ミニレポート

ソニーα7 IIIの“小指余り“解消に大満足のL型ブラケット

SmallRig「2122D」

今回は、最近購入したSmallRigの新製品となるL型ブラケット「2122D」を紹介する。本当によくできていると感心したアイテムだ。対応機種はα7 III、α7R III、α9。実勢価格は税込み7,000円前後となっている。

ソニー「α7」シリーズのボディが小さすぎて持ちにくいというのは、多くのユーザーにとって共通の問題のようで、よくそういった声を耳にする。筆者もα7 IIIを手にして以来、それまで使っていた一眼レフカメラよりも頼りないグリップ感に「なんとかならんかな……」という思いはあった。

α7 IIIのボディは普通に握るとグリップから小指があぶれてしまう。それが持ちづらいので、小指も掛かるように少し上寄りにグリップを持つようにしていた。だが、そうするとボディ背面の右下部分が手のひらに食い込む感じで、とくに重めのレンズを付けたときなどは具合が悪かった。

ソニーの縦位置グリップは解決策になりそうだったが、普段使いには大きすぎると断念。他に純正品では「グリップエクステンションGP-X1EM」というのもあって、小さくてよさそうだったが、装着状態ではバッテリー交換ができないことや三脚にも付けられないのが使いにくそうで、購入には至らなかったのだ。

参考:ソニー純正の「グリップエクステンションGP-X1EM」装着例

改良を重ねた4代目が登場

そうこうしているうちに、中国のSmallRig(スモールリグ)というメーカーがα7 IIIに対応するグリップを出していることを知った。正確にはグリップではなくいわゆるL型ブラケットなのだが、ベースに厚みがあるのでグリップの役割もこなせると思ったのだ。それが「2122」という製品だった。α7 IIIのほか、α7R IIIとα9にも使えるようだ。

ざっと機能を説明すると、アルカスイスタイプの溝を備えたプレートが底面と側面片側にあり、雲台に素早く装着できる。L型ブラケットは縦位置にしても光軸があまりずれず、また重心も偏らないので安定して撮影できるのが特徴だ。

2122自体は以前からあるアイテムだが、このほどリニューアルされて「2122D」という最新版になった。製品ページを見たところ良さそうだったので、さっそく購入したという次第だ。

このアイテムは「2122」→「2122B」→「2122C」→「2122D」とモデルチェンジしており、2122Dはなんと4代目。同じカメラ用にこれだけ改良を加えているアクセサリーはなかなか珍しい。

2122Cまでは底部が一体型で、カメラのバッテリースロットのフタを開けた際のスペースを確保する関係で、グリップの延長になる部分がカメラのそれよりも膨らんでいた。それがちょっと持ちにくいのではないかと感じていて、購入は見送っていた。

そこで“Dタイプ”なのだが、新しくバッテリースロット下の部分が折り曲がるように設計が変わった。これによってカメラ本体のグリップと同じ形状が実現された。実際に握ってみるとカメラ本体との一体感が素晴らしく、はじめからそういう形のカメラなのではないかと思うほどよくできていた。ブラケット底部の厚みは2cmあり、筆者の場合は手のひらに食い込む問題もだいぶ軽減された。

指の腹が乗る部分が、カメラ本体とほぼツライチになった
側面の形状も本体にピッタリ合っている

ヒンジ部分は背面のボタンを押すと曲げることができ、スムーズにバッテリーを出し入できる。バッテリースロットのフタは、本来動く位置まで開いてくれる。ヒンジ部分は、戻すと自動的にロックがかかり固定される仕組みだ。

ボタン操作により、バッテリースロットにあたる部分が折れ曲がる仕組み

可動部分なのでガタつきがあったら嫌だなと、じつは購入前に心配していた。ところがそのような心配は無用だった。かなり精密に作られているようで、全くガタがなかった。おそらく、従来の一体型モデルとほとんど同じ剛性感があるのではないかと思う。

「簡易リグ」としての拡張性も

カメラへの取り付けは三脚ネジ穴を利用する。この時ネジを回す工具(マイナスドライバー)が磁石で付いているので便利だ。なかなか強力な磁石が3つ付いているので、使用中に落ちてしまうことはなさそうだった。

側面のプレートにも工夫がある。まず、底面のネジを緩めるとボディとの間隔を広げられ、コネクタのクリアランスを確保することができる。

また、側面のプレートには1/4ネジが4つ付いているので、オプションでコールドシューアダプターやアームなどと組み合わせていろいろなアクセサリーを付けられる。動画撮影でマイクやら外付けモニターやらを付ける際に、簡易的なリグとしての拡張性があるのは便利である。

ホットシューが埋まっていても、別のアクセサリーを追加できる

なお、側面のプレートは、下のネジを外すと取り外すことができる。単にグリップとして使いたい場合などは、外して軽量化できる。

購入時は型番に注意

感想を言えば、買って大正解だったというのが正直なところ。これだけ多機能でありながら、比較的買いやすい価格なのもいい。グリップ兼用になるL型ブラケットとしては、ほとんど決定版なのではないかとさえ思っている。重量が245g±5gとのことで少し重くはなるが、持ちやすさには代えられない。そのため、三脚を使わないときでも付けっぱなしで使用している。

ストラップホールが2つあるので、縦づりなど付け方の自由度が高まる

ところで、SmallRigというメーカーは改良熱心なのは良いのだが、大きくリニューアルしても同じ型番を使ってしまうので、製品の世代がわかりにくいという問題がある。今回で言えば、B/C/Dと記号が付いてはいるのだが、公式サイトでもこの記号を大きく明記しておらず、通販サイトでも単に「2122」としか書いていないところも見受けられる。まだ旧型を販売しているサイトもあるので、購入時は型番が「2122D」であることや、グリップの下部が折れ曲がる仕様であることを確認しておきたい。

1981年生まれ。2006年からインプレスのニュースサイト「デジカメ Watch」の編集者として、カメラ・写真業界の取材や機材レビューの執筆などを行う。2018年からフリー。