デジカメドレスアップ主義

ホールド感抜群のグリップスタイル

FUJIFILM X-E1 + Summilux 50mm F1.4

  • ボディ:FUJIFILM X-E1
  • レンズ:ライツ ズミルックス50mm F1.4
  • マウントアダプター:RJ Camera muk LMH-FX RJ(muk select)
  • ケース:リコイル FUJIFILM X-E1 グリップスタイル/ジャケットケース(キャメル)
  • ストラップ:リコイル 参考商品
  • グリップ:富士フイルム HG-XE1
  • レリーズボタン:GARIZ XA-SB4 ガンメタル(Kカンパニー)

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 オールドレンズは重い。これぞガラスと金属の塊と言わんばかりの重量感だ。デジタル一眼レフでオールドレンズ撮影する際はさほど気にならないが、ミラーレス機との組み合わせではフロントヘビーになってホールドが難儀だ。今回はFUJIFILM X-E1をベースに、ウエイトのあるオールドレンズでもしっかりとホールドできるスタイルを考えてみた。

 キーアイテムはリコイルのグリップスタイル/ジャケットケースだ。以前、X-Pro1用の同タイプのケースを紹介したことがあるが、そのX-E1向けの製品となる。純正のハンドグリップを装着した状態で、その上からかぶせるレザーケースだ。グリップをしっかりと握れるため、重いオールドレンズを付けてもホールドが安定する。ケースからハンドグリップの半身がのぞき、デザイン的にも新鮮な見え方だ。

 X-E1はレンズ固定式のFUJIFILM X100とほぼ同等のコンパクトボディだから、ハンドグリップとケースを装着した状態でも非常識なサイズにはならない。オールドレンズとのサイズ感もよく、見た目と実用性を兼ね備えたスタイルだ。

 軍艦部にはゲリズのソフトレリーズボタンを装着してみた。このレリーズボタンはローレット入りの円柱形で、ルック&フィールがX-E1のダイヤルとよく似ている。そのため統一感のあるスタイリングが可能だ。カラーバリエーションは写真のガンメタの他、ゴールドとハーフミラーを用意している。シンプルにブラックとシルバーのラインナップもほしいところだ。

リコイルのX-E1グリップスタイル/ジャケットケースは1万6,800円。ブラックもある
レザーはモンタナ社のリオショルダーを使っている。最高クラスのヌメ革だ
背面は大きく開き、ボタン操作を妨げないデザインを採用している
真鍮製のネジで三脚穴に固定する。コインなどでネジを締め付ける
あえてグリップを見せるスタイルを採用している。この見え方が本製品の真骨頂だ
ゲリズのレリーズボタンは3,500円。アヤメのローレットを施している
ネジ部にラバーリングを備え、装着時の弛みやガタツキを軽減する
muk selectが取り扱うライカMヘリコイドアダプターは9,800円。くり出し量は7mmとなる

 リコイルのショルダーパッド付きワイドストラップは、「重い機材向けの仕様で」というオーダーで特別に製作してもらったものだ。圧巻はやはりショルダーパッドである。低反発クッションをレザーで包み、革紐で編み上げてある。まるでバッグ用のショルダーストラップのような重厚さだ。クロームエクセルというオイルをたっぷり染みこませたレザーで覆っているので、見た目よりもやわらかく使い始めから使用者の体型にフィットする。長さ調節はむろん、メモリーカードや予備バッテリーケースになるスモールポーチも付属し、実用性に気を配ったストラップだ。現時点では参考商品となるが、今後の製品化に期待がかかる。

ベースとなるレザーはモンタナ社のリオショルダーで、軽くシュリンク加工を施してやわらかく仕上げてある
ショルダーパッドの存在感は圧倒的だ。編み上げた革紐がデザインポイントとなる
スモールポーチもクロームエクセルを使用。プルアップ(折り曲げなどで色が変わること)感がいい雰囲気だ
真鍮のネジで長さ調整が可能だ。取り付けは大きめの金具で迫力がある

 今回はズミルックス50mm F1.4とRJ CameraのライカMヘリコイドマウントアダプターを組み合わせてみた。このレンズは最短撮影距離が1mだが、ヘリコイドマウントアダプターを使うと近接撮影が可能だ。こうした使い方ができるのは、ミラーレス機の特権といえるだろう。

 X-E1はX-Pro1と同等のイメージセンサーを採用し、基本的に同じ絵づくりだという。そこでズミルックス50mm F1.4をX-E1とX-Pro1に付け、それぞれスナップしてみた。掲載した写真は、前半の4枚がX-E1、後半の4枚がX-Pro1だ。ローパスレスによる解像感、Xシリーズならではの大人びた発色など、両機とも共通した絵づくりであることが確認できるだろう。なお、作例はRAWで撮影し、Lightroomでストレート現像している。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
  • 縦位置で撮影した写真のみ、無劣化での回転処理を施しています。

X-E1 / Summilux 50mm F1.4 / 4,896×3,264 / 1/2,000秒 / F4 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 50mm
X-E1 / Summilux 50mm F1.4 / 4,896×3,264 / 1/1,100秒 / F2.8 / -0.67EV / ISO200 / WB:オート / 50mm
X-E1 / Summilux 50mm F1.4 / 4,896×3,264 / 1/170秒 / F4 / -0.67EV / ISO200 / WB:オート / 50mm
X-E1 / Summilux 50mm F1.4 / 4,896×3,264 / 1/2,700秒 / F2 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 50mm
X-Pro1 / Summilux 50mm F1.4 / 4,896×3,264 / 1/1,500秒 / F2.8 / +0.67EV / ISO200 / WB:オート / 50mm
X-Pro1 / Summilux 50mm F1.4 / 4,896×3,264 / 1/1,200秒 / F2 / -0.67EV / ISO200 / WB:オート / 50mm
X-Pro1 / Summilux 50mm F1.4 / 4,896×3,264 / 1/140秒 / F8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 50mm
X-Pro1 / Summilux 50mm F1.4 / 4,896×3,264 / 1/100秒 / F2.8 / -0.67EV / ISO200 / WB:オート / 50mm

 X-E1とX-Pro1の大きなちがいは、X-Pro1がOVFとEVFをスイッチングできるマルチビューファインダーを採用しているのに対し、X-E1はEVFのみとなる。X-Pro1はひときわ趣味性の高いカメラであり、X-E1は実用性を重視したスタンダードモデルという位置づけだ。

 しかし、ことオールドレンズ撮影に関していえば、両機は互角だ。オールドレンズ撮影ではX-Pro1でもOVFを使わないため、ファインダー環境はともにEVFか液晶ライブビューとなる。加えて画質が同等で、操作体系も共通だ。こうしたことを踏まえると、X-E1はオールドレンズのベースボディとしてかなり魅力的なボディといえる。ボディサイズがX-Pro1よりもひとまわり小さいこともあり、レンジファインダーカメラ用のレンズとサイズ感がよい点も注目しておきたい。