新製品レビュー
キーチェーン+引き当て式で大ヒット記録中のトイデジ「Kodak Charmera」
2026年1月27日 07:00
2025年末、明るい話題がそうは多くないカメラ界隈で突如として旋風を巻き起こした“トイデジ”があった。それは「Kodak Charmera」。
インターネット上はもちろん品切れ。写真店・家電量販店でも延々と入荷待ち→少量入荷→即完売を繰り返し、かなりの入手困難を極めたのだ。Kodak Charmeraはどのようなカメラで、なぜ人気があるのか。カメラの特徴、人気の背景、気になる描写などを検証してみた。
Kodak Charmeraはとにかくかわいい「雑貨的トイデジ」
まずKodak Charmeraは、写真店で販売されていなければ一見するとカメラとは気付かない。カメラでありながらブラインドボックスに入れられている「引き当て式」なのだ。
デザインは6種+シークレット1種。もうこの書き方からしてカメラではない。完全にキャラクターグッズやガチャガチャである。そしてカメラは手のひらサイズでキーチェーン付き。
「Charmera」という名称は「Charm」+「Camera」から来ている。近年、老若男女問わず(もちろん「若」が中心)バッグにぬいぐるみやキーホルダーをぶら下げているのを見たことがあると思うが、そんな使い方ができるカメラとして企画されたということは容易に想像が付く。
現在も月替わりくらいの感覚で人気のキャラクターが登場したり、また往年のキャラクターがリバイバルしているが、その中のひとつとして「Kodak」が多くの方のスポットを浴びたのだ。
往年のKodak110フィルムカメラをオマージュ
空前のガチャガチャブーム、キャラクターグッズブームに加えて、レトロブームもますます加熱している昨今。「Kodak」のデザインももちろんその対象であるし、Kodak Charmeraもキチンと過去のモデルにオマージュしたデザインとなっている。
元ネタは1987年発売の110フィルムを使ったレンズ付きフィルム初代機「Kodak Filing」。残念ながらその画像は入手できなかったが、検索をすれば簡単にヒットするのでデザインを見ていただきたい。Kodak Charmeraのパッケージに採用されているイエローベースのデザインは初代Kodak Filingのもの。そして、サイズこそKodak Filingよりも小さくなっているが、形状そのものも継承されている。
引き当て式+チャームであるというトレンドを抑えたという点に加え、しっかりと背景があるデザインであるという点も大ヒットに繋がったのは大きな要因だろう。
筆者も実際に写真店で購入したのだが、最初は5,000円超えの引き当て式は鬼畜だ! などと思っていたが、どのデザインが出るのかというわくわく感はもちろんありつつ、この価格帯になると「出たものを愛でる」という感覚にスッと切り替わる自分がいて、少しだけホッとした。
Kodak Charmeraの外観デザイン
外観デザインは6種+シークレット1種。Kodak Filingオマージュのものをはじめ、80~90年代のフィルムパッケージ的カラーリングのもの、80年代を彷彿とさせる単色カラーのデザインなど、レトロな「あの頃」の雰囲気を味わえるデザインとなっている。おそらく完全なオマージュデザインはイエローのもののみだと思われる。
Kodak Charmeraのスペック
ボディの外形寸法は80×24.5×20mm、重量は30g。撮像素子は1/4インチCMOSセンサー、レンズは35m判換算35mm相当でF2.4と発表されている。画素数は約160万画素。メモリーカードはmicroSDカード(1GB~128GB/別売り)、USB Type-Cケーブルで充電とデータ転送も行える。
ガラケー時代のカメラ、古いWebカメラに近い画質スペックではあるが、それは意図したものでセールスポイントのひとつ。しかしUSB Type-C充電など使い勝手は悪くない。背面モニターもあるが、これは設定の変更と簡易的な確認ができる程度のもので、その不便さも楽しいはずだ。
Kodak Charmeraの写り。7種のフィルターと4種のフレーム
さて、もっとも気になる描写だが、これはなかなかのすごさ(笑)。
フィルムカメラ→フィルムコンパクト→写ルンです→オールドデジカメと最近のレトロブームは推移してきており、近年はデジタルレトロこそがレトロ最前線だが、Kodak Charmeraの場合、デジタルレトロを通り越しているというか、これはいつの時代の粗い描写だ? というくらいの写りをする。
これは本当に褒め言葉であるし、センサーサイズの小ささを考えれば当然のこと。スマホ+アプリのフィルターなどですら再現することができない低解像度な写りをしてくれる。しかし、最近見かける×××円均一のお店で見つかるトイデジ、二眼レフモチーフのトイデジなどと比べると、曲がりなりにもKodak銘を冠しているだけあり発色などはニュートラルで使いやすい。
デフォルトの状態である「スタンダード」に加えて、「ウォームトーン」「クールトーン」「モノクロ」「ピクセルフィルター赤/青/黄/グレー」の7種のフィルター、そしてフィルムパーフォレーションフレーム、画像処理ソフトフレーム、スタンプフレーム、カメラ背面モニターフレームの4種のフレームを搭載。フレーム選択時はスタンダードの色が適用される。
個人的にはフィルムパーフォレーション風のデザインはレトロ感が増すので使いやすく感じた。粗い画像がフィルムの中に収まることでかわいらしく見える。
レトロデジカメ風の動画のおもしろさ
私はオールドデジカメのムックを手がけた経験があり、そのときも画素数が低いデジカメは動画こそがおもしろいと感じたが、Kodak Charmeraのムービーも相当にレトロでおもしろい。
押し入れなどから出てきたホームムービーかと錯覚してしまう。音声も収録されるが、敢えて音声を切ると、さらにレトロ動画感が高まるはずだ。動画の詳細なスペックは公開されていない。
Kodak Charmeraは執筆時点は引き続き品薄状態が続いている。この売れ行きであれば、シリーズ2などもおそらく登場してくるはずだが、先ほどは「引き当てたものを愛でる」と書いたものの、シリーズ2が出れば今度こそ狙ったデザインを出すぞ、という意気込みで買うことが容易に想像できる……。
こんな買い方と楽しみ方ができるカメラの登場は素直に喜ぶべきことだし、カメラを持たない世代が“カメラを敢えて持つ”ことをしているという点は、写真界隈で生きる筆者にすると素晴らしいことだと感じる。だからこそ、臆せずスマホやバッグにKodak Charmeraを付けて日常を楽しんでいこうと思っている。





























