トピック

いま買うべきカメラとRFレンズ——清田大介

ポートレート撮影で多用する「EOS R5」「RF24-70mm F2.8 L IS USM」「RF70-200mm F2.8 L IS USM」

手前の桜と奥の桜でモデルをサンドイッチ。開放F2.8と56mmの組み合わせで程よくぼかし、立体感を出した。大口径標準ズームはモデルが空間の中で浮き立つような作品が撮影できる
キヤノン EOS R5/RF24-70mm F2.8 L IS USM/56mm/マニュアル露出(F2.8、1/250秒)/ISO 320/WB:4,150K

ラインアップが多彩なEOS RシリーズとRFレンズ。各ジャンルのプロフェッショナルがいま推したいカメラとレンズを徹底解説! 飛行機、スナップ、ポートレートの3シーンでおすすめの機材を紹介する。第3回は清田大介さんがポートレートで、多彩に撮れるカメラとレンズをセレクトする。

清田大介

1980年、東京都生まれ。APA(公益社団法人 日本広告写真家協会)正会員。「清田写真スタジオ」を経営。商業撮影、雑誌寄稿、セミナー開催など多岐にわたって活動している

※本企画は『デジタルカメラマガジン2024年5月号』より転載・加筆したものです。

ポートレート撮影で最も出番が多い大口径標準ズーム

ポートレートといえば、大口径単焦点レンズの出番という印象があるかもしれないが、まず導入すべきは標準ズームと望遠ズームだ。おすすめしたいのがRF24-70mm F2.8 L IS USMとRF70-200mm F2.8 L IS USM。私自身、ほとんどの現場でこの2本に頼っている。

RF24-70mm F2.8 L IS USM
キヤノンオンラインショップ参考価格:34万1,000円(税込)

ガラスモールド非球面レンズやUDレンズを多用して、ズーム全域で高画質を実現した大口径標準ズーム。クリアな描写と明るい開放F値は汎用性が高く、どんなシーンでもフルサイズ機らしい豊かなボケを引き出せる。ナノUSMによりAF動作も軽快。最大撮影倍率0.3倍と近接性能も高い

RF24-70mmは、狭い場所や引けないときでも柔軟に扱えるレンズ。ロケーションの奥行きを生かしたいときは広めの画角を選び、モデルに迫るときはゆがまない50mm以上を選ぶなど、柔軟に対応できる。

48mmを使い、橋の遠近感を生かした。35-50mmは人間の見た光景に近い印象で撮影できる。パースを生かしたり、スナップ的にその場の風景全体を写し込むのに向いている
キヤノン EOS R5/RF24-70mm F2.8 L IS USM/48mm/マニュアル露出(F2.8、1/320秒)/ISO 320/WB:4,150K

撮影距離と画角でパースを調整

標準ズーム使用時はモデルに近接しているのに広角側を選んでしまうと、気付かぬうちに顔などをゆがんで写していることがある。近接時は50mm以上を確保するように意識して、ロケーションにパースを効かせたい場合は広い画角を選ぶなど、意識的に使い分けよう。

64mm
モデルの内面や心情を写し込みたいときは、コミュニケーションがとても大切。標準ズームは会話しやすい程よい距離感で撮影できる。近接する場合はなるべく50mm以上を確保すると、ゆがみを抑えて撮影できる
キヤノン EOS R5/RF24-70mm F2.8 L IS USM/64mm/マニュアル露出(F2.8、1/640秒)/ISO 320/WB:4,400K

背景を整理しながら撮影できる望遠ズーム

背景を引き寄せたり、ぼかして整理したいときはRF70-200mmの出番だ。モデルが浮かび上がるような立体的な表現ができる。

RF70-200mm F2.8 L IS USM
キヤノンオンラインショップ参考価格:39万6,000円(税込)

RFマウントのショートバックフォーカスを生かし、EF70-200mm F2.8L IS III USMと比べて大幅に小型・軽量化。機動力が格段に増して扱いやすくなった大口径望遠ズームだ。特殊レンズがふんだんに採用され、画面周辺まで高い解像力を誇る

カリカリしすぎず繊細な線が描けるので、ポートレートにはピッタリだ。引けるロケーションなら積極的に望遠端を使い、ぼけすぎるようなら焦点距離を少し短くするのが使いこなしのコツ。EF時代の望遠ズームより小型化されているので、屋外の長時間撮影でも疲労感がない点もありがたい。

菜の花畑が高台の上にあり、かなり距離がある撮影ポイントだったので望遠域の135mmで撮影。花もモデルも大きく写し込みながら、望遠域ならではのボケ味によって背景の木々をシンプルに整理できる
キヤノン EOS R5/RF70-200mm F2.8 L IS USM/135mm/マニュアル露出(F2.8、1/2,000秒)/ISO 320/WB:4,150K
枝の低い大きな桜はポートレートに最適。200mmでぐっと背景を引き寄せながら、画面いっぱいにモデルと桜の木を大きく入れ込んだ
キヤノン EOS R5/RF70-200mm F2.8 L IS USM/200mm/マニュアル露出(F2.8、1/400秒)/ISO 250/WB:4,700K

瞳検出性能の高さと画質が信頼できるEOS R5を愛用

カメラはEOS R5を愛用している。ピクチャースタイルでポートレートを選べば、肌の赤みが気持ち良く再現される。室内撮影でも色が転ばず安定するなど、画質への信頼性が高い。現場でモデルにすぐ見せられる画質の写真が一発で出てくる安心感は、モデルとのコミュニケーションが不可欠なポートレート撮影では重要だ。

EOS R5
キヤノンオンラインショップ参考価格:53万9,000円(税込)

約4,500万画素の高画素機。RFレンズの繊細な画質を最大限に引き出せる。EOS iTR AFによる被写体検出精度が優秀で、瞳にしっかりとピントが合う。ボディとレンズの協調により最大8段の手ブレ補正に対応。大きいレンズでも手持ち撮影が容易だ

瞳検出AFの精度も高く、ピントを外す不安がないので、積極的に開放F2.8の浅い被写界深度を活用できる。

地面に少し咲いていた紫のかわいい花とともに撮影。花が咲いている面積は小さいが、望遠域なら画面いっぱいを花の色で埋められる。シンプルな中でも立体感がよく出ている
キヤノン EOS R5/RF70-200mm F2.8 L IS USM/108mm/マニュアル露出(F2.8、1/500秒)/ISO 320/WB:4,150K

モデル:彩月貴央

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清田大介

(きよただいすけ)写真家。APA(公益社団法人 日本広告写真家協会)正会員。「清田写真スタジオ」経営。商業撮影、雑誌寄稿、セミナー開催。国内外のコンテスト受賞多数。東京カメラ部10選2020。