イベントレポート

タムロンが「鉄道撮影マナー講座」を開催

列車運行と撮影者の安全が最優先 鉄道博物館での撮影会で

株式会社タムロンは6月14日(土)、「第3回 鉄道博物館ナイトミュージアム撮影会&鉄道撮影マナー講座」を埼玉県さいたま市の鉄道博物館で開催した。

「第18回 タムロン鉄道風景コンテスト」の一環として実施したもので、3年連続での開催となる。当日は抽選に当選した125組250名が招待された。博物館のうち車両ステーションの1階と2階を貸し切っており、人気の撮影ポジションでも少ない待ち時間で撮影できるほか、他人の写り込みも比較的少なく、快適な撮影環境が魅力の1つ。参加者は思い思いに展示資料の撮影や鑑賞を行なっていた。

本イベントで撮影した写真も鉄道風景コンテストに応募可能ということで、タムロンのレンズ貸出も実施。人気のモデルは「28-75mm F/2.8 Di III VXD G2」、「50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD」、「150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD」の3本だという。

ナイトミュージアムは、車両の実物や鉄道史年表の展示を行なっている車両ステーション1階/2階を貸し切って実施された
限られた人数での実施であり比較的自由に撮影できる点が魅力の1つ
上階から俯瞰撮影する人も多かった
タムロン製レンズの貸出カウンター
特に人気だったという「150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD」「28-75mm F/2.8 Di III VXD G2」「50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD」
アンケートに回答するとノベルティがもらえた

鉄道撮影マナー講座では、鉄道写真家の広田尚敬氏と金盛正樹氏に加えてJR東日本大宮支社の社員が登壇した。

広田氏と金盛氏が共通して話したことは、タムロンのWebサイトにも記載している7つのマナーについて。来場者に対しては、それぞれの撮影地でよきお手本になってマナー向上の核になってほしい、良いマナーの姿勢を全国に広めていってほしい、と述べている。

  1. 列車運行と撮影者の安全を最優先させよう
  2. 撮影者は互いに譲り合おう
  3. 車体に向けての撮影はストロボをOFFに設定しよう
  4. 人物スナップを撮る場合は声をかけよう
  5. 撮影場所を考えてみよう
  6. 避けるために考えてみよう
  7. 撮影地を綺麗にすることを考えよう

鉄道撮影のマナー - 第15回タムロン鉄道風景コンテスト - 株式会社タムロン - TAMRON

とりわけマナー1「列車運行と撮影者の安全を最優先させよう」については、「鉄道写真で一番大事なのは『列車の安全運行』です。肝に銘じてほしい」と話した。

またマナー6「避けるために考えてみよう」については、構図の邪魔になるからとその場に立っている木を切ってしまう撮影者の存在に言及。邪魔だと思ってもあえて構図に含め、毎年同じ場所から撮影することで、自分だけの組写真が撮れるチャンスであるとの見方を示した。

広田尚敬氏
金盛正樹氏
鉄道撮影マナー講座は当日に3回実施。各回約85名ずつが参加する盛況ぶりだった

JR東日本の担当者からは、安全を最優先に考慮したルールについて話があった。ここではJR職員が線路に降りる場合を例に挙げ、訓練を受けた人間が保護具を身に着け、司令に連絡を取り安全を担保したうえではじめて線路に降りることができるという手順を紹介。安全を確保するために「ルール」があり、JR職員が危険であると言うところは本当に危険なのだという認識をもってルールを守ってほしいと呼びかけた。

また撮影マナーに関しては、JR東日本が公開している7つの禁止行為を紹介している。

  1. 線路内や立ち入り禁止区域など、鉄道用地に正当な理由なく立ち入る行為
  2. 当社施設内および列車内において、無断で他のお客さまや係員を撮影・録音する行為
  3. ホーム柵やホームドア、ホーム上の点字ブロックから外側に乗り出して撮影する行為
  4. 点字ブロックでの立ち止まりや荷物を置いて撮影する行為
  5. ホーム上で三脚や脚立・踏み台等を使用して撮影する行為
  6. フラッシュや照明を使用して運行中の列車を撮影する行為
  7. 撮影の際に、大きな声を出して騒ぐような行為

当社施設内等における撮影マナーに関するお願い|JR東日本

マナー講座の後には広田氏による作例の解説も
11月発売予定の写真集「鉄道写真」を告知。自身の集大成になる作品だという
JR東日本の撮影マナービジュアル
関根慎一