写真展告知
立木義浩写真展:舌出し天使 CONTACT SHEETS - 眼差しの軌跡 -
2024年11月23日 15:00
フジフイルム スクエア 写真歴史博物館では、写真家の立木義浩氏による写真展「舌出し天使 CONTACT SHEETS - 眼差しの軌跡 -」を2025年1月6日(月)から開催する。
現在、87歳の同氏が27歳の時に発表した「舌出し天使」。同展は、「舌出し天使」の発表から60年を記念した写真展となる。
また、同展のため、立木氏自身が新たにセレクトしたゼラチンシルバープリント25点のほか、同作のコンタクトシート約25点が初公開となる予定。
夢を見ている時、いくら奇妙であっても私たちは波間に漂うイカダのようにただ運ばれていくにすぎないが、この「舌出し天使」のページも波間のイカダのようにめくっていきたい。少女が星条旗をからだにまきつけて魔法使いよろしくほうきにまたがっても、決して文明批判などと考えないでほしい。夢の観客であってほしい。立木義浩も夢の運転者であると同時に観客なのだ。この写真集の新しさはそこにある。これは従来の数々の主観写真、心象写真などともちろん異なっている。彼は、写真が文学や絵画の弾力を受けないこと、つまり象徴におちいりがちなセンス(意味)と構図の魅惑を一応放棄したのだ。また一般には写真の本質とは、記録性・報道性であるという神話がある。というよりそれは、母の懐みたいなものだ。立木はセンスを放棄することによりこの懐(記録性)にも接近した。これは一群のフォト・ストーリーのよき仲間ではない。そう見えなくもないのは、1人の少女におこった肉体と心理のメカニズムの遭遇を連続して記録しているからだ。故意を避ける姿勢であり、このナンセンスとの集中的めぐりあいは、ストーリーというよりドキュメントなのだ。この少女がいかにユーモラスで悲しげであっても彼女のせいではなく、27才の立木義浩のある決算報告であり、ヤケドの跡なのだ。
FUJIFILM SQUARE 写真歴史博物館
開催期間
2025年1月6日月~3月26日(水)
開催時間
10時00分~19時00分(最終日は16時00分まで/入館は18時50分まで)
入館料
無料
主催
富士フイルム株式会社
企画
テンポラリー・コンテンポラリー
ギャラリートーク
1月12日(日)13時00分~13時30分
2月16日(日)13時00分~13時30分
3月15日(日)13時00分~13時30分
作者プロフィール
1937年、徳島県生まれ。58年、東京写真短期大学(現・東京工芸大学)技術科卒。アド・センター設立時にフォトグラファーとして参加。65年『カメラ毎日』で「舌出し天使」を発表。69年、フリーランスに転身。以降、女性写真の分野を中心に多くの著名人を撮影。同時に世界中でスナップ写真を日常的に撮り続ける。広告・雑誌・出版など幅広い分野で活動。主な受賞に、日本写真批評家協会新人賞、日本写真協会賞年度賞、日本写真協会賞作家賞、文化庁長官表彰など。『イヴたち』『GIRL』『私生活/加賀まりこ』『MY AMERICA』『家族の肖像』『東寺』『KOBE・ひと』『ありふれた景色』『小女』『Tōkyōtō』『Yoshihiro Tatsuki 1~8』『étude』『動機なき写真 just because』『舌出し天使』『SNAP 20C』『Afternoon Paris』など写真集多数。