デジカメドレスアップ主義:フルコーディネイトGRの完成度

リコーGR DIGITAL III、GR DIGITAL II
Reported by澤村徹

 これまでのGR DIGITALカスタマイズは、いわゆる自力カスタムが主流だった。好みのアイテムをコツコツと集め、ベストな組み合わせを模索していく。手間と時間がかかるものの、自分だけのオンリーワンスタイルを作り出せるのが醍醐味だ。ただし、現在のようにデジカメドレスアップがポピュラーになると、もっと手軽にカスタムを楽しみたいという人もいるだろう。そこで今回は、手間をかけずにフルコーディネイトできるドレスアップアイテムを集めてみた。クルマやバイクのメーカーカスタムに似た感覚で、統一感のあるスタイルを楽しんでみよう。

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ユリシーズ

  • ボディ:リコーGR DIGITAL III
  • ケース:ユリシーズ GRD3 Body Suit 2nd
  • ストラップ:ユリシーズ クラシコ DG(ビターチョコ)
  • ファインダー:フォクトレンダー 28mm View Finder M(ブラックペイント)
  • フード:フォクトレンダー ウルトロン28mm F1.9アスフェリカル付属フード(生産終了品)
  • ステップアップリング:マルミ 43-46mmステップアップリング

 1例目はユリシーズのカメラケースとストラップだ。同ブランドは、設立当初からダメージ加工レザーを使った製品を得意としてきた。このレザーは、ベジタブルタンニンなめしのイタリアン・オイルドレザーにダメージ加工が施してある。新品の状態でビンテージな風合いがあり、さらに使い込むことで年季が増す。今回取り上げたケースとストラップは、ともにこのダメージ加工レザーを用いている。個性的なレザーなので、やはりセットアップでそろえたい逸品だ。

 ケースはGR DIGITAL III専用となっており、フィット感重視のボディスーツタイプだ。従来から同デザインのケースが販売されていたが、改良版ではフルステッチとなり、耐久性が向上している。内側はセーム革を貼り合わせてあるので、着脱でボディが傷つくこともないだろう。一方、ストラップの裏面は滑りのよい革が貼り付けてある。ケース、ストラップともに2種の革を貼り合わせ、デザイン性と使い勝手の両立を実現した製品だ。

軍艦部と側面のホックボタンでボディに固定する。ケースを付けた状態でフードアダプターも装着可能だ側面に穴を設け、フラッシュのオープンスイッチにアクセスできる。機能を犠牲にしない設計だ
28mm View Finder MはGR DIGITALと相性のよい外付けファインダーだ。価格は2万4,500円背面のボタン類にもすべてアクセスできる。ファインダーはケースを付けたまま着脱できる

 ユリシーズのケースとストラップは、ビンテージテイストのレザーが特徴だ。この外観を損なわないように、ここでは小さめのレンズフードを選んでみた。純正フードアダプターに43-46mmステップアップリングを付け、その上からかぶせている。元々広角レンズ用のフードなので、4:3モードでケラレなしで撮影可能だ。外付けファインダーの28mmビューファインダーMは、もはやドレスアップファンのあいだではおなじみだろう。小振りのファインダーなので、GR DIGITALをはじめ、高級コンパクトと好相性だ。

GRD3 Body Suit 2ndはフルステッチ仕様が大きな改良点だ。カラーはチョコレートのみで、価格は1万2,600円クラシコ DGはコンパクト機向けのストラップだ。レザーカラーとサイズが選択でき、価格は5,985円
縦吊り用ホールとスピーカー部分も開口部が設けてある。実用性を妨げないていねいな設計だ43-46mmリングを介してフードを装着する。このフードは生産終了品で、中古品の流通量はやや少なめだ

H・L・C club

  • ボディ:リコーGR DIGITAL II
  • グリップ:H・L・C club GRD2専用グリップカスタマイズ(ブラック)
  • リング:H・L・C club GRD I/II専用リングキャップ(レッド)
  • ストラップ:H・L・C club ハンドストラップ

 2例目はH・L・C clubのGR DIGITAL II向けカスタマイズメニューだ。以前、GR DIGITAL III向けのグリップカスタマイズを紹介したが、好評につきGR DIGITAL IIも対象になった。メニュー内容は、グリップカスタマイズ、リングキャップ、そしてハンドストラップの3点だ。グリップカスタマイズは赤、白、黒のレザーが選択できる。GR DIGITAL IIIは前面から背面にかけてすべてレザーと交換していたが、GR DIGITAL IIは前面のみを交換する。そのぶん1万500円とリーズナブルな価格になり、ハードルが低くなった。リングキャップとハンドストラップもカラーバリエーションが用意されており、グリップカスタマイズを軸にカラーコーディネイトを楽しみたいところだ。

 GR DIGITAL IIは発売から約3年が経過し、防湿庫の隅に追いやってしまった人も少なくないだろう。ただし、現行機とくらべて機能面で大きく見劣りするわけでもなく、まだまだ現役を張れるカメラだ。H・L・C clubのカスタマイズメニューで新たな息吹を吹き込んでみてはどうだろう。

GR DIGITAL IIのラバーグリップをレザーに交換する。赤、黒、白の3色展開で、価格は1万500円リングキャップはアルミ素材にアルマイト加工を施してある。初代GR DIGITALとGR DIGITAL IIに装着可能
GR DIGITAL IIのグリップカスタマイズは前面のみ。背面のラバーは標準仕様のままであるGR DIGITAL IIIの純正ラバーグリップと比較してみた。同じ黒でもレザーの方が高級感がある
GRD1/2用リングキャップは、赤、青、黄、緑の4色をラインナップする。価格は各2,300円ハンドストラップは、表革、裏革、ステッチのカラーを選択できる。価格は4,200円




(さわむらてつ)1968年生まれ。法政大学経済学部卒業。ライター、写真家。デジカメドレスアップ、オールドレンズ撮影など、こだわり派向けのカメラホビーを提唱する。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線撮影による作品を発表。玄光社「オールドレンズ・ライフ」シリーズをはじめ、オールドレンズ関連書籍を多数執筆。http://metalmickey.jp

2010/10/21 00:00