イベントレポート
【PHOTONEXT2023】キヤノンが360°カメラのコンセプト機を初公開
FUJIFILM X-S20のハンズオンも
2023年6月7日 11:00
キヤノンは6月6日、パシフィコ横浜で開催中のイベント「PHOTONEXT 2023」で、360°カメラのコンセプトモデルを世界初展示した。同イベントはフォトビジネスおよびプロフォトグラファーを対象としたイベントで、6月6日と6月7日にパシフィコ横浜で開催されている。主催はプロメディア。
レンズ部分が可動する360°カメラ
キヤノンのブースで参考展示されていたのは「360°&180°3D VR Camera」。コンセプトモデルのモックアップで、製品化は未定。詳細なスペックも明らかになっていない。
”ビデオコミュニケーション”を表す「Vシリーズ」の1機種。Vシリーズは6月下旬に発売予定のVlog向けカメラ「PowerShot V10」が製品化第1弾となっている。
2つの180°カメラを搭載していて、うち1つが180°動く仕組み。2つのカメラを前後位置にすると360°の全天球映像を撮影できる。また、2つのカメラを前方に設置すると180°の3D映像が得られるという。レンズは一体型で交換はできない。
ケース内展示で手に取ることはできないが、コンパクトデジタルカメラ程度の大きさだった。側面にはモードや無線関連とみられるボタンや、USB Type-Cであろう端子も確認できた。
ブース内にはミラーレスカメラのハンズオンコーナーもあり、賑わっていた。RFマウント機で最軽量の新モデル「EOS R100」や、前述した「PowerShot V10」も試すことができた。
X-S20やXF8mmF3.5を展示した富士フイルム
例年、会場で最大級のブースを構えているのが富士フイルムだ。今回はそうしたブースに加えて、パシフィコ横浜内のレストランに体験スペースを設けるなどなお一層の力が入っていた。
ブース内ではミラーレスカメラのXシリーズやGFXシリーズのハンズオンコーナーが人気だった。新モデルでは6月29日発売の小型モデル「FUJIFILM X-S20」や超広角レンズ「XF8mmF3.5 R WR」が並んでいた。
また、「Frame.io」との連携デモも行われていた。Frame.ioはAdobeが提供する写真や動画のクラウドサービス。デジタルスチルカメラでは富士フイルムが世界初のネイティブ対応となった。FUJIFILM X-H2S/X-H2が対応機種で、スマホを経由してframe.ioに撮影した写真や動画をすぐにアップロードできる(トランスミッターFT-XHが必要)。
ローカルのストレージに一旦保存する手間がないのに加え、リアルタイムでアップロードされていくので、データバックアップの役割も果たすとしている。データはインターネット経由で世界のどこでも共同作業者がアクセスできる。
別会場ではウェディング撮影を想定したセッティングで撮影を試すことができる。場所はパシフィコ横浜2階のレストラン「RISTORANTE ATTIMO」。
ウェディングドレスを着たモデルが用意され、好きなカメラやレンズで撮影を体験できる趣向だ。こちらのハンズオンコーナーにもX-S20やXF8mmF3.5 R WRが並んでいた。X-S20はモードダイヤルにVlogのポジションがあり、簡単にVlogや商品レビュー動画を撮影できるようになっている。
さらに、2023年から対応したマルチカムによるリモート動画撮影のデモも行われていた。X-H2S/X-H2を最大4台まで有線または無線で接続し、カメラの設定や録画の開始などを離れた場所からコントロールできる。
コントロール画面はブラウザベースなので、スマートフォン、タブレット、PCなどを端末として使える。各カメラのライブビュー映像も切り換えて確認可能となっている。電動ズームレンズのズーミングにも対応している。
また、パシフィコ横浜のBM6会議室ではGFXおよびXシリーズの上位モデルの無料レンタルサービスも行われていた。ウェディング撮影会場を含めて2時間まで試すことができた。