今回紹介する製品は、銀一がGrip Swany(グリップスワニー)ブランドと協業してできたカメラストラップ。Grip Swanyは、バイクやアウトドア用グローブの老舗で、カメラアイテムとしては初の製品化となる。
発売日は11月29日。当初は限定生産のためすぐ売り切れたものの、現在は増産しており、20日現在、銀一オンラインショップで購入可能だ。
Grip Swany GST-1 |
Grip Swanyについては、こちらを見てもらうのが良いだろう。アウトドア用グローブとしては良く知られた存在で、へビーデューティーなイメージと手を動かしやすい裁断、そして「スワニーイエロー」と呼ばれる伝統のステアハイド素材が特徴だ。
カメラストラップはイエローの「GST-1」とブラックの「GST-2」が用意されている。GST-1イエローの見た目は、まさにGrip Swanyのグローブを思い起こさせるもので、ステアハイド素材の首当てや、ケブラーを用いた縫製糸など、本家Grip Swanyの特徴を受け継いでいる。
首当て部分の幅は25mmと細い。これは首にかけるというよりは、手に巻いて使用することを前提としたためだ。小型軽量なノンレフレックスカメラの場合、右手でグリップを持ったまま移動する人を見かける。デジタル一眼レフカメラでも首からさげることに抵抗を感じる人もいるだろう。そうした使い方を好む人にはぴったりのストラップといえる。
Grip Swanyのロゴ入り収納袋が付属 |
手に巻く場合で重要なのは、首当て部分がいかにしなやかで柔らかいか。本製品の首当て部はごわつくことなく、手にくるくると巻いたときの使い心地はなかなかのものだ。なお、手巻きスタイルを想定した製品だが、長さはは98〜128cmの範囲で調整できるので、首にかけることも可能だ。
肩当ては革素材と布素材のリバーシブルになっている。私は手に巻き付けるときは滑りにくい革側、首からさげるときはシャツの衿で適度に滑る布側と使い分けている。
手に巻いたところ。最近知ったのだが、こういう巻き方にはかなり個人差があるらしい | しなやかなので、バッグへの収納時はカメラボディやレンズに巻き付けておける |
革素材の風合いも素晴らしく、銀一では「手に巻くことで色つやが増し、年月とともに深い味わいに変化して行きます」と説明している。私のGST-1もこれから長く使い続けたいと思う。
その代わりコーティングなどの表面加工は最小限に抑えられており、一般的な革製品より色落ちや色移りする可能性が高い。白や淡色系の衣服と組み合わせる場合は注意が必要だ。水ぬれの影響も受けやすいため、定期的にレザー用のオイルで手入れするのも良いだろう。お手軽とはいい難いところはあるものの、高品位な天然皮革ならではの手間だと考えれば楽しめないこともない。
首当ての表と裏。左からGST-1イエロー、GST-2ブラック |
面白いのは、余ったテープを留めるためのリングが計4つ付属すること。手に巻くため、ユーザーがストラップ長を短くすることを見越した結果なのかもしれない。リングも首当てと同じイエローの革製で、アクセントとしても面白い。また、リングが大きいので、リングにテープを3回通す、いわゆる「ニコン巻き」(またはプロ巻き。誰か正式名称を教えてください)も可能だ。
革製の付属リングを2つ使った状態。余ったテープを留めるのに使える | いわゆる「ニコン巻き」(プロ巻き)も可能 |
なお、カメラに取り付けるテーブの幅は、一般的なデジタル一眼レフカメラに対応するタイプ。リコーGXRやパナソニックLUMIX DMC-GF2など、アイレットの幅が狭いカメラには取り付けられないので注意して欲しい。また、細身なので、フルサイズ級のデジタル一眼レフカメラなど、重い機材での使用には向いてないと思う。
私のGST-1は、数回使うと肩当先端の側面が毛羽立ってきた。最初はぎょっとしたが、これもまた、他のストラップにないワイルドなイメージにつながっているように感じられ気に入っている。Grip Swanyが好きな人や、レザー製品の質に凝る人は、ぜひ購入を検討してみて欲しい。
首にかけた場合の例。GST-1イエロー | こちらはGST-2ブラック |
2012/2/20 00:00