デジタルホビーから、メタボーンズ製の電子接点付きEマウント用EFマウントアダプターが発売になった。これはEFマウントおよびEF-Sマウントのレンズを、ソニーNEX上で絞りコントロールできるマウントアダプターだ。周知の通り、キヤノンEF/EF-Sレンズは電磁駆動絞りを採用しており、鏡胴に絞りリングがない。そのためマウントアダプター経由で使う際は、常時絞り開放で撮影するか、キポン製のような絞り内蔵アダプターを使う必要があった。それに対し、今回取り上げた製品は、EF/EF-Sマウントレンズの絞りをボディ側で電子制御できる。サードパーティー製マウントアダプターとしてはきわめて高機能な製品だ。
本製品を介してNEXシリーズにEF/EF-Sマウントレンズを装着すると、絞り優先AEの実絞りで撮影が可能だ。ボディ側の絞り操作デバイスで絞り制御でき、IS付きレンズに関しては手ぶれ補正も有効になる。また、EXIFにはレンズ名や絞り情報が記録され、AF動作しないという点をのぞけば、操作フィーリングは純正レンズに近い。メタボーンズのオフィシャルサイトによれば、キヤノン純正はもちろん、シグマやタムロンなど、EF互換マウントレンズもサポートするという。
これまで電子接点付きアダプターといえば、メーカー純正品かAFアシストチップを搭載したものに限られていた。電磁駆動絞りを本来の姿で動作させる本製品は、マウントアダプター業界にとって大きな前進といえるだろう。
■キヤノン EF 50mm F1.4 USM
EFマウントレンズの装着例として、EF 50mm F1.4 USMを試してみた。NEX-7は軍艦部のコントロールダイヤルで絞りを制御する仕様で、本レンズ装着時もコントロールダイヤルで絞り値を変更できた。ただし、電子制御とはいうものの、自動絞りではなく、あくまでも実絞りでの撮影となる。この点は一般的なオールドレンズと同様だ。MFアシストやピーキングも利用でき、快適な撮影が可能だ。
■キヤノン EF-S 18-135mm F3.5-5.6 IS
EF-Sマウントレンズの例として、EF-S 18-135mm F3.5-5.6 ISを試してみた。EF-SマウントはキヤノンのAPS-C機向けの規格だ。NEX-7の35mm判換算焦点距離倍率は1.5倍、それに対してEOSのAPS-C機は1.6倍だ。広角端でのケラレが気になるところだが、本レンズに関してはケラレなしで撮影できた。ただし、テストしたマウントアダプターが試作品だったため、ISの動作については確認できなかった。このレンズはいわゆるキットレンズなので、人によっては高級ズームとリプレイスして防湿庫で眠っていることもあるだろう。出番に少なくなったレンズを、NEXで再利用というのもわるくない。
【2012年2月28日追記】
デジタルホビーからファームアップ済みの製品が届き、EF-S 18-135mm F3.5-5.6 ISを付けて試用してみた。手持ち1/5秒(撮影時の焦点距離85mm)でブレずに撮影でき、ISの効果を確認できた。
■カールツァイス Planar T* 85mm F1.4 ZE
EFマウントはキヤノンが開発したマウントだが、キヤノン以外のメーカーからもEF互換マウントレンズが多数発売されている。その一例として、カールツァイスのプラナー T* 85mm F1.4 ZEを装着してみた。メタボーンズのオフィシャルサイトでは特に対応をうたっていないレンズだが、絞りコントロール、EXIFへの記録ともに、支障なく動作した。このレンズは開放で被写界深度が浅いこともあり、ピーキング機能でピントの芯を把握しやすい。EF互換マウントのレンズだが、NEXシリーズとも好相性だ。
2012/2/24 00:00