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閃光で輝かせる鮮やかな光…キヤノン「スピードライト EL-5」夜景ポートレートレタッチ

スピードライト EL-5
発売予定日:2023年3月
キヤノンオンラインショップ価格:6万6,000円(税込)

照射角:24~200mm(ワイドパネル使用時14mm)
ガイドナンバー(約):60(照射角200mm設定時、ISO100・m)
発光回数:約350~2,450回 連続フル発光回数:40~95回以上
バウンス角:120°(上)、7°(下)、180°(左右)
マニュアル発光:1/1~1/1,024
外形寸法:約80.2×139.9×123.3mm
質量:約491g(バッテリー含まず)

※照射角35mm、レベル2の発光制限までの連続フル発光可能回数。新品・フル充電のLP-EL使用時。マニュアル発光時、キヤノン測定基準による。

夜ポートレートが楽しい季節がやってきた。空気が澄むこの季節は、夜景撮影のベストシーズン。街を彩るイルミネーションイベントも多く、光のイメージを表現する夜のポートレート撮影にも最適な季節だと言える。今回は、スピードライトを使用して夜景ポートレートを撮影し、Lightroom Classic(ver.12.1)を使用して現像で仕上げるポイントを紹介する。

小野友暉

関西で活動するフォトグラファー。年鑑書籍「プロカメラマンFILE」(株式会社ボーンデジタル)掲載。「関西御苗場2018」レビュアー賞受賞。ファッションフォトを中心に広告撮影を行う。国内外での作家活動やライターとしても活動。

※本企画は『デジタルカメラマガジン2023年2月号』より抜粋・再構成したものになります。

なぜ、スピードライトEL-5は夜景ポートレートに適しているのか?

夜景ポートレートは暗所での撮影になるため、露出の調整とピント合わせが非常に難しい。キヤノンから3月発売予定のスピードライトEL-5は、スピードライトシリーズ最大のガイドナンバー60を実現している大光量モデル。EOS R6 Mark IIとの連携にも優れ、きらびやかな夜景ポートレートを撮影することができるのだ。

①カメラから設定をコントロールできる
EOS R SYSTEM初のマルチアクセサリーシュー対応のスピードライト。特に、EOS R6 Mark IIとは高度に連携してくれて、カメラ側でスピードライトの設定ができたり、RFレンズのコントロールリングに発光量の設定機能を割り当てたりできる。

②ST-E10を使用すれば遠隔+多灯が簡単
スピードライトトランスミッターST-E10を使用すると、複数のスピードライトを使った遠隔撮影ができる。カメラからの電源供給が可能なので電池は不要。カメラやスマートフォンから遠隔で操作ができるのも快適でうれしい。

マルチアクセサリーシュー専用
スピードライトトランスミッターST-E10
発売日:2021年11月27日
キヤノンオンラインショップ価格:1万6,500円(税込)

発光モード:E-TTL II 自動調光/マニュアル発光/マルチ発光/
Gr個別グループ制御(E-TTL II自動調光/マニュアル発光/外部調光オート)
調光補正:1/3段または1/2段ステップ、±3段
マニュアル発光量設定範囲:1/1〜1/8,192(1/3段ステップ)
通信チャンネル:1〜15ch(設定:オート/マニュアル)
グループ:最大5グループ(A,B,C,D,E)
通信可能台数:センダーとレシーバーの合計が最大16台
センダー台数:最大15台(2台目以降はサブセンダー)
レシーバー台数:最大15台
外形寸法:約45.5×37.8×53.6mm
質量:約48g
※ハイスピードシンクロ時の最小発光量設定は1/128まで。最小発光量は使用するフラッシュによって異なる。

③暗所の撮影に便利
白色LEDのモデリングランプを2灯搭載しているので、暗い場所での撮影も快適。クリップオンで使用すると、AF補助光としても機能する。EOS R6 Mark IIに装着した際は、周囲の明るさに応じて自動調整してくれる。

SCENE 01:アンダートーンで暗闇の印象を強く! 光跡をアクセントにして

EL-5をクリップオンで使用
EOS R6 Mark II/RF85mm F1.2 L USM/85mm/マニュアル露出(F1.2、1/160秒)/ISO 400/WB:5,500K/モデル:かんばらふうこ

How To Flash

ライトに囲まれても足りない顔の明るさをフラッシュで補足する。スピードライト EL-5をクリップオンで装着し、モデルのサイドから発光。EOS R6 Mark IIとのバランスは良く、構図の自由度が高い。

発光量はカメラの画面で設定。明るいシーンだったので光量は1/128とした。

How To Retouch

①基本補正

イルミネーションの明るさと人肌のハイライトが強く出ていたので基本補正のハイライトを-15、白レベルを-10程度に抑えている。そのほか、気になるコントラストを弱めて明るさを整えた。

②カラーグレーディング

イルミネーションを暖色にするためにカラーグレーディングのハイライトを調整。オレンジの色相10あたりにして彩度を20、輝度を+5程度アップ。ブレンドは65にして玉ボケのオレンジを強めた。


Lightroom Classicで現像して整えた画像

SCENE 02:きらびやかなランドマークの夜景からモデルを際立たせる

EL-5を2灯使用して撮影した画像
EOS R6 Mark II/RF85mm F1.2 L USM/85mm/マニュアル露出(F1.2、1/160秒)/ISO 400/WB:5,500K/モデル:かんばらふうこ

How To Flash

2灯使用してモデルの輪郭を浮き立たせる。メインライトはソフトボックスを装着してモデルの斜め前から当てた。バックライトは被写体の斜め後ろから発光。背景とモデルを分離することができた。

バックライトの設定もEOS R6 Mark IIで操作できるのでわざわざ近づかなくて良い。メインライト(A)の光量は1/16、バックライト(B)は1/64としている。

How To Retouch

マスクの被写体を選択でモデルを選び、ハイライトを-20程度、白レベルと明瞭度を-10程度下げてモデルの明部を抑えながら背景から目立たせる。


Lightroom Classicで現像して整えた画像

SCENE 03:アンダートーンで暗闇の印象を強く光跡をアクセントに

EL-5をクリップオンで使用して撮影した画像
EOS R6 Mark II/RF85mm F1.2 L USM/85mm/マニュアル露出(F1.2、1/125秒)/ISO 800/WB:5,500K/モデル:ell

How To Flash

スピードライトを発光して被写体の動きを止め、シャッターを切った後にカメラを動かしている。背景の信号機や街灯の光を光跡として表現した。

EOS R6 Mark IIのカスタムモードによく使用する露光量を登録しておいた。1/32を登録したC1で撮影。

How To Retouch

HSLの彩度を中心にアップして光跡の色みを鮮やかに仕上げる。アクアとレッドとイエローの3色がはっきりと出てくるように調整

HSL/カラー 色相
HSL/カラー 彩度
HSL/カラー 輝度

Lightroom Classicで現像して整えた画像

制作協力:キヤノンマーケティングジャパン株式会社