拝見!プロのカメラバッグ
川上尚見さん:プロが愛用する意外なブランドとは?
“Amazonカメラバッグ”で快適に仕事をこなす
(2014/12/3 09:00)
プロのカメラバッグを紹介する本コーナー。今回は、料理関係の書籍やライフスタイル系の雑誌などで活躍中のフォトグラファー川上尚見氏のバッグに迫る。
川上氏は東京の生まれ。最初はフォトグラファーになろうとは考えていなかったそうだが、高校時代に写真で賞を取ったことで写真に強い興味を持つようになる。カメラ雑誌を読むうちに、中平卓馬氏や森山大道氏らのドキュメンタリー写真に感銘し、自分もそうした作品を撮りたいと、フォトグラファーの道に進むことを決めた。
日本大学 芸術学部写真学科に進み、当時教授をしていたフォトジャーナリストの三木淳氏に師事。卒業後はいろいろな世界が見たいと、テレビ局のカメラマンやグラフィックデザインの仕事もした。「結局写真が好きなんだと気づき、アシスタントをしながら写真の仕事を覚えていきました」。
実績を積み上げる中、仕事とは別に作品撮影のためイタリアにも行った。「よりよい写真を撮るには、もっと上の仕事をしなければならならないと考えたからです。ローライフレックスでモノクロ作品を撮りました。その写真を趣味系の雑誌に持ち込んだところ採用され、以降そうした撮影にシフトしていきました。このときの作品は写真集アプリ(ITALY編、FLANDRE編)になっています」
以降、海外での作品撮影も続けながら現在の仕事を行っている。
現在メインで使っているのは「Amazonベーシック デジタル一眼レフカメラ用バッグ ブラック」だ。このブランドはアマゾンのプライベートブランドで、比較的安価にカメラ用品をラインナップしている。
下の写真のようにデジタル一眼レフカメラ一式が入る仕様で、2,780円と安価だ。川上氏は最初、カメラバッグが欲しいという息子さんのために購入したそうだが、自らも気に入り自分用にも購入。もう2年間使っているそうだが、耐久性も問題ないとのこと。「13型のMacBook Proも入ります。このセットなら電車で移動するのも楽です。同じバッグを予備として購入済みなんです」とかなりのお気に入りだ。
一眼レフのほかに、サブカメラとしてEOS Mも使用している。「ロケのサブカメラとして買ったのですが、純正のマウントアダプターもしっかりしていて、予想以上によかった。手持ちのEFレンズが1.6倍の焦点距離で使えるのも気に入っています」とのこと。EOS Mの収納には100円ショップのポーチを使っている。
川上氏が最初に使っていたは、当時プロの定番だったテンバ(オールドテンバ)のバッグ。「取材の撮影では一番使いやすかったですね。ほかに、ゼロハリバートンも使っていました。内部のスポンジを機材に合わせて自分でくりぬいていました。開くとレンズが並んでいて取り出しやすいんです」とのこと。当時は645判、66判、67判など中判カメラを使用していたため、バッグも大きなものだったそうだ。移動が車だったこともあり、ハードケースではペリカンも愛用していたとのこと。
その後、デジタルカメラを使うようになってドンケを購入。J-1、J-2、J-3と大きさ別に揃えた。「テンバに比べると、最初は少し心許なく思えましたが、使いやすいバッグです。機材を取り出しやすいのがいいですね」。
フィルムからデジタルになり機材が大幅に減った、という話は川上氏に限らずいろいろなフォトグラファーからよく聞く。フィルムがなくなりバッグ1つで仕事に向かうフォトグラファーも今は少なくない。
フォトグラファーにとってもバックパックは人気があるが、Amazonベーシックのバッグを使っているプロに出会ったのは初めてで驚きがあった。何しろ非常に価格が安いので、本当に使い物になるのか筆者も半信半疑だった。しかし今回、プロが2年間使い込んだバッグを拝見して、Amazonベーシックの良さを知ることができたのは大きな収穫だった。
http://naomikawakami.com/
川上氏が撮影を担当した近著「四時から飲み―ぶらり隠れ酒散歩―」
http://www.shinchosha.co.jp/book/602253/
写真集アプリ「ITALY 1985-1990」
https://itunes.apple.com/jp/app/italy-1985-1990/id346695695?mt=8
写真集アプリ「FLANDRE 1996-1997」
https://itunes.apple.com/jp/app/flandre-1996-1997/id346700405?mt=8