トピック
わずか数秒でセットアップ! 全ラインアップ対応の折りたたみ式「Profoto ソフトボックス」が登場
長方形・オクタ型・ストリップ型の使い分けもご紹介
- 提供:
- Profoto株式会社
2024年3月22日 07:00
Profoto ソフトボックスシリーズに折り畳み式の新製品が登場した。ProfotoはこれまでにもAシリーズライトに対応したClic ソフトボックスシリーズを展開しており、それらは“広げる/畳む”をすばやく簡単に行えると好評を博してきた。
新製品の「Profoto ソフトボックス」シリーズは、OCFをはじめとする100mmヘッド全てに対応。B10Xなど光量の大きなライトでも使えるようになった。しかも、長方形型、オクタ型、ストリップ型と一気に3タイプが揃う。今回はそれぞれの使い分けを含めてレポートしていく。
ワンアクションでのセットアップが可能
撮影に入る前に折り畳み式の利便性を見てみよう。
もともと、ソフトボックスは組み立てやバラし(片付け)に時間がかかるアイテムだ。アンブレラは開く/閉じるが瞬時に行えるが、ソフトボックスの場合、どうしてもセッティングに時間が掛かりがちで、これは大きなネックだった。
プロフォトはこうした煩雑な仕様のソフトボックスに対し、改良を試みてきた。2022年に発売したAシリーズライト(A10X、A2など)専用のClic ソフトボックスがまさしくそれだ。ワンタッチで広げて畳むことができるため、ロケ撮影でも気軽に利用できて利便性が高く、機動力に優れたAシリーズライトの魅力を存分に引き出すことができるアイテムとなっている。
今回、OCF系やRFi系をはじめとする大型ライトにも装着できる“全Profoto製ライト対応モデル”として、この新製品がラインアップに加わったわけである。
なお、「Profoto ソフトボックス」はモノライト専用のため、Clic ソフトボックスシリーズのようなハンドルやスタンドアダプターはついていない。当然、マグネット式でもない。このあたりの仕様の違いをきちんと把握した上で利用しよう。
長方形型を使う
では、具体的に人物を被写体にライティングしてみよう。
ソフトボックスの中で、もっとも一般的な形状が長方形だろう。「Profoto ソフトボックス 2×3’ Silver」は、発光面が60cm×90cmで非常に扱いやすいサイズ感となっている。光質が柔らかいのは当然だが、狭い室内でも小回りを効かせながら気軽にセットできる汎用性のあるサイズだ。
長方形型の魅力は、横長に柔らかな光を照射できることだ。ポートレートの場合、人物は縦長なので、縦位置に使えば、全身や半身をなるべく均一に柔らかい光で照射しやすくなる。
また、照射範囲を縦位置と横位置で切り変えられるのも魅力だろう。目の中のキャッチライトは長方形に入る。
オクタ型を使う
オクタ型は八角型のソフトボックスで、長方形と異なり、中心からどの方向に対しても同じように光が広がっていくのが特徴だ。「Profoto ソフトボックス 3’Octa Silver」も、発光面が直径90cmで非常に扱いやすいサイズ感となっている。
ポートレートの撮影では、目の中のキャッチライトを円形で入れられるのがオクタ型の大きな魅力だ。表情にクローズアップする際は、目の中のキャッチライトの形状も大事なポイントになる。
なお、長方形型とオクタ型はどちらを購入するかで迷うアイテムのひとつだ。今回の新製品に関しては、サイズはどちらも長辺90cmなので、前述したように光質に大きな違いは出ない。人物の表情にクローズアップするような寄りの場合は、光の広がり方でも大きな違いは生じない。目の中のキャッチライトは、大きく異なり影響する。
一方、引きでフルショットを撮る際や、複数の人を一度に撮るような場面では、光の広がり方の違いが描写に影響する。ライトの中心に対し、周辺の露出の落ち方が変わってくる。長方形型は縦位置と横位置(斜めに傾けて使うこともある)で光の照射範囲を変えることもできる。
長方形型か、オクタ型か(両方あるのが理想だけど…)迷う場合は、このあたりの特徴を加味し、自分の撮影スタイルに合わせて選んでみたい。
ストリップ型を使う
最後にストリップ型を見てみよう。細長いタイプのソフトボックスをストリップ型と言う。メインライトとしても使うが、集光性があり、特定部分に光を照射できるアイテムのため、メインライトとは別にアクセントとして補助光に使用することも多い。
