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Xシリーズ旗艦モデル「FUJIFILM X-Pro2」

約3年ぶりのモデルチェンジ Xシリーズ初の2,000万画素超え

富士フイルム株式会社は、シリーズ最高の画質と機動性を実現したというミラーレスカメラ「FUJIFILM X-Pro2」を2月18日に発売する。イメージセンサー、ファインダー、シャッターなどをリニューアルしたフラッグシップモデル。

価格はオープン。店頭予想価格は税別20万円前後の見込み。

2012年2月に発売された「FUJIFILM X-Pro1」の後継モデル。FUJIFILM Xマウントを採用する現行ミラーレスカメラ「Xシリーズ」の第1弾がX-Pro1で、X-Pro2はX-Pro1から約3年ぶりのモデルチェンジとなる。

レンジファインダーカメラを思わせる重厚なデザインのブラックボディに、光学式・電子式それぞれに切り替え可能なファインダーを搭載。こうしたX-Pro1らしさを引き継ぎながら、最新のデバイスを盛り込んだフラッグシップモデルに位置付けられている。

X-Trans CMOS初の2,000万画素クラス

撮像素子は新開発の「X-Trans CMOS III」。Xシリーズ初の2,000万画素超えとなるイメージセンサーで、搭載はX-Pro2が初となる。

有効画素数は従来の「X-Trans CMOS」および「X-Trans CMOS II」が1,630万なのに対し、2,430万に引き上げられている。サイズは引き続きAPS-C相当(23.6×15.6mm)。

引き続きパターン性が少ない独自のカラーフィルター配列により、解像感を損なう原因となる光学ローパスフィルターを省略。「レンズが持つ本来の解像力が最大限に発揮される」という。

有効2,430万画素の「X-Trans CMOS III」を採用。

画像処理エンジンもあわせて新規に開発された。X-Pro2が搭載する「X-Processor Pro」は、従来の「EXR プロセッサーII」に対し、色再現、階調再現、低ノイズ、各種レスポンスの各要素で凌駕しているとのこと。起動時間は0.4秒、撮影間隔は0.25秒、シャッタータイムラグは0.05秒、AFは最速で0.06秒としている。

新エンジンの搭載にあたり、高感度画質も向上しているという。通常感度はISO200〜12800。拡張でISO100/25600/51200での撮影も可能だ。ちなみに、X-Pro1は通常感度ISO200〜6400、拡張で最高ISO25600。X-Trans CMOS IIとEXR プロセッサーIIを組み合わせた「FUJIFILM X-T1」(2014年2月発売)は、通常ISO200〜6400、拡張最高ISO51200。

フィルムシミュレーションモードも強化された。新モードの「ACROS」(アクロス)モードは、その名の通り、富士フイルムのモノクロフィルム「ネオパンACROS」にちなんだもの。富士フイルムでは特徴として、従来のモノクロモード以上の「滑らかな階調表現、引き締まった黒、美しい質感再現」を挙げている。

この機能の実現はX-Processor Proの新規搭載によるところが大きく、ファームウェアアップデートによる従来機種への搭載は難しいとのことだ。

また、フィルムの粒状感を再現する「グレイン・エフェクト」機能も新たに搭載されている。効果を「強」「弱」の2段階から選択が可能。

画像処理エンジン「X-Processor Pro」も新規開発品。

ハイブリッドビューファインダーはさらに強化

ファインダーはX-Pro1の「ハイブリッドビューファインダー」から、「アドバンストハイブリッドマルチビューファインダー」に進化している。光学ファインダーと電子ビューファインダー(EVF)を使い分けられる点はそのままに、最新の機能が組み込まれた。

EVFには0.48型約236万ドットの液晶パネルを採用。X-Pro1は0.47型約144万ドットだった。アイポイントは約14mmから約16mmへ。また、ファインダー映像の表示速度を85fpsに向上させることで、動体の残像現象を極限まで低減させたという。

「FUJIFILM X100T」(2014年11月発売)で搭載された「アドバンストハイブリッドビューファインダー」と同じく、光学ファインダー内にEVFをオーバーレイ表示し、そこにピントの拡大画像を表示する「エレクロニックレンジファインダー」を利用可能。

