トピック

【CP+2026】AIで写真のセレクト・編集を大幅に時短 日本市場に本格参入して間もない「Imagen」とは?

「Imagen」のブース

CP+2026のImagenAI Ltd.のブースを紹介する。AIを活用した編集ソフト「Imagen」を展開する企業で、2020年に創業。世界中で10万人以上のフォトグラファーが利用しているが、日本市場に本格参入したのは2025年と最近のため聞き馴染みのない読者も多いかもしれない。

“AIで編集”と聞くと、あるものをないように、ないものをあるように見せるというイメージを持つ向きもあるだろう。しかし「Imagen」の本筋はそこではなく、大量に写真を処理する際の“効率を上げる”ことに重きを置いている。利用する際は、Adobe Lightroom Classicと連携して使う。

「Imagen」の誕生は、創業者が自身の結婚式後、写真の納品まで数カ月待たされた経験がきっかけになっているという。そこでフォトグラファーにとって手作業によるセレクトと編集がいかに時間のかかる工程であるかを目の当たりにした。

主なユーザー層は、ウェディングやイベント、学校、スポーツなど1回の撮影枚数が多くなるフォトグラファーの利用が多い。しかし、ブースを紹介してくれた同社パートナーシップマネージャーのサビナ・イリヤソワさんによると、プロだけでなくアマチュア層にも利用が広がっているという。

わかりやすい例としては、旅行で大量の写真を撮影したとき。撮り溜めた写真のセレクトと編集をAIに任せることで、プロ写真家のようなスタイルで編集された写真を、素早く友人や家族に共有できるようになる。

ここで、「Imagen」の特徴的な機能について触れておく。

まずはAIによるセレクトを行う「カリング」だ。ピンボケや表情などをAIが判断し、ベストショットを選別。さらにセレクト結果を、AIプロファイル(後述)を適用した「編集後の状態」で確認することもできるため、写真の仕上がりにおけるポテンシャルを判断しやすくなるのが大きな特徴。Adobe Lightroomのセレクト機能と比較しても、より自動化かつ効率化されているという。

次は「編集」機能。ユーザー自身の過去の編集データをAIに学習させることで、自身の編集スタイルを再現する「パーソナルAIプロファイル」がこのソフトの大きな特徴だ。このAIプロファイルを写真に適用することで、個々の写真ごとに適切なパラメータを割り振ってくれる。

世界的に有名な写真家の編集スタイルを自身の写真に適用できる「タレントAIプロファイル」は、初心者にも向いたAIプロファイルだ。これまでに自身で編集した経験が浅くても、簡単にプロのスタイルを反映させれられるというもので、現在アメリカやカナダのフォトグラファーのものが多いが、今後は日本の写真家のAIプロファイルも追加していく計画があるという。

「Imagen」を導入するフォトグラファーによるトークセッションも展開。写真はイルコ・アレクサンダロフさん

ブランドアンバサダーを務めるフォトグラファーのKRISTEN LISAさんは、「Imagen」の導入により撮影後のセレクト・編集にかかる時間が以前より70%以上削減されたという。その浮いた分を家族との時間や他の仕事に充てられるようになった。

AIに頼ることによって、最初は「自分らしさが無くなるのでは」と不安もあったというKRISTEN LISAさん。しかし自分で編集したものとAIの結果を比較したところ、遜色ない仕上がりに。使い続けるほどAIが現在の自分の好みを学習し続けてくれる点も「Imagen」の強みだという。

とくにアマチュア写真家において、未処理の写真が溜まっていくのは「撮りすぎ」ではなく「丁寧に仕上げたいからこそ時間がかかる」点に理由がある場合が多いとKRISTEN LISAさんは感じているという。そういったこだわりがある人ほど、自分が出したいクオリティを出せる「Imagen」を使うメリットが大きいのだとか。

ブランドアンバサダーのKRISTEN LISAさん(左)と、ImagenAI Ltd.でパートナーシップマネージャーを務めるサビナ・イリヤソワさん(右)

先述したように、2025年から本格的に日本市場に参入し、現在はマーケティングが始まったばかりの段階。サビナさんによると、日本市場においては有名な写真家やYouTuberとのコラボレーションに加え、今後はオフラインの展示会や専門イベントへの参加を通じて、ブランドイメージの確立と対面での繋がりを重視していく方針とのこと。

ブースでは、実際のワークフローを実演を交えながら解説。そのほかブランドアンバサダーによるトークセッションも用意しており、AIによる自動編集の活用方法を紹介する。百聞は一見に如かず、CP+に来場した際にはぜひお立ち寄りを。

本誌:宮本義朗