私はこれを買いました!

「III」ではなく「II」を買った理由

キヤノン EOS R6 Mark II(岡嶋和幸)

年末恒例のお買い物企画として、写真家・ライターの皆さんに、2025年に購入したアイテムを1つだけ紹介していただきました。(編集部)

手に入れた安定性、引き換えに失った機動力

昨年のこのコーナーで、赤城耕一さんがキヤノンのEOS R6 Mark IIを紹介されていましたが、そのとき「2022年12月発売のカメラなのに今ごろどうして?」と思いました。しかも「いちばん情緒を感じない」「特別な思い入れを感じない」とか言いたい放題(笑)。ほぼ完全な「仕事カメラ」という点は同感でした。

私は「別に手ブレなんてしないからこれで十分」と、機動性重視でより小型軽量のEOS R8を愛用していましたが、それなのに今年買い替えました。理由は「仕事レンズ」としてRF24-105mm F4-7.1 IS STMが欲しくなったから。これが付いたEOS R6 Mark IIのレンズキットがお買い得であることを知り、夏のキャッシュバックキャンペーンの対象期間ギリギリの9月末にゲットしました。

11月に発売になったEOS R6 Mark IIIの噂はそのころすでにありましたが、それを待たずに購入に踏み切ったわけです。画素数が増えるらしいけど「別にトリミングなんてしないからこれで十分」との判断です。しかも動体も連写も動画もほとんど無縁のフォトライフ。私が本当に欲しい、何もかも削ぎ落としたミニマルなカメラは市場では受けないのは分かっていますが、パソコンなどのように自分に必要な装備を選んでカスタマイズできると便利なのにね。

でも前述のEOS R8の例もあるので、来年あたり何かに釣られてEOS R6 Mark IIIに乗り換えているかもしれません。それはそうと、EOS R6 Mark IIも併売されることになり「前モデル」という不名誉な呼ばれ方をされずに済んだのは本当に良かったです。とはいえ手ブレ補正機構を搭載しているぶん大きく重く、年寄りには負担増。EOS R8のフットワークの軽さが早くも恋しいです。今年も「あとで買う」をご愛読いただきありがとうございました。年末年始も休まず更新し続けますが、2026年もどうぞよろしくお願いいたします。

昨年11月誕生の孫娘が1歳になり、息子夫婦に家族写真の撮影を頼まれて近くの海へ。夕暮れ空を背景にほぼ撮って出しで、人物は後から明るく持ち上げるのですが、ここでは画像編集前の状態でチラ見せです
EOS R6 Mark II/RF24-105mm F4-7.1 IS STM/24mm/マニュアル露出(1/320秒、F8.0)ISO200/WB:太陽光

近況報告

写真関連の仕事に携わる、千葉県出身や在住者で結成した“チバーズ”メンバー(飲み仲間)によるグループ展『No Chiba, No life!』に参加します。2026年1月開催で、場所は東京・中野にあるケンコー・トキナーギャラリーです。みなさまのご来場を心よりお待ち申し上げております。

1967年福岡県生まれ。東京写真専門学校卒業。スタジオアシスタント、写真家助手を経てフリーランスとなる。作品発表のほか、セミナー講師やフォトコンテスト審査員など活動の範囲は多岐にわたる。写真集『ディングル』『風と土』のほか著書多数。写真展も数多く開催している。日本写真協会(PSJ)、日本作例写真家協会(JSPA)会員。カメラグランプリ選考委員。