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ベルボン ULTRA LUXi F

ビックリするくらい小さくなる新機軸の三脚

価格:18,900円


 ベルボンといえば、カーボン三脚「カルマーニュ」で一世を風靡し、アウトドアをメインとするプロにも使われる日本の高級三脚メーカーである。

 カーボン+マグネシウムのカルマーニュにはちょっと手が出ないが、1万円くらいで手頃なデジタル一眼レフ用三脚はないか? とお探しの方に人気の高い三脚が、今回ご紹介する「ULTRA LUXi F」(ウルトラ・ルックス・アイ・エフ)だ。

 たたんだ姿を見ていただければわかるように、片手で簡単に持てるくらい、軽くてコンパクト! 本当にデジタル一眼レフを乗せても大丈夫なの? と不安になる方もいるかも知れないが……。縮長は39cmだが、数値よりも実際に見てみると本当にインパクトのある小ささだ。

 家の中で伸ばしてみたら、女房が「それ、どこから持ってきた三脚? さっきの小さいのと別でしょ?」と声をかけてきた。写真機材に詳しくない人が見ても、小さいものを伸ばして目の高さに近いところまでくるサイズに伸びる、というのは信じがたいもののようだ。ベルボンにとってこれは最大の賛辞ではないだろうか?

 この伸縮比を実現するために、ロックレバーや手で回すナットを排除し、回すパイプ同士で固定する「ダイレクトコンタクトパイプ」を開発したという。

 さらに脚の根本にあるボルトをなくすことで、パイプを奥まで収納する工夫をしている。これをベルボンでは「トラニアンシャフトシステム」と呼んでいる。これらのアイデアは社長自ら考えている、というウワサもあるが、本当によく考えられているものだ。


全部脚を伸ばすと、エレベーターを上げなくてもちょうどいいくらいの高さになる。筆者は身長が約180cmだが、カメラを乗せれば、ボディーの肩にある液晶表示部が見やすい位置にくる 脚を伸縮できる状態にした。短くたたんで大きく伸びる、というスペックを実現するために開発した「ダイレクトコンタクトパイプ」は、脚の石突を持って操作する。ロックのレバーなどがないので、本当に小さくなる 脚をロックした状態。パイプの溝部分がずれると、パイプ同士の摩擦力が発生して固定する。パイプ自体を回転させ、パイプが半回転程度で固定できる。途中でも固定できるが、レバーなどの固定方式と異なり、太い方から順に伸ばすという操作はやや難しい

 この三脚は、高い位置での撮影ばかりでなく、ローポジションの撮影にも対応できる。三脚を使う人の主な被写体が風景と花ということから、目の高さと低い位置を1本でカバーできる三脚が望まれているのに対応している。


脚を縮めた状態のまま、脚の取り付け部分を操作すると、ローポジションに設定できる。エレベーターの下半分は、パイプ自体をねじって取り外すことができる。この状態で、地面から雲台までの高さは19cmだ 脚の根本でローポジションに設定する。切り替えは3段階。黒い操作部を横にスライドさせると、階段状になっている部品に当たって、開脚角度が設定できる。ローポジションにしたまま脚を閉じると通常開脚度に戻る親切設計だ 雲台は2ハンドル3ウェイ。右側に出ているハンドルで「縦位置・横位置」の変更をする。もう1本のハンドルでカメラの「上下・左右」を1度に調整でき、スピーディーに構図を変更できる。水準器は3つ付いており、横位置でも縦位置でも2軸で水平確認ができる

縦位置・横位置の切り替えのハンドルは、逆側からも取り付け可能。ストロボの位置を気にせず縦位置にできるよう考えたという。また、望遠レンズを付けたとき、ネジが締まる方向に縦位置ができるメリットもある 欠点は、カメラを上方向に向けるのに制約があること。コンパクトに畳めるよう考えられた雲台は、全体が後ろに倒れた状態で水平が出る。そのため、少し上に向けると、ハンドルがぶつかって上に向かないことがある カメラを上に向けたいときは、カメラを前後逆につけるとよい。雲台には、カメラをクイックシューで取り付けるが、クイックシューは前後・左右を入れ替えてもそのまま取り付けられる

 ULTRA LUXi Fは、1万円前後の三脚の中では軽く、短くたためて大きく伸ばせ、デジタル一眼レフと高倍率ズームの組み合わせくらいなら十分支えられる優れた三脚といえる。

 ただ、脚の伸縮が独特なことと、5段(一般の三脚は3段または4段)の脚部のため、先端の脚がかなり細くなるというデメリットがある。三脚は、1本ですべてOKというのは難しいので、携帯性を優先する場合ではこの三脚、クルマで移動するときはやや大きめの三脚、といった使い分けも大切だ。



URL
  ベルボン
  http://www.velbon.com/
  製品情報
  http://www.velbon.com/jp/catalog/compacttraveldigital/ultraluxif/ultraluxif.html


( 木村 英夫 )
2005/07/05 00:32
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