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初開催「EOS学園オンライン」を体験してきました

自分のペースで学習 & 撮影実習で実際にトライ

EOS学園オンラインのオンライン講座。今回受けた講座は、石井秀俊さんが講師を務める「春のカメラワーク in 東山植物園」。

この春、キヤノンマーケティングジャパン株式会社が始めた「EOS学園オンライン」。そのうち目玉となる「撮影実習+オンライン講座」を体験してみました。

EOS学園オンラインとは、従来のEOS学園とは異なる新しい撮影講座。インターネットの動画を主軸に各講座が構成される、いわゆるEラーニングです。対面での講座が当たり前だった撮影講座の世界では、珍しい試みといえるでしょう。

単なるオンライン講座に終わらず、オンライン講座と実際の撮影実習を組み合わせたコースもあります。自分の時間に学習を進められるオンライン講座は確かに便利ですが、加えてリアルの撮影実習に参加することで、より理解が深まる仕組みです。

この「撮影実習+オンライン講座」に参加してみました。全体はこんな流れです。

1. 撮影実習の事前解説(動画視聴)
2. 東山植物園で2時間の実習
3. オンラインで作品を提出
4. 講評ビデオを視聴

基本設定やテクニックを予習できるオンライン講座

筆者が受けた「撮影実習+オンライン講座」は、石井秀俊さんが講師を務める「春のカメラワーク in 東山植物園 4/10(日)午後コース」。

講座を申し込むとEOS学園マイページへのアクセスが可能になり、動画を視聴できるようになりました。動画の本編は14分39秒。

オンライン講座「春のカメラワーク in 東山植物園」の一部。©石井秀俊
©石井秀俊
©石井秀俊

オンライン講座の内容の一部を挙げましょう。

・基本操作の確認(AF・撮影モードの設定)
・レンズの選択と構図
・露出補正
・ホワイトバランスの設定
・ピクチャースタイルの設定

詳細や具体的なテクニックは、撮影実習でも教えてもらえるとこのこと。期待が高まります。

動画の最後には、撮影実習に持ってくるレンズとして、望遠ズームレンズを持参するよう指示がありました。

キヤノンマーケティングジャパン株式会社イメージコミュニケーション企画本部カメラ商品企画第三部チーフの鳥井健一さんによると、動画の視聴デバイスはPCが多いそうです。ただし、スマートフォンからの視聴も4分の1あり、各自が自分の時間にあわせて視聴している様子がうかがえるとのことでした。

ちなみに、撮影実習が近くなっても動画を視聴していない受講者には、視聴を促すメールがきます。

学んだ知識を実際に体験

そしていよいよ撮影実習の当日。会場となる名古屋・東山植物園に受講者が集結しました。時間の自由がきくオンライン講座らしく、年齢層・撮影歴・撮影機材ともバラバラの11名です。

もちろん全員が動画を視聴済みで、中には2度3度視聴した受講者も。オンライン講座の動画は、講師の石井秀俊さんが制作しました。通常の撮影講座では受講者と対面でやりとりしますが、オンライン講座では直接受講者が見えない点に工夫を要したとのことです。

今回はポイントをレンズワークに絞り、オンライン講座の披露されたテクニックを実地で復習するスタイルに。応用として、望遠ズームレンズを焦点距離135mmに固定しての撮影に限定し、被写体と構図のバランス、被写体と撮影距離の関係などに指導が及びました。

撮影実習の途中では「中間テスト」も。オンライン講座で学んだテクニックを組み合わせた自己ベスト作品を、受講者の間で見せ合います。ボケや色使いについての感想が飛び交ったり、焦点距離を固定する難しさなどに会話が弾みました。

講評もオンラインで

2時間にわたる撮影実習のあと、キヤノンの鳥井さんから作品提出についての解説がありました。

提出する作品は3点まで。ファイル形式はJPEG。マイページからアップロードします。締切は撮影実習の1週間後。

提出された作品は石井さんが作る講評動画にまとられ、各自がオンラインで視聴。それをもってめでたくコースが終了します。

今回のコースの動画は、5月24日まで視聴が可能です。ストリーミング配信のため、ダウンロードはできません。

というわけで、「キヤノン初」というオンライン+実習の撮影講座を体験してみました。自分のペースで学習できるオンライン講座と、講師の指導を受けながら体験できる撮影実習の組み合わせに、今の時代にあった、新しい可能性を感じました。

このEOS学園の「撮影実習+オンライン講座」、いまのところ撮影ジャンルとしては花の撮影に講座が限られていますが、他の撮影ジャンルへの展開も期待したいところです。

(本誌:折本幸治)