デジカメドレスアップ主義:Gビオゴン28mmが無改造で使える!

オリンパス・ペンE-P1 + カールツァイス Gビオゴン T* 28mm F2.8
Reported by澤村徹

  • ボディ:オリンパス・ペンE-P1(ホワイト)
  • レンズ:カールツァイス Gビオゴン T* 28mm F2.8
  • マウントアダプター:CoYo コンタックスGマウントアダプター
  • ストラップ:アルティザン&アーティスト ACAM-280(グレー)
  • 革貼りキット:Aki-Asahi E-P1用カラー貼り革キット(アイボリーリザード)

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 マイクロフォーサーズが登場してからというもの、数々の死蔵レンズがデジタルで復活を遂げた。そのなかでも、コンタックスGレンズの復活は衝撃的とさえいえるだろう。コンタックスGはAFレンジファインダーカメラという個性派モデルだ。ピント合わせをボディ側でコントロールするため、レンズにピントリングがない。フランジバックは29mmでマイクロフォーサーズより長いものの、アダプター側にピント調節機構を組み込まなくてはならない。そのため、さすがに製品化は難しいのではないかと考えられていた。

 カメラの極楽堂で販売しているCoYo製コンタックスGアダプターは、その不可能を可能にした製品だ。このアダプターは突出した特徴が2つある。ひとつ目はロータリー式という点だ。初期のコンタックスGアダプターはダイヤル式を採用していた。アダプター側面に小さなダイヤルがあり、これをまわしてレンズ側のフォーカスギアを調節する。必要にして十分な機能とはいえ、近接から無限遠まで一気に移動したいとき、小さなダイヤルでは遅々としてままならない。ロータリー式はアダプター外周はピントリングのように回転し、操作性が大幅に向上している。ヘリコイドほど滑らかではないが、ダイヤル式とくらべて格段にピント合わせがスムーズだ。カラーリングもシャンパンゴールドが基調となり、レンズと好相性になっている。

レンズのシャンパンゴールドに合わせ、ベージュ系の革貼りキットを貼り付けてみたカメラケースを着せると、ロータリーの動きが窮屈になりがちだ。革貼りキットの場合は特に支障ない
純正広角フード「GG-1」を装着。逆光性能にすぐれたレンズなので、広角用でもフレアは少なめだったマウントアダプターからレンズフードにかけて、シャンパンゴールドで統一できた

 ふたつ目は「Gビオゴン T* 28mm F2.8」に対応している点だ。従来の製品は、コンタックスGレンズの35mm、45mm、90mmのみの対応だった。広角系は後玉のレンズガードがせり出しているため、装着できなかったのだ。一部のユーザーはビオゴン28mm F2.8のレンズガードをカットし、半ば強引に取り付けていた。これはベテラン層であっても敷居の高い世界である。

 その点このアダプターは、オリンパス製マイクロフォーサーズ機にかぎりGビオゴン T* 28mm F2.8が無改造で装着できる。やや薄めの設計になっているため、近接から無限遠まで問題なくピントも合う。ただし、必ずアダプターをボディに装着してからレンズを付けるという制約がある。カメラの極楽堂のホームページに詳しい着脱方法が掲載されているので、購入時に目を通しておくと安心だろう。

ビオゴン28mm対応は、現時点ではこのアダプターがほぼ唯一の選択肢だ。カメラの極楽堂にて2万4,800円右側が従来型のダイヤル式だ。小さなダイヤルを操作するため、スピーディーなピント移動は苦手だ
Aki-asahiのアイボリーリザードは、シャンパンゴールドと好相性だ。価格は1,800円カラー名は「グレー」だが、見た目はオリーブグリーンに近い。裏側はダークブラウンになっている

 これまでGビオゴン T* 28mm F2.8は、Lマウント改造してライカM型で使うのがポピュラーだった。このアダプターの登場により、無改造でGビオゴン T* 28mmが使える。これは大きなアドバンテージだ。開放から切れ味が良く、鮮やかな発色とハイコントラストが目を見張る。広角レンズとはいえボケ味も楽しめ、中古価格で2万円程度という価格はかなりお買い得だ。作例はRAW撮影したものをLightroomでストレート現像している。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなしのRAW現像画像(JPEG)を別ウィンドウで表示します。
E-P1 / Gビオゴン T* 28mm F2.8 / 4,032×3,024 / 1/640秒 / F2.8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 28mmE-P1 / Gビオゴン T* 28mm F2.8 / 4,032×3,024 / 1/1,000秒 / F2.8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 28mm
E-P1 / Gビオゴン T* 28mm F2.8 / 4,032×3,024 / 1/4,000秒 / F4 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 28mmE-P1 / Gビオゴン T* 28mm F2.8 / 4,032×3,024 / 1/1,600秒 / F4 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 28mm
E-P1 / Gビオゴン T* 28mm F2.8 / 4,032×3,024 / 1/2,000秒 / F4 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 28mmE-P1 / Gビオゴン T* 28mm F2.8 / 4,032×3,024 / 1/1,600秒 / F4 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 28mm


(さわむらてつ)1968年生まれ。法政大学経済学部卒業。ライター、写真家。デジカメドレスアップ、オールドレンズ撮影など、こだわり派向けのカメラホビーを提唱する。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線撮影による作品を発表。玄光社「オールドレンズ・ライフ」シリーズをはじめ、オールドレンズ関連書籍を多数執筆。http://metalmickey.jp

2010/5/12 00:00