写真展告知

秋山武雄写真展:小さな旅 -モチーフを探して 1950~60年代-

東京・浅草橋で明治から続く洋食屋「一新亭」を営む秋山さんは、アマチュアカメラマンとして昭和の下町の風景とそこで生活する人々を写し続け、国内外で高い評価を得ています。

本展では、秋山さんが10代の頃から積極的に応募した写真コンテストの入選作品を中心に、家業の合間を縫って撮影された初期作品77点(すべてモノクロ)を展示いたします。

1953年、当時15歳だった秋山さんは、サン写真新聞主催の写真コンテストで初入選を果たしました。それを機に浅草や千住、浦安に通い、コンテスト用の写真撮影にのめり込み、20歳になるとNHK主催の「テレビアマチュア懸賞写真」にも応募し、数々の入賞を重ねました。その後、日帰りで地方へも足を伸ばして撮影するようになったといいます。

浅草の紙芝居屋と子ども達、江戸川競艇場に来た親子、白のエナメル靴を履き犬と銀座を歩く青年など、身近な場所で撮影された作品は、それぞれ1カットの中にたくさんの物語が潜んでいます。また、秩父に訪れたサーカス団や常滑の陶器を作り上げる様子など、日帰りでゆっくりする時間もない中撮影された作品は、各地の人々や営みを捉えています。

秋山青年が小さな旅にでてひたすら探し続けた“モチーフ”は、懐かしさと共にかつての街の姿や風俗を伝えてくれる “時代の記録”となりました。

写真展情報

会場

JCIIフォトサロン
東京都千代田区一番町25 JCIIビル 地下1階

開催期間

2019年7月2日(火)~7月28日(日)

開催時間

10時00分~17時00分

休廊

毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)

作者プロフィール

1937年、東京下町浅草橋生まれ。
1954年、千葉県浦安町(現・浦安市)を撮り始める。
1958年、NHKテレビ懸賞写真コンテストで全国1位となりテレビ出演し、木村伊兵衛氏と対談する。
1963年、写真仲間と写真集団「むぎ」を作り代表となる。NHKテレビ、民放テレビ、雑誌などで古き良き東京の写真を多数発表。
2011年より読売新聞にて「秋山武雄の懐かし写真館」連載中。
2013年よりJCIIフォトクリニック講師を務める。写真集団むぎ代表、日本写真協会会員、三の会講師、ニッコールクラブ会員、ニッコールクラブ浅草支部長。
主な受賞に、アサヒカメラ誌年度賞(1979年、1981年)、日本カメラ誌年度賞(1985年)、読売写真大賞(1989年)、第18回土門拳文化賞・奨励賞(2012年)がある。2019年6月10日、中央公論新社より『なつかし写真帖』発売。

[主な写真展]
1982年 千葉県浦安町が市制になり市文化会館において記念展「浦安、海と川のある町の詩」開催
1988年 新宿ニコンサロンにて「スチール下町人物歳時記」開催
1999年 新宿ニコンサロンにて「二十一世紀への静かなメッセージ 昭和二十八年~四十二年『わたしの東京』物語」開催、同名の写真集を出版
2001年 銀座ニコンサロンにて「『浦安』青べかの消えた街の詩 17歳からの視点」開催、同名の写真集を出版
2011年 銀座ニコンサロン、大阪ニコンサロンにて「昭和三十年代 瞼、閉じれば東京セピア」開催、同名の写真集を出版
2012年 JCIIフォトサロンにて「-東京スカイツリーから見えた-昭和の街角-」開催
2013年 JCIIフォトサロンにて「青べかの消えた街-1954~1969・浦安-」開催
2014年 THE TASHKENT HOUSE OF PHOTOGRAPHY(ウズベキスタン)にて写真展「昭和の街角」開催
2016年 JCIIフォトサロンにて「1957-2009 築地・豊洲」開催
そのほかグループ展多数開催。