さらに光学ファインダー使用時、実際にレンズを交換することなくレンズごとの画角が確認できる「ブライトフレームシミュレーション」が使えるようになった。

X-Proのアイデンティティともいえるファインダー。
ファインダー横に視度補正ダイヤルを装備。
ファインダー透視図

背面モニターは3型TFT約162万ドットの固定式。

AF測距点は77。全画面の約40%(画面中央部49点)が像面位相差エリアとなる。X-Pro1はコントラストAFのみだった。さらにコントラストAFの読出し速度をX-T1などから2倍に高速化。X-Processor Proとの組み合わせもあり、富士フイルムでは「Xシリーズ最速AF」と説明している。

連写性能は約8コマ/秒。

Xシリーズ初のSDデュアルスロットも

シャッターユニットも新しくなり、最速1/8,000秒、耐久15万回の性能を有している。それでいて、制御シーケンスや使用部材を最適化することで、静粛かつ低振動を実現したとする。

最速フラッシュ同調速度は1/250秒。本体側面にシンクロ端子を備える。内蔵フラッシュは非搭載。

SDカード用のデュアルスロットをXシリーズで初めて装備。SDXC/SDHC/SDメモリーカードが使用できる。X-T1と同様、SDXCメモリーカードはUHS-IIに対応。

バッテリーには、X-Pro1やX-T1などと共用できるNP-W126を使用。標準撮影枚数は約350枚(XF35mmF1.4 R使用時、スタンダードモード/OVF)となっている。

X-Pro1になかった機能としては、ワイヤレス通信もそのひとつ。専用アプリを介すことで、スマートフォンなどへの画像転送やリモート撮影が行える。

なおX-Pro2からは、測光モードに「中央部重点測光」が追加されている。X-Pro1をはじめ、X-T1やX-T10の測光モードは、マルチ、スポット、アベレージに限られていた。

新開発のシャッターユニットを搭載。静かなシャッター音も特徴のひとつ。
SDデュアルスロット。UHS-IIに対応する。
バッテリーはX-Pro1と変わらず。標準撮影枚数は約350枚。

X-Proらしい重厚なボディは健在

本体にはマグネシウム合金を採用。防塵・防滴・耐低温構造を採用する。ボディ塗装はX-Pro1と同じく半ツヤ黒塗装。下地を徹底的に磨いた後に塗布したという。

外形寸法は約140.5×82.8×45.9mm。奥行き最薄部34.8mm。質量は約495g(付属バッテリー、メモリーカード含む)、約445g(バッテリー、メモリーカード含まず)。

Xシリーズでお馴染みの、ボディ上面のシャッタースピードダイヤル、露出補正ダイヤルは健在。アルミ削り出しで作られている。X-Pro2だけのギミックとしては、ISO感度ダイヤルを新設、シャッタースピードダイヤルと一体化した。上面の小窓より設定感度を確認できる。

露出補正ダイヤルには「コマンドダイヤルポジション」が追加されている。このポジションにすると、ボディ前面のコマンドダイヤルで露出補正が可能になる。そのときの補正幅は、露出補正ダイヤルでは不可能な±5EV(露出補正ダイヤルは±3EV)。

突起状の「フォーカスレバー」もX-Pro2から。フォーカスポイントをダイレクトに操作できる。

Fn(ファンクション)ボタンは計6個。

ボディ素材にマグネシウム合金を採用。
装着レンズはXF35mmF1.4 R。
XF35mmF2 R WRとの組み合わせ例。左がブラック、右がシルバー。

例によって外付けハンドグリップも

別売のアクセサリーとして、ボトムレザーケース「BLC-XPRO2」(1万4,000円)、メタルハンドグリップ「MHG-XPRO2」(1万7,000円)を用意する。※共に税別、メーカー希望小売価格。

ボトムレザーケース「BLC-XPRO2」
メタルハンドグリップ「MHG-XPRO2」

(本誌:折本幸治)