「Profoto ソフトボックス 1×4’ Silver」は30×120cmで、縦または横長に広く均一に細い光を照射できるのが特徴だ。
90cmではなく120cmなのが嬉しい。長さがあることで、全身から半身撮影まで、より幅広くアクセントライトが入れられる。
グリッドを使う
今回の「Profoto ソフトボックス」は、いずれもオプションで専用のソフトグリッドが装着できる。
グリッドは光の拡散を抑えるアイテムだ。範囲を特定して光を照射したい場面で重宝する。前述のように、ソフトボックスはグリッドを利用することで、よりこだわった画作りが可能になる。別売りにはなるが、ぜひうまく活用したいアイテムだ。
ここではグリッド有り無しで比較してみた。
参考までにグリッドをつけた2灯に対し、1灯ずつでどういう効果が出ているか見ておこう。
ディフューザーを比較する
冒頭でも述べたように、「Profoto ソフトボックス」には交換可能なディフューザーがオプションで用意されている。画作りに応じて、光の柔らかさのレベルを選択できるのだ。
ディフューザーはわずかに柔らかい光を照射する薄めの「0.5 f-stop」、より柔らかい光を照射する厚めの「1.5 f-stop」、そしてソフトボックス購入時に同梱される「1 f-stop」の3種類から選択できる。
f-stopの数字は発光量が落ちる割合を示している。1 f-stopならば、ディフューザーをつけないときよりも1段光量が落ちることをあらわしている。
ここでは、ディフューザーをつけずに内面素材だけの場合と、インナーディフューザーのみつけた場合とを含めて比較してみた。ライトはB10X、アタッチメントは「Profoto ソフトボックス 2×3’ Silver」を使用した。
最後の1枚は、ソフトボックスなしで撮ったものではなく、2枚のディフューザーを外し、シルバーの内面素材のみで撮ったものだ。このように、さまざまなバリエーションで光の硬さを選択できるのは素晴らしい。
なお、ディフューザーは使用する絞り値が小さいときや、露出時間が長いときなどの光量調整としても使用できる。パワーのあるライトを使うときには、逆に出力を小さくしづらくなる。ディフューザーをND(減光)フィルターのように使えるわけだ。
多灯で撮る
最後に今回使用した3つのソフトボックスを組み合わせたライティングを紹介したいと思う。
背後からディフューザーなしで逆光を演出していくライティングだが、これは1灯でも作ることができるので、まずはそれから見てみよう。
続いてこのライティングをベースに、2枚の反射板の代わりにライトを当てていく。手前から「Profoto ソフトボックス 2×3’ Silver」と「Profoto ソフトボックス 1×4’ Silver」を、モデルを挟み込むように上下にセットする。いずれもディフューザーは厚めの1.5 f-stopを使用した。この2灯はなるべく被写体に寄せていこう。
まとめ
今回は形状の異なる3種類のソフトボックスを紹介してきたが、それぞれに個性があり、使いどころがある。いずれも汎用性の高いモデルで、人物撮影では非常に重宝するアイテムになっている。オプションで利用できるラインアップも充実していて、ソフトボックスの表現域を大きく広げてくれる内容になっていた。
その中で、やはり一番の魅力は折り畳み式で、ワンアクションで展開/収納できるところだろう。このサイズのソフトボックスは従来組み立てるのに時間が掛かるのが常識だった。スピードリングに軸を差し込む作業は腕力も必要で、大きなサイズほど労力を要した。折り畳む際も同様で、そのため、一度セットアップすると撮影が終わるまでスタジオの端に保管し、余分にスペースを使うことも多かった。
そんなソフトボックスにかかる全てのストレスが解消されたのである! これまで以上にソフトボックスが活躍するシーンが増えることは間違いないだろう。
OCFアダプターを介せば、Clic系のAシリーズライトでも利用できることもポイントだ。ライトシェーピングツールの場合、大は小を兼ねる。将来、大型ライトに対応するOCF系やRFi系に移行したいAシリーズライトのユーザーにもおすすめしたいアイテムだ。
モデル:ひかる(グルーヴィー・エアー)
ヘアメイク:Luna Yoshikawa