デジカメドレスアップ主義:X10レザーケースセレクション

FUJIFILM X10
Reported by澤村徹

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 FUJIFILM X10の発売から早5カ月がすぎ、関連アクセサリーがかなり充実してきた。本機のデザインはレンジファインダーカメラを彷彿とさせるだけに、レザーケースでシックに持ちたいと考えている人も少なくないだろう。そこで今回は、X10用レザーケースを集め、それぞれの特徴を比較してみた。ひと口にレザーケースといっても、デザインはむろん、機能面に関してもその仕様は様々だ。

リコイル

  • カメラケース:リコイル FUJIFILM X10用イタリアン/アンティークカスタムケース
  • ストラップ:リコイル ノスタルジックスタイル/ショルダーストラップ
  • レンズフード:富士フイルムLH-X10

 ひとつめはリコイル製のケースだ。同社はハンドメイド系のブランドでありながら、このところ新機種対応ケースをタイムリーにリリースしている。いわば旬のカメラアクセサリーブランドといえるだろう。高級レザーを使いつつ、ミリタリーやアンティークをコンセプトに、男性的なテイストを前面に押し出している。ほどよい泥臭さの演出が特徴だ。

 このアンティークカスタムケースは、キャメルレザーを手染めして、ムラ感のあるモスグリーンに仕上げている。X10のクラシックなボディと親和性の高いテイストだ。タイトフィットでしっかりとボディを包み、今回紹介するケースの中でもっともボディと一体感がある。ケースの固定は底面のネジを三脚穴にねじ込む仕様だ。ケース底面に厚みをもたせ、ネジが飛び出さないように配慮している。その反面、ケース装着時はカメラの背が高くなる点に留意しよう。

アンティークカスタムケースは1万4,800円。グリップ全体を覆い、レンズに沿うようにきれいなアールを描いているレザーに浮きがなく、タイトにボディを包み込む。フィット感のよいレザーケースだ
背面は大きく空き、ボタン操作を妨げないデザインになっている底面のネジでボディに固定する。側面の端子類にはアクセスできない
ショルダーストラップは1万1,500円。アンティークカスタムケースと同種の仕上げになっているストラップはアンティーク調の金具を使い、ビンテージ感を演出している

ゲリズ

  • カメラケース:ゲリズ X10用Genuine Leather Camera Half Case(ブラウン)
  • ストラップ:ゲリズ Genuine Leather Camera Neckstrap(ブラック)
  • カメラフック:ゲリズ CAMERA HOOK
  • 親指グリップ:マッチテクニカルサービス Thumbs Up EP-5S for the Fuji X100(ブラック)

 GARIZ(ゲリズ)は韓国のカメラアクセサリーブランドで、洗練されたクールなデザインが特徴だ。これまで韓国製カメラアクセサリーは「お手本ありき」という印象を拭えなかったが、このブランドはオリジナリティが感じられる。たとえば、本製品は底部がプレートになっており、ガンショットリングと名付けたリングが組み込まれている。ここにオプションのカメラフックを装着することで、一点吊り斜めがけの速写スタイルで携行可能だ。また、三脚穴を設け、機能性に長けた仕様になっている。

 一方、デザイン面はグリップ部分をやや低くし、ハーフケースとボトムケースの中間ぐらいを狙っている。レザーカラーも特徴的で、名称はブラウンとなっているが、ワインレッドもしくはバーガンディーに近い。このカラーは同ブランドならではのアドバンテージといえるだろう。なお、ゲリズの製品はKカンパニーが代理店となり、スマイルカメラなどで購入できる。

グリップ部分はやや低めで、カメラのグリップ上部が露出する。スマイルカメラにて8,800円底面にプレートを組み込んでいるため厚みがあり、結果的にカメラの背が高くなる。この点は好みが分かれるところか
背面が大きく空いているため、ボタン類の操作性は良好だサムズアップはX100と共用で、価格は1万4,800円。今回借りた個体は、若干遊びが感じられた
バッテリーとメモリカードにイージーアクセスできる。側面の端子にはアクセスできないガンショットリングにオプションのカメラフックが装着でき、ストラップの一点吊りが可能だ
同ブランドのストラップは5,500円。なお、一点吊りは他社ストラップでも行なえるカメラフックは1,500円。このフックにストラップを取り付け、一点吊りを実現する

アルティザン&アーティスト

  • カメラケース&ストラップ:アルティザン&アーティスト FUJ-X10S(ボルドー)
  • ファインダー:ライツ SLOOZ

 アルティザン&アーティストはライカファンにはおなじみのカメラアクセサリーブランドだ。メイド・イン・ジャパンにこだわり、クオリティの高いカメラケースやストラップに定評がある。今回取り上げた製品は、肉厚なイタリアンレザーを使い、カメラをしっかりと保護してくれるスタイルだ。前述の2製品が底面のネジで固定するのに対し、本製品は両サイドのフックボタンで固定する。ケースを装着してもカメラの縦横比がほぼ変わらないため、横長のオリジナルフォルムを損なわずに済む。また、側面に窓を設けてあり、端子類にイージーアクセスすることが可能だ。

 本製品は発売済みのX10用カメラケース「FUJ-X10」と、ケース装着時の使用に配慮したストラップをセットにしたものだ。ストラップはベージュのアクリルテープにレザーパーツを配し、カジュアルなスタイルである。二重リングでX10本体に支障なく取り付けられるが、カメラケースの取り付け部が二重リングと干渉するため、ストラップの動きがいくぶんぎこちない。使い込むことで多少はなじんでくるだろうか。

ストラップをセットにした「FUJ-X10S」は1万8,900円で発売予定。ケースはグリップ全体を覆い、レンズ下部に向かってストレートにカットされている両サイドのフックボタンで固定する。この取り付け部が二重リングと干渉しがちだ
背面は操作ボタンを隠さないレイアウトになっている。革に厚みがあるため、若干ボディから浮いている側面に窓があり、ケースを外さなくても端子カバーにアクセスできる
背面上部を折り曲げ、装着感を高めている。細部にこだわった仕様だ底面はフラットで、ブランドのロゴが刻印されている。三脚穴は使えない
付属のストラップはやや広めの2cm幅だ。「ACAM-100」から取り付け部のあて革を取り除いたもので、先に発売したX100用ケースセットのものと同じ仕様。ベージュと赤の組み合わせが新鮮だ

 FUJIFILM X10は2/3型センサー搭載機ということもあり、デザインのわりにボディはコンパクトだ。そのためレザーケースを付けた状態でも、ボディが大きくなりすぎる心配がない。人によってはケース付きの状態がジャストサイズということもあるだろう。カメラの保護やドレスアップという観点とは別に、サイズ調節という切り口でケースを付けるのもわるくない。

 なお、本機のフィルター枠は特殊なサイズで、社外製レンズフードの装着は難しい。基本的には純正レンズフード「LH-X10」がお薦めだ。LH-X10はスリット入りで機能的なことに加え、塗装の質感もボディと統一感がある。趣味性の高いカメラだけあって、オプションのディテールにもこだわりが感じられる。



(さわむらてつ)1968年生まれ。法政大学経済学部卒業。ライター、写真家。デジカメドレスアップ、オールドレンズ撮影など、こだわり派向けのカメラホビーを提唱する。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線撮影による作品を発表。玄光社「オールドレンズ・ライフ」シリーズをはじめ、オールドレンズ関連書籍を多数執筆。http://metalmickey.jp

2012/3/22 00:00