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αおよびXperiaユーザーの写真家がチェック!ソニー「Xperia 5 III」レビュー
ミラーレスカメラのようなAF/連写性能、そしてUI…カメラユーザーに選んで欲しい最新スマホ
提供:ソニーマーケティング株式会社
2021/11/18
スマートフォンで写真を撮る機会って本当に増えましたよね。筆者は写真に関連したいろいろが職業なのですが、それでも日常のあれこれや、SNSなんかの投稿写真はほとんどスマートフォンで撮っています。人によってはここ数年、スマートフォンでしか写真を撮っていない人もいるのではないでしょうか。
何しろ画質が良くなりました。画素数はもちろん、画像処理技術も驚くほどの速さで向上し、不自然さに違和感を覚えることよりも、写真の美しさに感動することの方が断然多くなりました。
そんな筆者が現在使っているスマートフォンは、ソニーの「Xperia 5」。Xperiaを使いつづけてこれで3機種目になります。キャリアでの契約から2年経過したこともあり、そろそろ機種変更しようかな、なんて考えていたところ、タイミングよく最新の「Xperia 5 III」で写真を撮らせてもらえる機会をいただきました。
Xperia 5 IIIとは?
さて、このXperia 5 III、ソニーのXperiaシリーズのなかでは、先ごろ発売されたフラッグシップモデルの「Xperia 1 III」と同じく、シリーズのフラッグシップモデルという位置づけになっています。
つまり、撮れる写真の画質はXperia 5 IIIとXperia 1 IIIは同じです。AFなどカメラ関連の性能もXperia 1 IIIとほぼ同等。それでいて小型軽量化を実現しており、ソニーがXperia 5 IIIを「もうひとつのフラッグシップ」と表現しているのもうなづけます。
搭載されたカメラについて
Xperia 5 IIIには焦点距離の異なる3つのレンズが搭載されています。選べる焦点距離は35mm判換算で超広角の16mm相当と、広角の24mm相当、そして望遠の70mm相当および105mm相当です。レンズは3つなのに、選べる焦点距離が4つあって不思議なのですが、これは70mm相当と105mm相当が、1つのレンズで2つの焦点距離を実現した、可変焦点レンズとなっているからです。
恥ずかしながら筆者は初め105mm相当について、70mm相当で撮影した画像をトリミングして105mm相当にする、いわゆるデジタルズームだと思っていましたが、実際には内部でレンズがズームレンズのように移動する光学式でした。
また、Xperia 5 IIIはカメラアプリである「Photography Pro」がプリインストールされていることにも注目したい点です。筆者はXperiaだけでなく、レンズ交換式のソニーのカメラ「α」についても古くからの愛用者なのですが(現在はα7R IVを使用)、このPhotography Proを起動したときの、何とも言えない既視感にはちょっと嬉しくなりました。
αを使っている人なら直ぐに理解できる、馴染みのある、そして優れたユーザーインターフェース(UI)です。撮影モードやフォーカスモード、ISO感度にホワイトバランスなどのカメラ設定を直感的かつ素早く変更することができます。逆に、XperiaからこのUIに慣れた人なら、後々、αを使うことになったとしても同じような既視感を覚えることになるでしょう。さすが、同一メーカーの強みを上手く活かしています。
なお、従来のXperiaに標準インストールされていたカメラアプリ(その名も「カメラ」)は、Photography Proの撮影モード設定から「Basic」という名で選択できます。Photography Proのように本格的なカメラ操作を必要とせず、いままで通りのXperiaの操作で写真や動画を撮りたいという方は、そちらを選択するといいと思います。
構えやすく撮りやすいカメラキー
Xperia 5 IIIの側面には写真を撮るための「カメラキー」(一般的なカメラでいうところのシャッターボタン)が装備されており、このおかげで横位置での構えが取りやすく、半押し機能もあります。長押しすることでスリープ状態のスマートフォンから直ぐにカメラアプリを呼び出せます。
スリープ状態からカメラキー長押しで呼び出されるアプリが、ベーシックなカメラアプリでなく、Photography Proに変更されたことも、スマートフォンで写真を撮ろうとしたときに、思った以上にモチベーションを盛り上げてくれます。
