まらないので、こんな場合数回深呼吸してから数秒呼吸をとめ、落ち着いたら撮影する。しかし、あまり呼吸停止が長くなると酸素不足で体が揺れ始めるのでかえってブレが増す場合がある。

 一番よく使うのは下の写真左のような形態だ。アームが可動するので色々な場所で重宝する。この体勢で300mm F5.6、1/50秒を切って見たが、D2Xで見ても十分手ブレが抑制できているようだ。


試したレンズはタムロン AF70-300mm F4-5.6LD。
4,288×2,848(800×531にリサイズ)ピクセル / 1/50(秒) / F5.6 / ISO400 / オートホワイトバランス / 焦点距離300mm

車に装着したところ
 右の写真が本来の用途である自動車に装着した状態である。車上では三脚、一脚より設置や操作がしやすい(この場合は雲台が必須)。ただし、風が強かったり、横を他車が通るなどする、車のボディが思いのほか煽られビビるのでやはりブレは起こる。

 アーゴレスト単体のカタログ値の重量は約750g。三脚よりはましだが結構重い。重いだけあって非常にがっしりした作りで、全体にラバーがコーティングされているため滑りにくくなっている。

 写真では小型の自由雲台(耐加重4kg)を装着しているが、カメラを取り付ける部分がゴムのため、D2Xに300mmクラスの重量ではゴムがたわんでグニャグニャし、安定性が悪かった。できれば雲台を使用しない直付けか、もう少し頑丈な雲台を使用した方が良いだろう(ただし、重さとのトレードオフになる)。

 欠点は少々重いこと、バックへの収納性が悪いこと。私が使っている中型のバックには問題なく入るが、小型のバックにはどうにもおさまらなかった。

 しかし、自動車での使用には便利だし、マクロでブツ撮りをするときは使いやすい。いろいろ変形できるので、まだまだ工夫の余地はあると思う。

 本体の大きさや重さ、組み合わせる雲台から考えると、携帯する場合はD70クラスの方がピッタリとくる。私としては、D2Xと組み合わせて車載用、D70と組み合わせて三脚がはばかられる場所での用途に使用していきたいと思う。本体は頑丈なのでとにかく組み合わせるカメラと雲台のマッチングが重要である。



URL
  近代インターナショナル
  http://www.kindai-inc.co.jp/
  製品情報
  http://www.kindai-inc.co.jp/satsuei_erg.htm


( 楠見 聡 )
2005/08/11 00:30
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