デジカメアイテム丼
Deff「TRAVEL BIZ」
ありそうでなかったデジカメユーザー向けUSB巻き取りケーブル
Reported by 本誌:折本幸治(2014/5/7 18:27)
「Deff」(ディーフ)という国産ブランドがある。デジカメ Watchの読者なら、レザーケースやグリップ製品でご存知かもしれない。こちらのストラップでも知られる新興のデザインブランドだ。
今回紹介するのは、そのDeffでも変わり種のアイテム。一見するとよくあるスマートフォン用のUSB巻き取りケーブルなのだが、デジタルカメラユーザーを意識したユニークな製品となっている。
「TRAVEL BIZ」は、一方にUSB A端子、もう一方にmicro USB端子を備えたUSB巻き取りケーブル。ここまではAndroid用として良く見かける製品と変わりはないが、さらにmini USB平形8ピン端子、しかも平形8ピンが枝付けされているのがミソ。
micro USB端子はご存知だろう。mini USB端子の進化版として登場、Androidスマートフォンなどに搭載されてから爆発的に普及している。デジタルカメラでもソニーなどで採用例があり、USB充電が可能な機種も多いことから、スマートフォンとケーブルを共用できる点で評価が高い。モバイルバッテリーひとつあれば、デジタルカメラとスマートフォンの両方を1本のケーブルで充電できるわけ。
一方、mini USB平型8ピン端子はUSB 2.0規格に準じたもので、一部のデジタルカメラ(シグマ、ニコン、パナソニックなど)で採用されている。先に普及したmini USB Aやmini USB Bと異なり、デジタルカメラ以外での採用はあまり見かけない。
とはいえデジタルカメラでは一定のブランドで採用例があり、中にはUSB充電に対応する機種も見られる。となるとノートPCやモバイルバッテリーからの充電が可能であり、micro USB採用モデルと同様の運用が可能というわけ。ただしサードパーティ製のケーブルを市場で見かけづらく、結局、カメラ付属のケーブルを大事に使うしかなかったのが現状だ。特に、可搬性に優れる巻き取り式のケーブルは見たことがない。
つまりTRAVEL BIZは、mini USB平形8ピン端子を搭載するデジタルカメラと、micro USB端子を持つデジタルカメラ(またはスマートフォン)のどちらにも対応する巻き取りケーブル。意外にも、ありそうでなかった製品といえる。
micro USB→mini USB平形8ピンへのコネクタの変換は、枝付けされている端子をかぶせるだけと簡単。かつて同様の変換ケーブルが存在したと記憶するが、同時にデータ転送、あるいは充電を行なわないなら、2本のケーブルを持ち歩くよりスマートだろう。
もっとも、mini USB平形8ピン端子のデジタルカメラのすべてがUSB充電に対応するわけではない。その場合はデータ転送専用になってしまうが、SDカードスロットを搭載しないノートPC(MacBook Air 11インチなど)との運用を考えると、それなりに役立ちそうだ。
もう1点。収納に便利なことから、この手の巻き取りケーブルは私も愛用している。が、とにかく良く断線するイメージがある。そのため出張のときは、必ず2本用意する。TRAVEL BIZは一般的な巻き取りケーブルよりも大柄だが、その分造りは良い。ケーブルの引き出しもスムーズで、枝付け部にももろい印象はない。何よりも線材が太く、見た目に断線しにくそうなのは心強い。ケーブル長が60cmと短めだが(最近は70cmの製品が多い)、線材の太さを考えるとそれも仕方がないかと思える。
直販価格は税込1,380円。よくある巻き取りケーブルが800円程度なのを考えると少々割高だが、mini USB平形8ピン端子を備えたデジタルカメラ、しかもUSB充電に対応しているデジタルカメラ(COOLPIX Pシリーズなど)のユーザー、加えてAndroidユーザーなら、その価値をわかってもらえると思う。デザインもシャレているので、一考してみてはいかがだろうか。