私はこれを買いました!

“出目金”じゃない超広角レンズに惹かれた

Irix Firefly15mmF2.4(茂手木秀行)

年末恒例のお買い物企画として、写真家・ライターの皆さんに、2020年に購入したカメラ関連製品をひとつだけ挙げていただきました。(編集部)

自由なフィルターワークが可能な超広角レンズ

超広角なのに出目金レンズじゃない! という点に惹かれて買いました。

第1面の曲率は小さく強い凸になっているけれど、しっかり鏡筒の内側に収まり、レンズが前に出ていないんですよ。もちろんフィルターネジも切ってあり、95mm径の円形フィルターが使えるほか、100mm幅の角型フィルター用のアダプターも用意されていて、フロント側でフィルターを使えることが大きなメリットです。このクラスでは恐らく唯一でしょう。

おかげでグラデーションのNDフィルターやソフトフォーカスのハーフフィルターなども使えるのです。風景や星景ではなんやかんやフィルターを使うことが多いものですが、超広角ではリアフィルターが一般的でつけ外しが面倒ですよね。そもそもPLフィルターなど取り付けできないフィルターもあるし。ここが大きく1番の購入動機ですが、デザインも質感も良くコストパフォーマンスの高い一本です。

光学性能も非常に高く第一級といえるものですが、これより良い性能の製品もあります。でも、写真表現に欠かせないフィルターワークを自由に行えることを優先した設計は、使う立場に立った目線であるといえるでしょう。だからこそ、今年の僕のイチ推しレンズです。

東の空から登る冬の星座たちを捉えた。100mm角ケンコー プロソフトンハーフを使い、広い画角の中、明るい星を強調して冬の星座を分かりやすく表現できた。このレンズならではの使い方だ。
Nikon D850 / Irix Firefly15mmF2.4 / マニュアル露出(F2.8・15秒・-1.0EV) / ISO 1600

近況報告

CP+2021はオンラインのみとなりましたが、星空撮影のコンテンツを公開すべく
冬空のもと、鋭意撮影中です。

茂手木秀行

茂手木秀行(もてぎひでゆき):1962年東京生まれ。日本大学芸術学部卒業後、マガジンハウス入社。24年間フォトグラファーとして雑誌「クロワッサン」「ターザン」「ポパイ」「ブルータス」を経て2010年フリーランス。