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ハーフND内蔵で諦めていたシーンも逃さない…OM SYSTEM「OM-1 Mark II」

OM-1 Mark II

OM SYSTEMでは従来からカメラ内画像処理技術「コンピュテーショナル フォトグラフィ」を使った機能が充実していた。OM-1 Mark IIではついにいま話題のハーフNDを再現するライブGNDを搭載。新たな可能性を広げたOM-1 Mark IIの魅力を2回にわたって紹介する。

※本企画は『デジタルカメラマガジン2024年3月号』より転載・加筆したものです。

木村琢磨

1984年、岡山県生まれ。写真・映像制作スタジオ はち株式会社代表。地元広告写真スタジオで経験を積んだのち独立。主に地元岡山県を被写体に「写真」の言葉にとらわれない写真表現を追求。カメラ雑誌への寄稿やフォトツアーやイベントでの写真講師も務める。

TIFA 2022 プロフェッショナル部門 入選
CPA 2023 Night Photography部門 銀賞
ADC 102nd Annual Awards 銀賞・銅賞受賞

ライブGND使用前|ライブGND使用後
川面が輝いているように見せるために露出を水面に合わせた。そのままでは木の露出が明るくなり過ぎるのでライブGND8-Softを使って画面上部の露出を押さえた
OM-1 Mark II/M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO II/16mm(32mm相当)/マニュアル露出(F5.6、1/2秒)/ISO 100/WB:5,300K

画面を見ながらハーフNDの効果が変えられる

OM-1はライブND機能が搭載されていたが、OM-1 Mark IIになってライブGNDが追加された。GND(グラデーションND)は画面の一部の露出を押さえる機能で、OM-1 Mark IIではグラデ―ションの効果がSoft、Medium、Hardの3種、ND2/4/8の濃度が選べる。画面を見ながら効果の範囲、角度が調整できるため、シーンに合わせて細かく追い込める。

ライブGND使用前|ライブGND使用後
OM-1 Mark II/M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO/15mm(30mm相当)/マニュアル露出(F5.6、1/250秒)/ISO 200/WB:5,300K
曇り空だったので手前の植物が暗くならないように露出を設定。輝度差により、空が白飛びしたのでライブGNDで調整した
実際の撮影画面を見てフィルターの種類と濃度、位置や角度を仕上がりを確認しながら調整できる。三脚を使用すると調整が楽に行える
ライブGND8-Mediumを使い、ハイキーになっている空の露出を−3EVに調整した。肉眼で見たような露出バランスに仕上がった

魚眼レンズでもハーフNDが使える

ライブGNDは画像処理によってハーフND効果を再現しているため、使用するレンズに制限がない。超広角や魚眼レンズでも全く問題なく使用できる。魚眼レンズで使用した場合でも通常ではあり得ない、ゆがみのないND効果が得られる。物理フィルターではないため、逆光条件でも抜けの良い写真を撮影できる。

ライブGND使用前|ライブGND使用後
OM-1 Mark II/M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO/8mm(16mm相当)/マニュアル露出(F8、1/13秒)/ISO 200/WB:7,500K
半逆光の夕焼け。空と手前の景色の輝度差は大きく、そのままでは空も海面も白飛びを起こしてしまう
魚眼レンズでの撮影ではHardやMediumだと境目が目立つ。そこで最もグラデーションがなだらかなSoftとGND8を選択した
海の部分はND効果の境目が目立ちやすいので細かく位置を調整している。画面真ん中よりも少し下の位置を設定した

どんなアイデアでも可能にしてくれる

OM-1 Mark IIで撮影する筆者

GNDが搭載されたことでより気軽に、より身軽に写真表現を楽しめるようになった。光線状況が良くないからと諦めていたシーンも、ライブGNDを使うことで解決可能。撮影できるシーンが間違いなく増えた。

主な仕様

OM-1 Mark II
  • 実勢価格:300,000円前後
  • 発売日:2024年2月23日
  • 撮像センサー:4/3型裏面照射積層型Live MOSセンサー
  • 有効画素数:約2,037万画素
  • 記録メディア:SD、SDHC/SDXC(UHS-Ⅰ/II)
  • ISO感度:200~102400(拡張 約80/100相当)
  • EVF:約576万ドット、倍率1.48~1.65倍
  • 背面液晶モニター:約162万ドット
  • シャッター速度:1/32,000~60秒
  • 連写:約50コマ/秒(AF追従)、約120コマ/秒(AF固定)
  • 被写体認識:人物/車、オートバイ/飛行機、ヘリコプター/電車、汽車/鳥/動物(犬、猫)
  • 手ブレ補正:8.5段
  • 外形寸法(W×H×D):約134.8×91.6×72.7mm
  • 質量:約511g(本体のみ)
木村琢磨

はち株式会社代表取締役。岡山県在住のフリーランスフォト&ビデオグラファー。広告写真スタジオに12年勤務したのち独立。主に広告写真(風景・料理・建築・ポートレートなど)を撮影。ライフワーク・作家活動として岡山の風景を撮影。12mのロング一脚Bi Rodやドローンを使った空撮も手がける。