デジカメアイテム丼

360°カメラを「コンパクトデジカメのように」使うには?

ありそうでなかったInsta360の「X5 撮影グリップ」

360°カメラは以前より知られた存在になりつつあるが、それでも特殊なカメラであるため、活躍の場は限られてくる。

今回ご紹介するのは、そんな360°カメラ「Insta360 X5」をコンパクトデジタルカメラ風に使用できるアクセサリー「X5 撮影グリップ」である。

撮影グリップ単体の価格は、Insta360公式サイトで8,800円。カメラ本体のカラーに合わせて、ブラック/ホワイトがラインナップされている。

斬新な撮影体験

グリップは本体底面の三脚ネジ穴に固定し、電気的にはUSB Type-Cケーブルでカメラと接続する。グリップが斜めになっているのは、ワイド画角での手の写り込みを軽減するためのデザインであると考えられる。

カメラの電源を入れると自動的にグリップを認識し、シングルレンズ写真モードで起動する。スナップ写真撮影に特化した仕様といえるだろう。

実際に使ってみても大きな違和感はない。とはいえ、本来縦にして使うInsta360 X5を横に構え、グリップ側のシャッターボタンで撮影する体験は斬新だ。

多彩なアスペクト比を利用可能

写真撮影の設定では、スタイルボーダーやウォーターマーク(InstaFrame)を追加でき、ピクチャーフィルターも選択可能で、編集不要でフィルムライクな写真撮影が楽しめる。

2.35:1は2025年冬のアップデートでInsta360 X5に追加されたアスペクト比で、映画業界で長年使われてきた「シネマスコープ(CinemaScope)」規格に由来する。従来の360°カメラでは難しかった「映画のような横長構図」を、カメラ内で直出しできる点が特徴である。

2.35:1 ミニマルフレーム NCフィルム

その他、横位置の16:9、縦位置の9:16、正方形の1:1にも切り替え可能である。

16:9 シグネチャーフレーム モノクローム

9:16撮影時に縦位置に構えると、グリップがあるため自然とこの形がしっくりくる。

9:16 ミニマルフレーム ノーマル
1:1 フレームなし ノーマル

カメラとして見た場合、顔優先測光やマニュアル露出、RAW記録にも対応するなど、機能的には一般的なコンパクトデジカメとそれほど遜色がない。

なお、360°カメラ特有の水平維持機能も利用できるので、手持ち撮影でも正確な水平撮影が可能な点は特筆できる。

注意点

基本的にシングルレンズ写真モードで使用する設計となっているが、グリップを装着したままでも360°モードや動画撮影モードなどに切り替えることは可能である。ただし、グリップを握る手が大きく映り込むことに注意が必要だ。

また、Insta360 X4 Airにも接続自体は可能だが、手動でモードを切り替える必要があるほか、2.35:1のアスペクト比やクリエイティブ要素には対応していない。

Insta360 X4 Air

そもそも横位置のUIに対応していないため、9:16か1:1の画角で使用するのが良さそうだ。フル機能を使用するにはX5が推奨される。

また、Insta360 X5を横位置で使い、マニュアル露出などで撮影したいときは、画面を右からスワイプする必要がある。そうなるとこのグリップは、急に使いづらいものになる。用途としては、オート中心の気軽な撮影が主になると考えられる。

まとめ

Insta360 X5はそもそもレンズが超広角(魚眼)であるため、スチルカメラとしての用途は限られてくるだろう。もともと超広角レンズでスチル作品を制作しているユーザーや、静止画にシネマライクなルックを求めるユーザーに適しているのかもしれない。

とはいえ360°写真とは異なるワイドアスペクトでの撮影が新鮮であり、Insta360 X5の用途を広げるアクセサリーとして面白いアプローチだ。

わっき

デジタル・コンテンツ・デザイナー/パノラマ写真家。1999年にフリーランスとして独立。テレビ/映画/ゲームなど幅広い分野の映像制作を手がけ、現在はYouTuber、動画レポーターとしても活動中。