トピック

4K+27インチの「BenQ SW272U」なら、工場夜景の細部描写と繊細な色合いも判断できる

SW272U

工場夜景は夜間に望遠レンズを使って、F8~F11まで絞り込み長時間露光で撮影する。全体をシャープに写すにはコツがいるが、バッチリ決まると驚くほど緻密にパイプやプラントが写る。

RAW現像をする際には細かなブレの確認や入り組んだパイプなどのディテールの調整が必要になるので、高精細なディスプレイは必須だ。フォトグラファー向けのBenQ SW272Uは解像度が4Kもあり、あまり拡大表示をしなくても十分にブレの有無の確認ができるので作業効率が上がる。

また色再現性も優れており、複雑な光源でカラフルな工場夜景写真の色みも撮影データのまま正確に再現しているので微調整がしやすい。特にホワイトバランスの調整は全体のイメージを決める肝になる部分なので、ありがたい。

※本企画は『デジタルカメラマガジン2023年9月号』より転載・加筆したものです。

工場のディテールを確認するには4Kが必要

4K(3,840×2,160)
2K(1,920×1,080)

2K(フルHD)のディスプレイを使っていたときはこれで十分と思っていたが、一度4Kのディスプレイで表示した写真を見るともう2Kには戻れないほど画質が違う。画面のギザギザがまったくなく、滑らかでまるで実物を見ているようだ。わずかなピントのズレや、ごく微小なカメラブレもしっかり確認できる。

高画素カメラの画像を存分に生かすには4Kが必須だと感じた。SW272Uと普段使っている2Kディスプレイを並べてみると色の違いもはっきりと分かり、SW272Uのクオリティーの高さを実感した。

工場の微妙な色再現にはハードウェアキャリブレーションが重要

専用ソフト「Palette Master Ultimate」が無料で使える

キャリブレーションは専用ソフト「Palette Master Ultimate」を使用する。今回初めて使ったが、操作に戸惑うことなく、スムーズに操作ができた。

ホットキーパックG3なら手元でキャリブレーション結果を入れ替えられる

SW272UにはホットキーパックG3が付属する。ホットキーパックはボタンを押すだけで色空間や、用途に合わせたキャリブレーション結果の呼び出しが瞬時にできる。

接続端子はUSB Type-C 90W給電も対応

映像接続端子はHDMI、USB Type-C、DisplayPortと必要なものがそろっている。USB Type-Cはケーブル1本で映像出力+電力給電、キャリブレーション対応ができ、配線が少なくすむ。

均一なユニフォミティで隅々まで正確

輝度のムラがなく、画面全体が均一な明るさで表示されるので、全画面表示をした時に画像周辺部を正確に確認できる。ホットキーパックG3を使うと輝度調整が即時できるので、白飛び黒つぶれの確認もスピーディーだ。

発売日

  • 8月7日

実勢価格

  • 24万2,000円前後(税込)

SPECIFICATION

  • パネルサイズ:27インチ
  • アスペクト比:16:9
  • 表示領域(H×V):576.73×335.66mm
  • 表面仕様:ノングレア
  • バックライト:LED
  • パネル種類:IPS
  • 最大解像度:3,840×2,160
  • 色域:Adobe RGB(99%)、DCI-P3/Display P3(99%)、sRGB(100%)
  • 輝度(標準):400cd/㎡
  • コントラスト比(標準):1000:1
  • 表示色:10.7億色(10bit)
  • インターフェース:USB Type-C(90W電力給電)×1、DisplayPort(v1.4)×1、HDMI(v2.0)×2
  • 外形寸法:約613.9×451.8~591.8×274.0mm
  • 質量:約8.6kg
小林哲朗

(こばやし・てつろう)1978年、兵庫県生まれ。主な被写体は工場、巨大建造物、地下空間など。その他ポートレートも手掛けるなど、ジャンルを問わず撮影をしている。また、ドローンによる空撮にも力を入れている。写真集を4冊、工場撮影ガイド本を1冊出版。撮影の他、カメラ雑誌への執筆、各地で行われる撮影イベントの講師や、工場写真についての講演会なども行っている。