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D70に装着したLENS IN A CAP
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今回試した「LENS IN A CAP」は、木村英夫氏が以前紹介した「PC LENS IN A CAP」のベーシックモデルにあたる。アオリ機構こそないものの、22mmとさらに薄いボディは文字通り「ただのボディキャップ」のイメージにより近く、撮影レンズらしかぬトイっぽさもこちらが上だ。輸入代理点のメディアジョイだと価格は2,600円。現在、ペンタックスK、ニコンF、オリンパスOM、キヤノンEOS、キヤノンFD、ミノルタSR、ミノルタα、M42の各マウント用が入手できる。
焦点距離は35mmで、口径比はF5.6。フォーカス機構のないパンフォーカスレンズなので、ユーザーによる操作は絞りだけ。仕様書によると1.5mからピントが合うことになっており、まさかデジタル一眼レフで目測に挑戦するとは思わなかった。さらにD100ではマニュアル露出を強いられる上、内蔵露出計も動作しない。つまりAFもAEも利用できない。
作りは極めて安っぽいが、この製品の場合はホメ言葉だろう。絞りはターレット式とでもいうのだろうか、色んなサイズの穴が開いた円盤をレンズの前で回転させ、穴の大きさに応じて光量を変化させる仕組み。F5.6とF64の間に穴はなく、この区間をレンズカバーとして使用する。レンズはプラスチックの3枚玉だ。
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「16」と記された円盤を回すと絞りが変わる。とても硬い
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オプションの接写装置「LUBOT」。足を閉じることも可
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接写している状態。ボディが大きいとLUBOTの足で支えきれないので注意
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レンズの描写だが、周辺(というより中心部以外)の流れが激しく、周辺光量も落ち気味。倍率色収差もよく目立ち、デジタルカメラっぽいパープルフリンジがそれに重なることもある。さらに逆光、半逆光、天逆光に弱く、光を計算しないと霧のようなフレアに見舞われる。そのためか、単体露出計での出た目より、1段は下げないと使えないことが多かった。使った印象は怪しいオールドレンズ、それも最強のクセ玉といったところで、ここまで収差がはっきりわかるレンズもすごい。
基本的にボディキャップとして使用し、撮影するときにちゃんとしたレンズに交換、しかし時には「キャップだけでも撮影できる」とウケを狙うのが正しい使い方だろう。全長22mm、重量30gの小型軽量ボディのため、並大抵のレンズとは比較にならないほど軽快な撮影を楽しめるものの、クセを生かすテクニックはしっかりと必要。うまくはまると面白い絵になるので、クセ玉好きならチェックすべきアイテムだ。
なお、LENS IN A CAPのオプションとして、接写アイテムの「LUBOT」(1,900円)が流通している。基本的にはクローズアップレンズというべきもので、LENS IN A CAPに装着後、カバー(足)を開くと、カバー先端面に大体のピント位置がくる仕組み。マクロレンズ+複写装置といった趣のアイテムで、LUBOTの付け根を回転させることでレンズを繰り出し、より細かいフォーカス操作にも対応する。トイっぽい見た目も可愛く、LENS IN A CAPとの同時購入をお勧めする。
画質はLENS IN A CAP単体よりもコントラストが高まり、普通にシャープな印象。LUBOT装着時こそLENS IN A CAPが本領を発揮する瞬間なのかもしれない。ただし、中心以外はLENS IN A CAP単体と同じくらい流れる。
また、正確なフォーカスを追求するには、LUBOT単体の繰り出し位置を微調整→LENS IN A CAPに取り付け→ファインダーあるいは撮影画像で確認→またLUBOTを微調整……という作業を繰り返すことになる。しかしLUBOT取り付けの際、せっかく調整した繰り出し位置がLENS IN A CAPの溝に当たって「カクッ」と動くことが多く、大いにやる気をそがれた。1,900円の製品に一般光学製品の厳密さを求めるのもナンセンスな話だが、装着部の精度をもう少し確保し、LUBOT以外にも色んな合体オプションを用意する、という展開もアリだと思うがどうだろうか。
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曇っていたが、決して霧が出ていたわけではない
3,008×2,000 / 1/200秒 / F5.6 / 0 / 400
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天気がいいと虹のようなゴーストが出る
3,008×2,000 / 1/1,000秒 / F8 / 0 / 200
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光線によっては上手く撮れることも
3,008×2,000 / 1/250秒 / F8 / 0 / 200
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これもまともに撮れている
3,008×2,000 / 1/250秒 / F8 / 0 / 200
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糸巻き型の歪曲収差が生じている。
3,008×2,000 / 1/60秒 / F5.6 / 0 / 200
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順光でも原色が鈍くなるが、ほかの問題に比べればまだマシ
3,008×2,000 / 1/320秒 / F8 / 0 / 200
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太陽が歪んでいる。中央のゴミはCCDに付着したもの
3,008×2,000 / 1/125秒 / F5.6 / 0 / 200
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LUBOTの作例。やはり中心以外は流れ気味だ
3,008×2,000 / 1/5秒 / F16 / 0 / 200
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■ URL
Loreo(英文)
http://www.loreo.com/
メディアジョイ
http://www.mediajoy.com/
製品情報(LENS IN A CAP)
http://www.mediajoy.com/mjc/omoshiro_acc/LOREO/top.html
製品情報(LUBOT)
http://www.mediajoy.com/mjc/omoshiro_acc/LOREO/top.html
■ 関連記事
・ Loreo PC LENS IN A CAP(2005/05/31)
( 本誌:折本 幸治 )
2005/08/02 01:47
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