Leofoto FIELD REPORT 三脚のある美しい写真

自由なアングルで挑む一脚ポートレート

土屋勝義さんの撮影をサポートするカラフルな一脚「MPQ-325C」

アジサイと浴衣姿をしたモデルの撮影を毎年行っている。一脚なら簡単にポジションを動かせるので、最適なバランスでアジサイを配置できる(モデル:木谷有花)
キヤノン EOS R5/RF85mm F1.2 L USM DS/85mm/絞り優先AE(F1.6、1/250秒、+1.0EV)/ISO 100/WB:オート

雑誌や広告の分野でポートレート撮影を手掛けている土屋勝義さん。トレードマークとも言えるのが、いつも持ち歩いている一脚だ。一脚が土屋さんの撮影をいかにサポートしてくれるのか、最近愛用している一脚「MPQ-325C」の魅力とともに解説してもらう。

土屋勝義

1963年、東京都築地生まれ。東京工芸大学短期大学卒業後、六本木スタジオを経て、1986年より篠山紀信氏に師事。1989年に独立。雑誌・広告などでタレント、アーティストのポートレート撮影を手掛ける。

※本企画は『デジタルカメラマガジン2023年7月号』より転載・加筆したものです。

抜群の機動力でカメラを支える私の相棒

ポートレート撮影に、なぜ一脚が必要となるのか。多くの人は疑問に思うかもしれない。だが、私はまるでステッキのようにして常に持ち歩いている。

一脚を使う利点は、何よりもそのフットワークの軽さにある。三脚を使用したときのような長時間露光こそできないが、一度設置してしまうと構図を大幅に調整しづらい三脚に対して、一脚ならば機敏に撮影位置を変えながら最適な構図を探し出すことができる。その自由度とブレ対策の両面をフォローしてくれる。

MPQ-325C
価格:3万360円(税込)/伸長:1,650mm/収納高:473mm/段数:5段/最大脚径:32mm/雲台取付ベース径:54mm/耐荷重:15kg/質量:500g/カラー:ブラック、カモフラージュ、グリーン、ブルー、レッド

ポートレート撮影では中望遠から望遠域のレンズを使用することも多いが、シャッターボタンを押す際に上から下に力が入り、それがブレの原因になることがある。一脚は特に上下方向のブレをカバーしてくれるので、光量が落ちてくる夕方でも、シャッター速度を稼ぐためにISO感度を無理に上げる必要がなくなる。動感を出すために1/8秒や1/15秒などの低速シャッターを切りたいときも、一脚でカバーできる範囲だ。

背後に入る玉ボケは車のライト。一脚で構図を決めて、車が通るタイミングを待った。シャッター速度が落ちる夕方は一脚の出番が多くなる
キヤノン EOS R3/シグマ 135mm F1.8 DG HSM|Art/135mm/絞り優先AE(F2.8、1/125秒、+0.7EV)/ISO 400/WB:オート

私が愛用しているレオフォトのMPQ-325Cは、カーボン製の最新型一脚。この一脚は防水なので海辺や川辺にも持ち出せる。浅瀬に立てて撮影することができるので、アウトドアでの撮影にも欠かせない。グリップやロック部分などの操作部には滑りにくい素材が使用されているので、取り回しが良くて、一脚の強みであるセッティングの俊敏性をさらに高めてくれる。

パイプ内部への水の侵入を防ぐ防水機構を採用しているので、天候やロケーションを選ばずに使用可能だ。また、ロックナット部分には、シリカゲルマットが装着されていて、ぬれた状態でも滑りにくく、しっかりとロックできる

MPQ-325Cで特に気に入っているのが、カラーバリエーションの豊富さだ。従来の一脚は黒い製品が多くぶっきらぼうな印象を与えがちだが、MPQ-325Cは黒とカモフラージュのほか、赤、青、緑と鮮やかなカラーもラインアップ。洋服などに合わせてファッショナブルに持ち歩くことができる。

ポートレート撮影はモデルと一緒に撮影現場の雰囲気を作り上げていくので、気分が上がるカラーリングはうれしい。私が選んだモデルは青で、目立つ色を利用して視線を向けてもらう方向の指示や立ち位置を指定するなど、撮影外でも活躍している。

ブルーやレッドなどカラフルなモデルのほかに、ブラックやカモフラージュ、グリーンなど落ち着いた色もラインアップされている

モデルとなってくれる女性たちの記憶や思い出に残る1枚を撮影したい。このユニークな見た目のMPQ-325Cは、単なる撮影のアシストだけでなく、コミュニケーションツールとしても役に立ってくれて、楽しい撮影のひとときを演出してくれる。

下に置いたレフ板の反射とシネマディフュージョンフィルターの効果で、白くにじませるような効果を作り出した。135mmの望遠域でも一脚なら構図が安定する(モデル:鎌田ありさ)
キヤノン EOS R3/シグマ 135mm F1.8 DG HSM|Art/135mm/プログラムAE(F2.8、1/200秒、+1.0EV)/ISO 100/WB:オート

防水仕様でカラフルな次世代型一脚

軽量性と堅牢性を兼ね備えた10層のカーボンファイバーチューブを用いた5段一脚。カモフラージュを含む全5色のカラーバリエーションで、見た目の好みに合わせてチョイスできる。防水処理が施されているほか、ぬれた状態でも操作しやすいように、グリップのロックナット部分には滑りにくい素材が使われている。

リストストラップは360°の回転式なので、どんな持ち方をしてもストレスなく携行可能だ
グリップ部にも耐水で滑りにくい素材を採用している。ぬれた手で持っても操作がしやすい
台座のネジにも工夫があり、ネジの外側部分を押し込むと、中に細ネジが現れる仕組みとなっている。この仕様によって、1/4インチ(細ネジ)と3/8インチ(太ネジ)の両方のネジ穴に対応し、組み合わせる機材を選ばない
最大で1,650mmまで伸ばせるので、十分に高さを確保できる

制作協力:株式会社ワイドトレード

土屋勝義

1963年、東京都築地生まれ。東京工芸大学短期大学卒業後、六本木スタジオを経て、1986年より篠山紀信氏に師事。1989年に独立。雑誌・広告などでタレント、アーティストのポートレート撮影を手掛ける。