デジカメドレスアップ主義:レザーケースの機能美

オリンパス・ペンライトE-PL1 + W-ニッコール・C 3.5cm F2.5
Reported by澤村徹

  • ボディ:オリンパス・ペンライト E-PL1(シャンパンゴールド)
  • レンズ:日本光学 W-ニッコール・C 3.5cm F2.5
  • マウントアダプター:muk select ニコンSマウントアダプター
  • ケース&ストラップ:ロベル E-PL1ホルダー&ストラップ(レギュラータイプ)

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 オリンパス・ペンライトE-PL1は、レザーケース作りが難しいカメラだ。一見するとボックス形状でオーソドックスなデザインだが、背面全体に操作ボタンが分散配置されており、カメラ全体をレザーで包み込むことが難しい。そう、ケースの固定方法がボトルネックになるのだ。そこでオリンパス純正の本革ボディジャケットは、ネジで三脚穴に固定するスタイルを採用している。これはボディにジャストフィットする反面、底面のネジのせいで机上に置いた際に安定しない。ロベルのE-PL1ホルダーは、こうした点を踏まえたアイディア満載のレザーケースだ。

 このレザーケースはストラップ取り付け具の部分にスリットを設け、ここにストラップを通してボディに固定する。ストラップを外さないかぎり、ケースがとれる心配はない。背面は大きく空いており、操作ボタンと一切干渉しない設計だ。むろん、単にストラップで固定してしまうと、ケースを脱ぐ際にいちいちストラップを外さなくてはならない。これはメモリカードやバッテリーを交換する際にかなり面倒だ。そこで本製品は向かって左側面をフラップ状にしている。このフラップを外すだけでケースをずらすことができ、メモリカードやバッテリーにイージーアクセスできるわけだ。実用性を損なわない使い勝手のよいレザーケースである。

 素材はキャメルカラーのヌメ革を使用し、使い込むほどにエイジングが楽しめる。同素材のストラップが付属しており、統一感のあるコーディネイトが可能だ。グリップ全体をレザーで覆い、このグリップまわりのカッティングが美しい。

ヌメ革がグリップ全体を覆い、E-PL1の印象を刷新してくれる。白ステッチがよいアクセントだボディ背面は大きく空き、すべての操作ボタンが隠れないようにカッティングしてある
ストラップを通すことで、ボディとケースを固定する。遊びが少なくフィット感も良好だフラップを外すとボディ底面にイージーアクセスできる。三脚穴も開いた親切設計だ

 W-ニッコール・C 3.5cm F2.5は、muk selectのニコンSマウントアダプターで装着している。このマウントアダプターは外爪式のニコンSレンズに対応し、旧コンタックス(コンタックスC)レンズも装着可能だ。ニコンSマウントは旧コンタックスマウントをお手本した経緯があり、完全互換ではないものの流用が可能だ。若干オーバーインフ気味の設計なので、どちらのマウントでも無限遠が出る。なお、このマウントアダプターは50mmレンズなどの内爪式は装着できない。

muk selectのマイクロフォーサーズ用ニコンSマウントアダプターはRJ Camera製だ。価格は7,800円内爪式レンズはピントリングがなく、マウント側でピント調整する。外爪式レンズはヘリコイドを搭載している
レギュラータイプはシンプルかつスリムなストラップが付属する。価格は1万4,700円プレミアムタイプは肩パット付きの頑丈なストラップが付属する。価格は1万7,850円

 W-ニッコール・C 3.5cm F2.5は1950年代前半のレンズで、当時はもっとも明るい35mmレンズだった。半世紀以上むかしのレンズということもあり、シャープネスとコントラストは素直な傾向だ。発色も地味で、特に青空が褪せた風合いになる。ただし、E-PL1は初級機のためか高彩度になりがちで、作例を見ると思いのほか発色がよい。前時代的なオールドレンズも、ベースボディ次第で心地よい発色が得られる。なお、作例はRAWで撮影し、Lightroomでストレート現像している。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなしのRAW現像画像(JPEG)を別ウィンドウで表示します。
E-PL1 / W-ニッコール・C 3.5cm F2.5 / 4,032×3,024 / 1/640秒 / F8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 35mmE-PL1 / W-ニッコール・C 3.5cm F2.5 / 4,032×3,024 / 1/1,250秒 / F2.8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 35mm
E-PL1 / W-ニッコール・C 3.5cm F2.5 / 4,032×3,024 / 1/500秒 / F2.8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 35mmE-PL1 / W-ニッコール・C 3.5cm F2.5 / 4,032×3,024 / 1/60秒 / F2.8 / -0.3EV / ISO200 / WB:オート / 35mm
E-PL1 / W-ニッコール・C 3.5cm F2.5 / 4,032×3,024 / 1/400秒 / F2.5 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 35mmE-PL1 / W-ニッコール・C 3.5cm F2.5 / 4,032×3,024 / 1/50秒 / F8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 35mm


(さわむらてつ)1968年生まれ。法政大学経済学部卒業。ライター、写真家。デジカメドレスアップ、オールドレンズ撮影など、こだわり派向けのカメラホビーを提唱する。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線撮影による作品を発表。玄光社「オールドレンズ・ライフ」シリーズをはじめ、オールドレンズ関連書籍を多数執筆。http://metalmickey.jp

2010/10/6 00:00