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まさかの格納庫見学も?
EOS学園「航空フォト撮影実践講座」に参加しました

チャーリー古庄さんが指導、成田空港を終日楽しむ充実企画

去る11月28日、キヤノンマーケティングジャパン株式会社が主催する「航空フォト撮影実践講座 in 成田国際空港」に参加してきたので、その模様をお伝えしましょう。

この講座は写真教室「EOS学園」の一環として実施されたもので、その名の通り、成田国際空港で旅客機を撮りまくるという内容です。講師は航空機撮影の第一人者、チャーリー古庄さん。当日は会場のマロウドインターナショナルホテル成田に、ヒコーキ撮影を愛する面々が集いました。

これから向かうJAL整備センターを説明するチャーリー古庄さん。

開始時刻は9時30分。ホテルの会議室で挨拶もそこそこに、さっそくバスで出発。向かう先は普段立ち入ることができない、JALの成田空港整備センターです。整備センターには格納庫があり、ここを見学・撮影するのが午前中のハイライト。バスの中でチャーリー古庄さんの解説を聞きながら、ヒコーキ好きの皆さんだけに、到着まで興奮が隠せない様子でした。

このバスでJAL整備センターに向かいます。もちろん、事前の許可なく立ち入れない場所です。

格納庫の中に入る前に、JALより空港や旅客機についての講習がありました。こうした見学会は学校などを対象によく行われているとのことで、JAL側の進行も極めてスムーズで興味を引く内容です。

興味深い講習の最後に、救命胴衣のつけ方を教えてもらいました。この救命胴衣、フライトのたびに使い方を聞いているはずですが、私を含めてちゃんと理解している人は少ないのでは。使わないに越したことはないアイテムとはいえ、事前に体験できるのは良いことだと思います。

救命胴衣の使い方をレクチャーしてもらいました。耐用年数が過ぎた救命胴衣を、こうした講習の中で活用するそうです。

その後はお待ちかねの整備格納庫へ。そこにはピカピカの787が待ち構えていました。しかも、機体までの制限距離が設けられていません。つまり本当に目の前まで近づけるということ。エンジンを覗き込んだり、胴体の下に回り込んだりと、ここまで機体に接近できるとはありがたし。すぐそばで見る787の迫力ある姿を、参加者は時間を忘れてカメラに収めていました。残念ながらJALの規約で、格納庫内の写真は掲載できませんことをあしからずご了承くださいませ。

787をバックにした記念撮影を終えた後は、整備センター内の店舗でJALオリジナルグッズのお土産で購入。こうして、整備センターでの見学は無事終了しました。

格納庫の興奮冷めやらぬ中、ホテルに戻る一行。その後は最上階のレストラン、ルミエールでの食事でした。

昼食後は次の座学までゆっくり昼休みを過ごすかと思いきや、レストランにいた参加者の多くが望遠レンズを手に。そうです、このホテルからは、B滑走路を離着陸する機体が望めるのでした。レストランにも撮影の許可を取り、しばしプチ撮影会が続きます。

食事の後は会場に戻り、午後の講習がスタート。チャーリー古庄さんから成田空港の四季の撮影スポットを教わります。

その日は、撮影地として有名な「さくらの山公園」に向かう予定でした。が、チャーリー古庄さんの判断で、急遽「三里塚さくらの丘公園」へと変更になります。主な理由は、撮影の時間中、さくらの丘公園だとANAのR2-D2 JET(787特別塗装機)の着陸が拝めそうだから。希少な機体の撮影機会を活かすべく、こうした事前情報と撮影地情報の大切さも学びました。

バスの中でチャーリー古庄さん。途中、撮影スポットを参加者に紹介していました。成田空港周辺の施設についても次々とネタを披露。

さくらの丘公園についた一行は、思い思いの場所で撮影を楽しみます。さすが成田空港、数分とおかず機体が現れて、休む暇もありません。

また、現場では参加者向けに、EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM、EF500mm F4L IS II USMなどの貸し出しも行われていました。

A滑走路に並行する三里塚さくらの丘公園。我々以外にも多くの撮影者がカメラを構えていました。
お目当のR2-D2 JET。午前中JALにあれだけお世話になりながら、ここではANA機に歓声が上がります。

撮影タイムは日が暮れはじめる頃に終了。最後はホテルで講評会です。1人1点ずつ自慢の作品を出品し、チャーリー古庄さんのアドバイスを受けました。

こうして、長時間にわたる撮影会が終わりました。午前中は格納庫での体験、午後はさくらの丘公園で撮影と、ヒコーキ撮影好きとって充実した内容のEOS学園「航空フォト撮影実践講座 in 成田国際空港」。単に撮影の場を用意するだけでなく、趣向を凝らしたプログラムが印象に残った1日でした。

なおEOS学園は、2016年1月より内容を刷新。平日だけでなく週末に学べる「短期集中講座」を新設するなど、ニーズにあわせたプログラムに変えていくとのことです。初心者向けだけでなく、撮影実習と作品講評を繰り返し行うことで、レベルの高い作品作りを目指す「作品制作講座」も新設されるなど、本格的に写真に取り組みたい人にとっても、魅力的な写真教室になりそうです。

特に興味深いのはテーマ別の講座。ラグビー、航空、花火といった撮影などでは、普段入ることのできない場所で撮影するスペシャルプログラムが設けられるとのこと。今回の撮影会もそのテストケースと言えるもので、こうした撮影会の回数が多くなり、気軽に参加できるようになることを期待しています。

(本誌:折本幸治)