トピック

ハードウェアキャリブレーション対応で正確な色再現が可能なハイスペックモニター

BenQ SW272U

SW272U

今回、現像作業で使ったのがBenQ SW272Uという写真家向けディスプレイ。8月7日に発売するこの製品を特別に借りることができたので使用感をお伝えしよう。

ポートレート写真家にとって一番重要なのが肌の表現。質感、色合いなど細かいところまでこだわって調整している。僕はすべての写真のトーンを合わせているため色の違いには敏感だ。

その点、SW272Uはハードウェアキャリブレーションに対応しているのは色の心配はまったくなく使うことができた。

4K、27インチというサイズも実に良く、視点の移動が少なく、それでいて精細度が感じられる。ムラ補正精度が高く、周辺でも明るさや色合いの変化はなく均一性が高いと感じた。USB Type-C接続や動画出力への対応など機能も多彩だ。

ポートレートに限らず、細かな色の違いにこだわる写真家にはぜひ使ってもらいたいディスプレイだ。

圧迫感もなくサイズ的にはちょうど良い

※本企画は『デジタルカメラマガジン2023年8月号』より抜粋・再構成したものです。

正確な色表現が可能になるハードウェアキャリブレーション対応

SW272Uはハードウェアキャリブレーションに対応している。ディスプレイ内部で色調整を行うので精度のばらつきがなく、安定した表示が可能だ。キャリブレーターはi1Display ProやSpyder Xなど定番製品が対応している。

キャリブレーションソフト「Palette Master Ultimate」はBenQのWebサイトから無料でダウンロードできる。操作は簡単で最初に「(写真)Adobe RGB」など目標となるターゲットを選ぶだけで、あとは自動的に調整が行われる。

90W給電なのでUSB Type-C 1本で簡単接続

映像入力端子はHDMI(2.0)、DisplayPort 1.4、USB Type-Cと豊富にそろっている。USB Type-Cは90W給電なので幅広いノートPCに対応。USB Type-Cケーブル1本で映像出力、電源確保ができるので、デスク周りがすっきりする。

AQCOLOR+4Kによる正確で緻密な肌の発色

正確な色再現など色に関するこだわりを持つAQCOLORシリーズだけあって、発色性能はまったく問題なかった。肌の微妙な色合いの変化も確実に違いが分かった。さらに27インチ4Kということもあり、精細度が高く、高画質に感じた。

作業用スペースとしても使えるレザーパッド台座

SW271Cとの外観上の違いで最も大きいのが台座部分だ。レザーパッド付きの台座に変更され、カメラやホットキーパックG3を置いて傷も付きにくい仕様になっている。見た目の高級感もぐっと増している。

縦向きのポートレートディスプレイ表示も可能に

ディスプレイの可動域が増して縦向き、いわゆるポートレートディスプレイ表示が可能になった。SW272Uには組み立てしやすいフードが付属しているのだが、フードは縦表示にも対応している。

発売日

  • 8月7日(月)

想定価格

  • 24万2,000円(税込)

SPECIFICATION

  • パネルサイズ:27インチ
  • アスペクト比:16:9
  • 表示領域(H×V):576.73×335.66mm
  • 表面仕様:ノングレア
  • バックライト:LED
  • パネル種類:IPS
  • 最大解像度:3,840×2,160
  • 色域:Adobe RGB(99%)、DCI-P3/Display P3(99%)、sRGB(100%)
  • 輝度(標準):400cd/㎡
  • コントラスト比(標準)1,000:1
  • 表示色:10.7億色(10bit)
  • インターフェース:USB Type-C(90W電力供給)×1、DisplayPort(v1.4)×1、HDMI(v2.0)×2
  • 外形寸法:約613.9×451.8~591.8×274.0mm
  • 質量:約8.6kg

モデル:髙木優衣

(たかぎ・しんぺい) 1985年生まれ、岐阜県出身。広告や雑誌を中心にビューティー系やポートレート写真を撮影している。独自の色合いと作風で多くの媒体に掲載され、専門学校や企業向けの撮影講師としても活動している