気になるデジカメ長期リアルタイムレポート
キヤノンEOS M【第5回】
撮影時の情報表示と操作についてのあれこれ
(2013/1/17 00:00)
EOS Mも含めたライブビューカメラでは、撮影時の画面上にいろいろな情報やアイコンが表示されるわけだが、モニター画面は被写体を見るためのファインダーでもあるわけだから、あまりごちゃごちゃいっぱい出てくるのは好ましくないと思っている。
EOS Mの場合、撮影時の画面表示は3種類あって、ひとつは測距点のフレームだけのもの。それから露出情報やモード表示付きのもの。あと、いろんな機能のアイコンまで表示されるものがある。使用説明書にはそれぞれの名称は見当たらないようなので、勝手に「表示なしモード」、「簡易表示モード」、「詳細表示モード」と呼んでいるが、簡易表示モードでも撮影モードやクイック設定、タッチシャッターのアイコンはずっと表示されている。これがけっこううっとうしい。
クイック設定は十字キーの中央ボタン(Q/SETボタン)で呼び出せるのだから、筆者個人としては、わざわざモニター画面にまで表示する必要はないと思っている。画面左下のタッチシャッターのアイコンも個人的には消したい度が高い。もちろん、タッチシャッターを好んで使う人にとっては表示されていてしかるべきだろうけれど、そうでない人(筆者はこちらに属する)にとっては、モニター上にアイコンがあること自体が腹立たしかったりするのである。
なにしろ、タッチシャッターのアイコンは触れるだけでオンオフが切り替わる仕様である。メニューでオフにしていても、気づかないうちに触ってしまってオンに切り替わっていることがちょくちょくある。測距点を移動させるつもりで画面に触れたとたんにシャッターが切れる、なんてことが起きるとついイラッとしてしまう。
もちろん、こんなのはトラブルとはいえないレベルの小さな問題であって、いちいち目くじらを立てるものではないと頭では理解しているが、この先も、この小さな問題に幾度となく遭遇するのは目に見えていて、そのたびにため息をついたり舌打ちをしたりして消去ボタンを押さないといけないのだよなぁと思うと、ため息が漏れてしまうのでありますよ。
といって、不要なアイコンを任意に非表示にできるようなオプションはない。表示なしモードならタッチシャッターのアイコンもクイック設定のアイコンも消えてくれるけれど、シャッター速度や絞り値とかまで消えてしまうので不便である。などと考えつついじっていたら、どうもそうでもなさそうな感じがしてきた。
表示なしモードでも、シャッターボタンを半押しすると、撮影可能コマ数と連写可能コマ数、シャッター速度の絞り値に露出補正値、それからISO感度は表示してくれる。半押し状態を解除すると消えてしまうものの、露出関連のデータを確認するには十分だ。電子ダイヤルを回すと、絞り優先AEなら絞り値が、シャッター優先AEとマニュアル露出ではシャッター速度が変更できる。操作終了後も3秒ほどは表示が残ってくれる。ふむふむって感じである。ただし、プログラムAE時はちょっとダメ。電子ダイヤルを回してのプログラムシフトは可能だが、表示が出てくれない。回して半押ししてという作業を繰り返しやれば使えなくはないけれど、便利とはいいがたい。
今度は右キー(露出補正ボタン)を押してみる。そうすると、電子ダイヤル操作で露出補正が可能な状態で、さっきと同じ表示が出る。これもやっぱり3秒ほどで消えるが、表示が出ているあいだに画面上のアイコンにタッチしてみたら、これもばっちり。絞り優先AEなら絞り値と露出補正値のほかにISO感度のアイコンが表示されているのだが、ISO感度のアイコンに触れると、ISO感度の帯が出て左右キーやタッチで設定を変更できる画面(これも勝手に「帯表示」って呼んでる)に切り替わってくれる。ちなみに、この帯表示の場合、無操作で表示が消えるまでの時間はだいたい6秒だった。
まあ、冷静に考えれば当たり前の動作なのだけれど、こちらとしてはジャストばっちり好都合。露出の設定は不自由なくできるし、タッチシャッターや撮影モード、クイック設定のアイコンは消えている。願ったり叶ったり状態なのだ。とりあえず、これでしばらく使ってみようと思う。
一応書いておくと、ISO感度は下キー(消去ボタン)に割り当てることもできるが、そうすると測距点を中央に戻す方法がなくなってしまう。EOS Mでは測距点移動はタッチ操作オンリーだから、ねらったところに正確に移動させるというのが難しい。おおざっぱにだいたい中央に戻せればいいよって人にはいいだろうが、ぴったり中央じゃないと落ち着かないものだから、下キーは中央リセットに使いたい。なので、ISO感度を下キーに割り当てる案は却下である。
さて、お次は撮影モードの変更だが、これはさすがに表示なしモードのままでは無理。でも、インフォボタンをひと押しするとインフォクイック設定に切り替わるので、そこからなら撮影モードは変更できる。あらかじめクイック設定画面で撮影モードを選択した状態にしておけば、インフォボタン→電子ダイヤル→シャッターボタン半押し、またはインフォボタン→中央ボタン→左右キー→シャッターボタン半押し、という流れで撮影可能な状態に戻ってこられる。手数が少ないのは前者のほうだが、後者のほうが選択肢を見ながら操作できるので確実だ。
残念なのは拡大表示機能へのアクセスが悪くなること。拡大アイコンが表示されないので、インフォボタンを2回押して拡大アイコンにタッチしてピントを合わせたりして、全画面に戻ったらまたインフォボタンを2回押して表示なしモードに戻る、という手順を踏まなきゃいけないので面倒くさい。もっとも、拡大機能を使うのは三脚+MFで撮るケースが多いと思うので、我慢できなくはない範囲ということにしておく。
ISO感度や撮影モードの変更操作の手数が増えてしまう分、多少まどろっこしく感じられる部分はあるとはいえ、気づかないうちに設定が変わってしまう心配がないほうがずっといいし、なによりアイコンのないすっきりした画面が見られるのが気持ちいい。個人的にはEOS Mの電子ダイヤルは径が小さくて使い勝手がいまいちに感じられるので、露出補正も、右キーを押して電子ダイヤルを回す通常の操作よりも、右キー→露出補正アイコンにタッチ→左右キーで補正、のほうが操作の確実性は高い(あくまで個人的な感想のレベルですよ)。このあたりも、素早い操作を優先するか、確実さを重視するかの問題なので、そのときどきの気分次第で使い分ければいいかと考えている。
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