4つの画角(3つのカメラ)それぞれの使い所
ここまで、Xperia 5 IIIには16mm相当、24mm相当、70mm/105mm相当(可変焦点)という、3つのレンズで4つの画角があることを強調してきましたが、実際にはそれぞれ独立した撮像センサーが専用で搭載されています。有効画素数については、いずれも同じ約1,220万画素です。
それぞれの画角についてみていきましょう。
16mm相当
超広角16mm相当は、ヒトの視角を超えた広い風景を撮影するときに便利な画角です。旅先で見た広大な絶景を1枚の写真に収めることができます。また、近いものはより大きく、遠いものはより小さく写る特性によって、遠近感を強調した大胆なイメージの写真を撮るのにも向いています。
かつては特殊とも言える、使いこなしの難しい画角でしたが、スマートフォンに搭載されることで身近な存在となり、今までになく写真を楽しむきっかけになるかもしれません。
24mm相当
広角24mm相当は、16mm相当と同じく広い景色を撮るのに適した画角ですが、16mm相当に比べると遠近感の強調は控えめで、被写体のデフォルメは少なく、比較的自然なイメージの写真が撮れます。
Xperia 5 III に搭載された撮像センサーのなかで、この24mm相当には最も高性能な撮像センサーが採用されています。解像感や階調を含めた画質、AF性能、連写性能、いずれを見てもXperia 5 IIIの性能を最大限に発揮できる画角ということが実写でも明らかに感じ取れました。
70mm相当 / 105mm相当
70mm相当は、被写体の形を歪ませることなく端正に写し、それでいて撮影者と被写体が無理なく会話のできる距離を維持できる焦点距離です。
実際に、実写でもモデルと会話しながら適切な構図を探るのに重宝したのがこの画角でした。Xperia 5 IIIで人物撮影をしようとすれば、まず70mm相当から始めてバリエーションを増やしていくのがオススメです。
望遠105mm相当は、70mm相当と同じく被写体の形を端正に捉えるのが得意な画角ですが、撮影位置を変えずにあと一歩寄りたいという時に便利に使えます。背景のボケは相当に大きくなりますので、その特性を活かしてみるのも良いと思います。
また、街を歩いていて目についたものをさりげなく切り撮るのもやりやすい画角ですので、ポートレイトだけでなくスナップ撮影にも活用したくなります。近年のスマートフォンのカメラは広角重視となっており、Xperia 5 IIIの70mm相当、105mm相当は人物を撮りたい人には注目の装備といえます。
α譲りの優れたAF・スピード性能
ところで、Xperia 5 IIIが搭載するカメラの画素数は、いずれも有効約1,220万画素と、いまとなっては少なめな数値です。
これは、撮像センサーの読み出し速度を重視した結果です。
画素数という情報量を抑えることで、余剰のリソースを連写やAF関連などに割り振ることができます。
例えばミラーレスでお馴染みの顔認識および瞳AFですが、使用感がほぼそのままに搭載されていて驚きました。
瞳AFはカメラキーを半押しすることで瞳の検出を開始し、半押しを継続することでリアルタイムに瞳を捕捉し続ける「リアルタイム瞳AF」となります。レンズ交換式カメラでも瞳を検出した位置でピントが固定されてしまう機種がある一方、スマートフォンのXperia 5 IIIが瞳を追従し続けることはスゴイことに感じます。
オブジェクトトラッキング
AF関連で特に強力だと感じたのは「オブジェクトトラッキング」です。これは、顔や瞳以外の動く被写体をAFで追従したいという場合に使えます。ミラーレスのαでいうところの、リアルタイムトラッキングと言って良いでしょう。
画面上で、目的の被写体をタップすると、自動的に追尾が開始され、被写体がフレームアウトしたり遠く離れたりしない限りフォーカスを合わせ続けます。
さらに、オブジェクトトラッキングを人物に適用すると、瞳を認識できるときは瞳AFに、顔を認識できるときは顔認識に、人物が後ろを向いて瞳も顔も認識できなくなったときはオブジェクトトラッキングに、といった具合に自動的に最適なフォーカスを切り替えながらピントを合わせ続けてくれます。
下の例は、わざと忙しく画面内を動き回るようにお願いしたモデルを捉えたものです。
オブジェクトトラッキング
モデルは画面内を前へ後ろへ、右へ左へと移動していますが、瞳→顔→後ろ姿→顔……といったぐあいに、被写体を捉え続けているのがわかると思います。
最高約20コマ/秒の連写
