フォトアプリガイド

Photo Editor(Android)

トーンカーブ、Exif表示、ジオタグ削除……無料で使える本格派編集アプリ

 一昔前は職人技といってもよいほど敷居の高かった写真編集・補正。それが、低価格なソフトの登場や、管理ソフトなどに搭載された簡易編集機能の普及により、いまではずいぶん身近なものになった。そして迎えたスマートフォン時代においては、定番ジャンルのひとつにまでなっている。

 今回紹介する「Photo Editor」は、その名の通り、写真編集に特化したアプリ。基本編集機能のほか、“あったらいいな”というものまで、幅広く搭載されている。

 試用バージョンは1.3.9。無料で利用できるが、レビューで試用したのは、アプリ内課金(試用時243円)で広告を非表示にしたものだ。

Photo Editorを起動したところ。「ギャラリー」から端末内の画像データを指定しよう

 Photo Editorの画面を見ると、上部に表示系、下部に編集系の機能がまとめられているのがわかる。

編集画面

 読み込んだ画像データの表示は、画面サイズに合わせて表示される「自動」が初期選択。「100%」「200%」に切り替えると、それぞれ等倍、2倍に表示できる仕組みだ。

「100%」アイコンをタップすると等倍表示になる
「200%」アイコンをタップすると2倍表示となる

 画面下部には編集機能がアイコン化されている。あまりにも自然で違和感がないのだが、実はこの編集機能部を左右にスワイプすると、別の編集機能が表示される。つまりさらなる編集機能が下に隠れているわけだ。

 編集機能は複数あるが、編集操作は、表示されたスライダーを動かして行なう。また、画面上部の「ORG」をタップすると、タップした時間だけ編集前の画像データが表示される。つまり、オリジナル画像と編集画像を見比べることができるのだ。

「カラー」の編集画面。編集操作は基本的にスライダーを動かすだけ
「ORG」部をタップすると、補正前のオリジナル画像が表示される。離すと編集中の画像に切り替わる

 スライダーを使わない編集機能としては「トーンカーブ」がある。RGBまたは全チャンネルをトーンカーブを操作して調整できる機能だ。トーンカーブでは最大5点、最小3点をポイントして操作できる。調整したRGBに対して、全チャンネルまたは、選択したチャンネルを簡単にリセットできるのもよい。

「トーンカーブ」の調整画面。画面下部に「全色」ほか、「赤色」「緑色」「青色」のチャンネル切り替えアイコンが用意されている
編集ポイントは3点または5点の2つから選べる。画面下部の全チャンネルまたは選択したカラーチャンネルによるトーンカーブ補正のリセットにも対応する

 本アプリにおける「エフェクト」は、「エフェクト1」と「エフェクト2」に分かれている。

 具体的には「エフェクト1」が、ガンマ補正や階調調整・自動補正、アンシャープといったオーソドックスな補正効果のほか、「スケッチ」「油絵」「セピア」「白黒」といったフィルター効果が用意されている。

 もうひとつの「エフェクト2」では、「反転(水平、垂直)」や「丸角」、「反射」など、加工を意識したエフェクトが並ぶ。また、選択したエフェクトによっては、効果「量」を調整できるものもあり、スライダー操作で掛かり具合を調整できる。

「エフェクト1」では、コントラスト自動補正や階調調整自動補正といった基本的なエフェクトが収録されている
エフェクト量の調整も可能だ
編集機能部をスワイプすると、隠れていた機能が表示される
「エフェクト2」では、反転や反射、ミラーなど、加工系の機能が利用できる
「エフェクト」とは別に、「回転/水平調整」や「トリミング」、「リサイズ」などの加工機能は独立して用意されている

 隠れてしまっている編集機能だが、「+」をタップすると、メニューの並び替えが行なえる。例えば初期状態で画面下部に表示された「エフェクト1/2」や「レベル調整」をあまり使わないというのであれば、代わりに「回転/水平調整」や「リサイズ」の番号を若くすることで、編集機能部をスワイプしなくても、すぐに利用できるようになる。

表示される編集機能は並べ替えが可能。アプリを起動してすぐに表示される機能は、利用頻度の高いものに切り替えるとよい

 メイン画面で「情報」をタップすると、ファイル名やファイルの保存場所・パスなどが調べられるほか、ジオタグの確認(Googleマップを利用して表示にも対応)、Exifの確認が行なえる。

 ここで注目したいのがExifだ。編集アプリの多くは、意外にもExif表示に対応していないものが多い。本アプリでは、表示のほか、編集・削除にも対応する。

データ情報、ジオタグ、Exifなどの情報表示にも対応する
Exifの「修正」をタップすると、位置情報やExifを編集可能。編集後の保存画面から修正にアクセスできるため、公開したくない情報をそのまま投稿するといったうっかりを防げるというわけだ

 スマートフォンで撮影した写真で怖いのが、いわゆる“身バレ”だ。位置情報(ジオタグ)を付加した写真を、そのままFacebookやTwitterに投稿すると、写真から撮影場所が特定される恐れがある。

 Photo Editorは、補正した画像データを保存する際、Exifの修正や削除が行なえるため、対応するサービス(Picasa、Facebook、Twitterなど)へのうっかりアップを防げる。

 また、補正画像を壁紙にしたり、外部SD(microSDXC/SDHC/SDカード)への保存、上書きにも対応。保存形式は「JPEG」と「PNG」の2種類から選べ、「JPEG」は品質の変更にも対応した。

画面上部にある「フロッピー」アイコンをタップすると、保存画面が表示される。「シェア」をタップすると、Picasaなどの外部サービスへと投稿できる

 本アプリのすごいところは、無料で利用できる(広告表示あり)点にある。確かにフィルター系の機能は少なく、フレームを付けることもできない。しかし、基本的な編集アプリとしてみると必要十分な機能を有している。そしてExifの表示・編集の存在も大きい。

 こうした真面目な編集機能については、いわゆる“全部入り”といっても過言ではない。とりあえず、画像編集アプリを導入したいと考えているなら、使ってみてはいかがだろうか。

飯塚直