Xperia 5 IIIの連写性能は最高で約20コマ/秒に達します。この性能は、同社ミラーレスカメラのうちスポーツ・報道向けモデル「α9 II」と同等といえば、その能力の高さを理解できるのでないでしょうか。
もちろん、約20コマ/秒の連写中、上記の瞳AFやオブジェクトトラッキングといったAF関連や、写真の明るさを決定するAEは、状況に応じて最適になるよう調整を続けます。この辺りも普段使用しているα7R IVと同様の使い勝手で驚きました。
最高約20コマ/秒の連写
ただし、最高約20コマ/秒の高速連写ができるのは、リアルタイム瞳AFと同じく、24mm相当のレンズ使用時に限られます。とは言っても、その他のカメラでも最高約10コマ/秒のAF/AE追従高速連写が可能ですので、それでも十分な連写性能といって問題ないでしょう。
写真がぐっと印象的に…ぼけ機能
最近のスマートフォンのカメラ機能でお馴染みのぼけ調整機能もあります。主要被写体には影響を与えず、背景のぼけ具合だけをデジタル処理で調整する機能です。
ぼけ調整機能を使えば、この通り、背景のボケが大きくなり、被写体を効果的に浮き上がらせた演出ができます。重箱の隅をつつくような画像チェックをしない限り、十分に活用できる、上手な画像処理で仕上げられていると思います。
動画も当然高画質スローも
最新のスマートフォンらしく、4K動画の撮影・記録も問題もなくできます。
下の例は4K 30Pでの動画撮影です。風で揺れ動く草の1本1本までが、細かく解像されていることに感心しました。
風で揺れ動く草の1本1本までが、細かく解像されている
今回は使用していませんが、Xperia 5 IIIには、さらに本格的な動画撮影に特化したアプリ「Cinema Pro」もインストールされています。4K HDR、10bit記録など、最近のミラーレスαと同等のスペックを誇ります。
120fpsで撮影
また、いままで見過ごしていた日常に瞬間が撮れる、という意味では、動画の撮影モードBASICで使える「スローモーション」も楽しい機能です。
現行の最新αシリーズにも、撮影モードダイヤル中に「S&Q」(スロー&クイック)として似た機能が搭載されていますが、スマートフォンであるXperia 5 IIIだからこそ、こうした機能を日常で使ってみようという気になりますね。
まとめ
これまでスマートフォンがカメラとしてもう一歩だけ及ばなかったところは、AF性能とその操作性にあったのではないかと、今回Xperia 5 IIIを使って感じました。高画質化が進むほどに気になるのは、欲しいところにピントが来ていないことに気づいてしまうからです。
ところが、Xperia 5 IIIのAF性能は、そうした不満を吹きとばし、さらには予想を上回るほどだったので驚きました。いずれもXperia 1 IIIですでに達成されていたことなのですが、それがXperia 5 IIIでは小型化とともに価格面でも選びやすくなっています。
筆者のようなαユーザーはもちろん、「写真作品はミラーレス、または一眼レフ」という方も、スマートフォンでは身近な人を撮っていると思います。スマートフォンこそ、AFが優れたXperia 5 IIIを選んでみてはいかがでしょうか。
■ どちらを選ぶ?“2つのフラッグシップ”Xperia 1 IIIとXperia 5 III
先行して発売されたXperia 1 IIIは、約6.5インチの大型ディスプレイを備えた5G対応モデル。4K HDRに対応した120Hz駆動のディスプレイは、写真や映像コンテンツを美しく表示してくれる。
さらにどちらも5Gに対応した上位モデルだが、Xperia 1 IIIは5Gミリ波とSub6を、Xperia 5 IIIはSub6のみをサポート。いずれも現状では使い勝手に大きな差はないだろう。CPUおよびGPUも両モデルで違いはない。
一方、撮影機能についてはXperia 5 IIIとほぼ変わらず、カメラの数や画素数は同じ。唯一、被写体までの距離を瞬時に測定できる3D iToFセンサーを搭載するところがXperia 5 IIIとの違いだ。ただ、今回の撮影ではAF面で大きな差を感じることはなかった。
そういう意味ではソニーが両モデルについて「2つのフラッグシップモデル」と説明しているのも納得できる。「とにかく最新機能が欲しい」「より大きな画面で」というならXpeira 1 III、「小型軽量なボディが重要」ならXperia 5 IIIという選び方も考えられるだろう。(編集部)
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